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新たな任務

界境探査局、軍の他に第三の組織運び屋(ポーターズ)というものが存在する。彼らは戦う力を持たないが、中型の騎士(ナイトロード)級と呼ばれる航界艦を主力に運用し、高い機動力で世界を股に掛ける特殊な集団だ。


通常、世界を跨いでの通信は不可能であり一度異世界へと旅立てば部隊は孤立する。補給も満足にはできない。そこでポーターズの出番となる。彼らは主に引退した航界艦乗りからなる組織であり、遠征部隊に同行し彼らの連絡役を務める。


俺の訓練をイレギュラーこそあったものの無事に終え、撤収準備を進めていた第一機動部隊の元に、今回は地球からこの基地にポーターズがとある「荷物」を届けにきた。


受け取りに行った俺たちに4名の()()は自己紹介をした。


第108特務小隊(タスクフォース108)隊長、カロン デロリアだ」


椅子にダルそうに腰かけ、眠たげな様子を隠そうともせずに無精ヒゲを生やしたオッサン...もといカロン隊長は俺に名乗った。同じオッサンでもヨシダ隊長とは違いだ。


「相変わらずみたいだな、カロン」


ヨシダ隊長はどうやら知り合いのようだ。呆れた様子で答える。


「お前に言われたかねぇよ筋肉バカ」


うるせえ黙ってろとヨシダ隊長が返すと、小さい女の子が割って入る。


「隊長!そこまでにしてくださいー!話が進まないじゃないですかー!」


そして彼女は俺に向き直りにっこりと微笑んで自己紹介する。


「はじめまして、副官のエミリー ローレンスです。よろしくお願いしますね」


「三崎アキラです。よろしくお願いします」


こっちはマトモなようだ...小さい女の子だけど…軍人...


「私は立派なレディなのですよ」


見透かされた。大人なのか、一体どうなってるんだ。


「で、お前らが来たということは任務は...」


「はい、勇者召喚です。今回はトレースに成功し目的世界は判明しています。現地住民に気付かれないように勇者をサポートし、保護すること。召喚が一方通行だった場合彼らを地球に連れ帰ることが今回の任務になります。第一機動部隊にはアボラスが出現した場合の戦闘、ミッションのバックアップをお願いします」


タスクフォースは軍の部隊だが、その役割は異世界へと飛ばされた地球人を保護、連れ帰ることである。界境探査局の遠征部隊に便乗し協力してことに当たる。機動部隊がアボラスと戦い新しい世界を発見するスペシャリストなら、彼らは異世界人に溶け込み工作を行うスペシャリストなのだ。


「わかった、アレクサンダーはもうすぐ出航準備が整う。済み次第すぐに向かおう」


そして、タスクフォースが活動する際には、機動部隊は緊急時に備えバックアップを行う。少数精鋭の彼らを俺達がサポートすることになる。そして慣例としてタスクフォースには機動部隊から1名の連絡要員が派遣されるのだが、今回は研修という事で俺が送られることになった。


翌日正午、準備を整えたアレクサンダー号は地球人が召喚された異世界へと飛び立った。


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湖に魔女がいた。ウェーブのかかった豊かな金髪とオレンジ色の瞳が印象的な美しい魔女だ。


「あのじじいめ、また何か呼んだな。かわいそうに。仕方ない、おれも手を尽くすか。新たなる勇者に幸あれ...」


魔女は憂いを帯びた表情でつぶやき、何かを思い出したように湖畔の小屋へと入ろうとした時何かを感じ取る。


「ん、なんだこれは。悪いものじゃないが…勇者に近いな。だがもっと大きい...」


魔女は予見した。勇者にまつわる新たなる来客を。


「一体どうなることやら、これは準備を急がないとなぁ」


魔女は憂いた。この世界の行く末を。

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