表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/114

リック、王宮へゆく

 古今無双のスケベな妖怪ハンターのリックは、美人幼な妻の遊魔と異世界に飛ばされました。


 そこで出会った兵士に猫神ねこがみ様と間違えられた遊魔。


 そのお陰か、国王と会う事になりました。


(この扱いの差は屈辱にゃん!)


 遊魔は兵士達が用意した馬車に乗っていますが、リックは馬の餌を運ぶ荷車に藁塗れになって乗っています。


「乗り心地が悪いにゃん! そっちの馬車に乗せて欲しいにゃん!」


 リックは兵士の団長に言いました。すると団長に、


「嫌なら歩け。召し使い風情が偉そうな事を申すな!」


 一喝されました。


「は、はいにゃん……」


 チビりそうになりながら応じるリックです。


 


 しばらく進むと、遥か前方に石造りの城が見えてきました。


「もうすぐ到着致します、猫神様」


 団長が恭しく頭を下げて遊魔に告げました。


「そうなんですかあ」


 遊魔は笑顔全開で応じました。


(どうして遊魔は僕が夫だと言ってくれないにゃん?)


 悲しくて涙が出そうになるリックですが、今までの悪行を思えば、自業自得の見本市だと思う地の文です。


「うるさいにゃん!」


 見事な指摘をした地の文に切れるリックです。


「其方こそ騒がしいぞ、召し使いめ! 静かにせんと、斬り捨てるぞ!」

 

 団長が鬼の形相で怒鳴りました。


「はいにゃん……」


 少しチビッてしまったリックです。


 


 その頃、王宮の玉座の間では国王が遊魔達を待っていました。


「間違いないのか?」


 国王は目の前に控えている宰相に尋ねました。


「間違いございません。猫神様は光と共に降臨されますので」


 宰相はニヤリとして応じました。国王もニヤリとして、


「そうか。ならば、これで憎みても余りある隣国のベカサク帝国を滅ぼす事ができるな」


 まるで上から目線の推理作家のような顔で言いました。


「猫神様のお力を授かれば、我が国は無敵になりまする」


 宰相も上から目線の推理作家のような顔で応じました。


 そして、二人は高笑いしました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ