リック、美女達に会う
リックはスケベな妖怪ハンターです。
紅蓮の炎で城門を焼き尽くすと、リックは中へ進みました。
建物はきらびやかで、たくさんの女性が住むに相応しい美しさを備えています。
(魔王を倒したら、僕がこの館をいただくにゃん)
酒池肉林を妄想し、涎を垂らすリックです。
「ひい!」
何故か、リックは身震いをして我に返りました。
(遊魔達が近づいているにゃん。急がないと、計画が台無しにゃん)
外道なリックはまだよからぬ事を企んでいました。
「頑張るにゃん!」
リックは気合いを入れて、建物の中へと飛び込みました。
中に入ると、そこには長い回廊がありました。
「この先に美女達がたくさん……」
どんどん嫌らしい顔になり、笑いが止まらなくなるリックです。
(男というものは、例外なく、女にだらしがないものだな)
そのリックを陰からこっそりと監視している魔王の配下のユーミは思い、寒気を覚えました。
「魔王ジュカブ様の魔力の恐ろしさ、味わってもらうぞ、猫」
ユーミはニヤリとしました。
(モンスターは城門のところにいた二匹だけにゃん。どう考えてもおかしいにゃん)
底なしの能天気であるリックでも、さすがに妙に思い始めました。しかし、
「きっと、僕の強さを目の当たりにして、逃げてしまったにゃん」
またしても同じ結論に達して、そのまま進みました。
どうしようもないと思う地の文です。
しばらく回廊を走って行くと、大きな観音開きの扉の前に出ました。
「この先に美女達がいるにゃん」
鼻息を荒くしたリックは力任せにその扉を押し開きました。
「おお!」
するとそこには、まさに桃源郷のような世界が広がっていました。
胸当てと腰蓑だけを着たスタイル抜群の美女達が、池で水遊びをしたり、花見をしながら酒を飲んだりしています。
「まさに酒池肉林にゃん!」
リックは狂喜して、美女達のところへと走り出しました。
嫌な予感しかしない地の文です。




