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0 この世の終わり

癌だった。


そのうち治るだろうと思われた体調不良が治らなかった。


医者に手遅れだと言われた末期だった。


頼れる人がいなかった。


親しい人もいなかった。


生きるだけで必死だった。

生きていくだけで必死だった。





死ぬ間際に思ったのは、



もっと自由に生きてみたかった…。

きらきらとした“生きた”という実感がある死を迎えたかった…。

ただ消滅して誰の記憶にも残らない最期はいやだった。




…誰もでいいから私のことを少しでも長く覚えておいて…。

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