アボラスという存在
人類は宇宙への探索に限界をみた。生命ある星々は遥かに遠く、そこに辿り着くには人類は短命に過ぎた。
ある時、後に偉大な科学者として名を残すことになるアンダーソン・ミラーは地球上でとあるエネルギーを観測する事に成功した。そのエネルギーは惑星に活力を与え、生命を繁栄させるのに大きな役割を果たす事がわかり、ライフと名付けられた。ライフは分布に偏りがあり、太陽系において地球以外の惑星には存在しなかった。
ある時、後に偉大な物理学者として名を残すことになるナナコ・メートワースは極地方で度々起きる時空震を解析し空間を跳躍する技術を生み出した。しかし、空間跳躍は地球上でしか行えなかった。
数年後、世界連合軍の次元攻撃機が行方不明になり、数日後帰投するまでは。
次元攻撃機のパイロットであるマックス・モーゼル大尉は「自分は異世界に迷い込んだ、中世風の格好をした人間たちがドラゴンと戦っていた。自分の攻撃機も魔法のようなもので攻撃を受けたのですぐにもう一度ジャンプしたら帰ってきた」と証言した。そして、彼の攻撃機に搭載されたライフレコーダーは数分間に地球ではありえないライフ濃度を記録していた。
数ヶ月後、地球の軌道上で観測史上最大の時空震が観測され同座標上に「舟」が現れた。
彼らは使者を名乗り、人類に警告をもたらした。曰く、界境を渡るものを良く思わない輩がいる。曰く、奴らはライフを嫌いライフの存在しない界境に潜む。曰く、奴らはライフの恩恵を受け繁栄する知的生命体を敵視している。奴らは名を「アボラス」と言った。曰く、使者はライフを神聖視し、同じようにライフに愛された同胞を「奴ら」から守る為に旅をしていると
いう。
使者たちの理念に賛同した人類も「アボラス」に対抗するため「界境探査局」を設立した。