初めて見る夢
ーーーーーー冷たい石の床。
四角く切り取られた星空。
差し込む青白い光。
胸を押さえ、急に苦しみ出した誰かに。
戸惑う、自分がいた。
どうしたんだ!?
何が起きたんだ!?
何度、強く問いかけても、その人は苦しそうな呼吸を返すだけ。
崩れるように倒れたその人に、手を伸ばし。
抱きかかえるように、かがみ込んだ膝にはーー
永遠の別れを予感させる、冷たさが広がってゆく。
待て、待ってくれ……。
何を、どうすればいい……?
変えることの出来ない未来ーー運命。
それでも変えたくて、何度もその人の名を呼ぶ。
「……!」
「……!!」
「……!!!」
何度も、何度も……。
けれど、その願いも空しく。
その人の腕から力は抜け、床にがくっと落ちた。
信じたくない……。
嘘だろ……。
急速に下がってゆく体温に、涙が溢れ出す。
何で…何で……。
抑え切れなくなった感情が、のどを締めつける。
「……っ…くっ……!」
体中に広がった切なさに耐えるよう、強く強くその人を抱きしめる。
自分の手の届かないところへ逝ってしまわないよう、強く強く抱きしめる。
何で、何で……側からいなくなんのが、今なんだ!
すがるように抱きしめ、
教えてくれ……教えてくれ!
言葉にならない想いを大声で叫んだ。
「あぁぁぁぁぁぁっっっ!!」
ボロボロと涙が頬を伝い、冷たい石の床を濡らす。
四角く切り取られた星空。
にじんでいる青白い月。
全てを洗い流すような風が吹き抜けてゆく。
これから、やっと一緒に……ーーーーーー