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幻の夜  作者: 鶉月翠
一章
6/22

間幕 一

間幕始


「久しぶりかな? こうして会うのは」

「そうでもないさ。前回会った時とあまり日は経過してないと思うが?」

「君にとって数ヶ月は久しぶりに入らないんだね」

「ふむ。それよりも私を呼ぶとは珍しいな」

「珍しくもないと思うけど」

「いや、珍しいさ。逢引する為に呼んだのだろう?」

「……本題に入っていいかい?」

「おや、付き合ってくれないのかい?」

「君の冗談に付き合う気はないよ」

「つれないね。で、何の話なんだい?」

「ここ最近、周辺で――いや、国中で起こっている件。どこまで掴んでる?」

「単刀直入だね。私が動いていると?」

「君が動かないはずないだろう?」

「まあ、そうだが。ふむ。今の段階では何も分かっていない」

「……分かっていない?」

「ああ。危険区域外での出現例に始まり目撃例等、その件に関しては枚挙に暇ないが原因が特定出来ていない」

「つまり、調査に行き詰まって分からないと」

「国自体も動いているが、いつもの様に特定できる《歪み》がなくてね。これだけの規模だ、本来なら出現した区域のすぐ近くに《歪み》が発生していてもおかしくはないんだが」

「……出現の要因は少なくとも《歪み》が関係しているはずなのにそれがない」

「ふむ。そうなるかな。だからこそ手詰まりの状態だよ。だが」

「……? 何か心当たりでも?」

「心当たりと言うよりは、推測の域なのだけどね。これは人為的に起こされたものではないのかな? そうすれば幾らか説明もつく」

「……!? まさか、創りだし操っていると? 有り得ないよ。いや、可能性は無い訳じゃないけど、アレらは天災の様なものだよ。人の手に余る」

「無いとは言えない。まさにその通りだとおもうが? これまでは無かったからと言ってこれかも無いとは限らない」

「……」

「それに《歪み》そのものを創り出すのではなく、《歪み》が引き起した現象の結果の方を創っているのかも知れない」

「……なかなか大胆な発想だね」

「可能性としては考慮するべきだと思うがね、私は」

「だとすると何者がと云う話になるけどね」

「ああ、その通りだ。まあ、この件に関してはこのまま独自に調べるつもりだよ」

「何か僕に手伝える事はあるかい?」

「ふむ。私は暫くこの街に滞在しようと思っている。宿を提供してくれると嬉しいね」

「……はぁ。分かったよ」


間幕了

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