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幕間 試し

違和感は始めからあった。


子供とは泣き叫び感情のままに振る舞う生き物ではなかったか。


静かに親を見送る小さな子供

大声をあげるわけでもなく泣き続ける姿

まるで大人のようではないかと。


だから試してみた。

相手はどうみようと産まれて数年しかたっていない子供にかわりはない。



1日分だといい大きめのパンを渡した。


金のことを教えた。


仕事を与えてみた。


文字を教えてみた。


驚くほどに理解をしめし実行した。


こいつは本当に田舎の子供なのかと、それ以上に貴族の子供でさえここまで素直に理解できない。考えることをしない。


異常だ、異端だ、と感覚が伝えてくる。


ただ子供らしいところはある、寝ているときに親を呼びながら泣くのだ。

まだ一人で寝かすのは危ない。

本人が泣いていることに気づいていないようであったとしても。


教えたことが本能的に生きていくのに必要だと感じているのか、親と離れたことで幼いなりに自立しようとしているのか。


それは頭を使わない肉体派としてはわからない。


関係ないが戦いについての能力がないのは、みてとれた。

戦いには向かない性格でもある。


このまま、この子供を埋もれさせるには勿体無い。


稼いだ金もある。


ここで小遣い稼ぎをするのも飽きてきた頃だ。


肉親もこの子供が最後だ。

気まぐれに甥を訪れ任された子供、なにか得たいの知れないものを感じる。


大物になるかもしれない、その可能性を試し観察するのも悪くはない。


子供の村は調査され、遺体は焼き払われたと聞いた。伝染病ではないとのことだが念のために焼いたのだろう。


子供と出会ったのは神より役目をあたえられたと思えば楽しくも思えてくるものだ。


「ガキ、王都にいくぞ」


そこで色々と学び驚くぐらいの大物になってみせろ。

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