森の魔女
俺は、カロンさんとモーターさんと共にゴーストダイバーで勇者が召喚された国の王都郊外の森へと降下した。見た目だけは安っぽい庶民服に着替えて、王都へ向けて出発し用途した。したのだが......
「ようこそ客人。君たちは我らが勇者のご友人かな?」
燃えるようなオレンジ色の髪を持った。魔女が居た。黒い豪奢なドレスを見にまとい、大きな美しい鳶色の瞳をもった美女だったが、その左腕は、異形だった。
綺麗だなと、俺はそう思った。異形の片腕にシンパシーを感じたのかもしれないが、その女性に俺は確かに惹かれた。
そんなことを考えていると、カロンさんが彼女に応えた。
「勇者様?なんですかそれは?俺たちは田舎から出てきた旅人ですよ。今から王都に行くんです」
「いや、誤魔化さなくてもいい。私の目にはお前達は勇者とおなじに見える。なにか目的があってきたんだろう?」
「チッ、お見通しか。で、なんだ?俺たちとやろうってのか?」
おっと、カロンさんがいきなり喧嘩腰だ。
「カロンさん、やめてください。彼女に敵意は無さそうです」
「そっちの君は話がわかりそうじゃないか。私の家においで、お茶をご馳走しよう。別に危害を加えようってわけじゃない。ついておいで」
良い茶葉が手に入ったんだとニコニコしながら魔女は俺たちに手招きした。
『ついて行くしかないですね......ところでマスター?あの魔女さんに見惚れてましたね』
からかわないでくれ。好みではあるんだけど。
そして森の中を歩くこと少し、魔女の家に着いた。何かを育てている庭と、それなりの大きさの小屋。
「座ってくれ、お茶を用意しよう」
俺たち三人は勧められるままテーブルについた。
カップとソーサーが置かれ焼き菓子が添えられる。自家製さ、口に合うといけれどねと俺に微笑みかけた。
そして、俺達と魔女の会談が始まった。
「さて、まずは自己紹介をしようか。おれ...私はマリーア・ヘックス。森の魔女と呼ばれている。この腕のせいで気味悪がられるから隠居の身さ」
そう言って彼女は左腕に視線を落とした。そして俺達を代表してカロンさんが名乗る。
「俺はカロン・デリア。こっちのふたりはアキラとモーター。確かに勇者絡みではあるが、敵対するつもりはない」
そしてカロンさんはマリーアに俺たちの事情を話した。あくまで話せる範囲であるが。
「なるほど、勇者の保護ねぇ。私は王にもパイプがある。協力できなくはないよ」
「信じるのか?」
「この目は真実を見抜く。君たちは嘘はついていないようだ。話していないことはあるだろうけどね」
そう言ってマリーアは微笑んだ。よく笑う人だ。それに笑顔が似合う。




