サーギナの反撃
リックはスケベな妖怪ハンターです。
大神官にレベルアップしたというサーギナは後光が差していました。
(サーギナしゃんとコスプレで……)
とても詳細を記述できないような事を妄想したリックは、涎を垂らしました。
「お前様!」
その妄想を見抜いたのか、美人幼妻の遊魔がいきなり真空飛び膝蹴りを繰り出しました。
「にゃん!」
リックは紙一重でそれをかわしました。
「危ないにゃん、遊魔!」
妄想を見破られたと思い、大量の冷や汗を掻きながら苦笑いで誤魔化そうとするリックです。
「いい加減にしろ! 今、お前達は私と戦っているのであろう!」
業を煮やしたザースが切れました。
「そうにゃんですか」
「そうなんですかあ」
リックと遊魔は某お師匠様に負けないくらいの笑顔で応じました。
それに更にイラついたザースは、
「喰らい尽くせ!」
ゾンビウルフに命じました。
「ぐがああ!」
ゾンビウルフは雄叫びと共にもう一度リック達に襲いかかりました。
「放て!」
無駄とわかっていながらも、ベカサク帝国の皇帝ケスウヨリは部隊に弓を射させました。
しかし、矢がいくら刺さっても、ゾンビウルフは怯まずに突進してきます。
「任せて!」
衣冠束帯のサーギナが進み出ました。
(ここは魔王様の強力な結界の中。大神官の魔力すら制御される)
ザースはニヤリとしました。
「はい!」
サーギナは気合と共に気を発しました。
「何だ?」
意外な行動にザースは眉をひそめました。
「キャンキャン!」
気を受けたゾンビウルフはのたうち回りました。
それを見て、他のゾンビウルフが止まりました。
「何をしたのだ!?」
ザースが怒鳴りました。サーギナは、
「わんちゃんが怪我をしていて可哀想だから、治癒の気合を注いだんだよ」
「何!?」
ザースは仰天しました。
(ゾンビに治癒は致命的ではないか! しかも、治癒呪文は攻撃ではないので、結界の制御を受けないのだ)
焦るザースです。




