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魔王の策略

 リックはスケベな妖怪ハンターです。


 伊◯の踊り子像におびき寄せられた大神官のサーギナは、踊り子像と共に消えてしまいました。


 絶対的な強さを誇るサーギナを失ったリック一行は動揺しました。


 中でも、リックとベカサク帝国の皇帝であるケスウヨリの取り乱しようは傍で見ていても見苦しいものでした。


(あの乳を失ったのは大きい)


 妙な言い回しを見事に合致させて悲しむスケベコンビです。


「違う!」


「違うにゃん!」


 ケスウヨリとリックはそれぞれ地の文に切れました。


(男という奴は……)


 二人を白い目で見るコーミとユーミの美人姉妹ですが、


(素敵、皇帝陛下!)


 三女のサーミは目をキラキラさせてケスウヨリを見つめています。


「サーミ、見てはいけません!」


 母親のキーミが慌ててサーミの目を後ろから手で覆いました。


 


 その頃、サーギナは踊り子像を抱いたままで、真っ暗な空間にいました。


「ようこそ、サーギナ殿。お待ちしておりました」


 不意にサーギナの背後に魔王ジュカブが現れました。


「あ、豚さん!」


 サーギナは嬉しそうに魔王を指差しました。


は豚ではない! 魔王ジュカブじゃ!」


 魔王はサーギナに切れました。


「ふうん、豚さんのお名前はメカブって言うんだ」


 サーギナは抱いていた踊り子像を下に下ろして、ジュカブを見ました。


「余は豚ではないし、名前はメカブではない!」


 ジュカブは額に幾筋もの血管を浮き上がらせて怒りました。


「え? そうなの? ダメだよ、嘘の名前を教えたりしたら。お父さんに叱られるよ」


 サーギナはほっぺを膨らませて言いました。


(か、可愛い)


 ジュカブは思わずサーギナの仕草に見とれてしまいました。


「私、嘘つきと納豆が大嫌いなの。じゃあね」


 くるりときびすを返して立ち去ろうとするサーギナです。


「待たんかい!」


 ジュカブは目を血走らせて怒鳴ったのが原因で血圧が急上昇したのか、ふらついてしまいました。

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