つかの間の平和6
その日の朝一番で、王から伝言を伝えられたチェルネイアは困惑と憤りに不機嫌になりながら支度をしていた。確かに一昨日、慈母アレシアを含めた正妃候補三人とのお茶会で陛下と剣の話題で盛り上がった。それは勿論、他の二人の候補がその話題にはついて来れないと思っていたからで、その目論みは成功した。
しかし、その成功は思いもよらない結果を今頃になってもたらした。伝言には、ゼットワース候直伝の姫の剣技を是非とも見せて頂きたい、というような主旨の事が書いてあった。
二人きりで逢えるこの機会に、チェルネイアとしては何かしらの性的接触を持ちたかったのに当てが外れそうだ。念のために持って来た剣の稽古用のシンプルなドレスを身につけ、長い髪を邪魔にならぬ様に纏め上げる。いつもは念入りに施す化粧も、汗に流れてはかえって美を損なうので今は薄化粧に留めた。
これでは到底王を誘惑出来る姿では無い、と鏡の中の自分に溜め息を吐いた。チェルネイアにとって衣装はとても重要な小道具で、なりたい自分、こうありたいと思う自分に合わせてドレスを選び、気持ちを高めるから、王を誘惑しようという意気込みが萎みがちだ。
鏡の前で少々ぼんやりしていると、背後で音も無く部屋に滑り込んで来る侍女の姿が見えた。
「早かったのね」
「はい」
チェルネイアが声を掛けると、カトリーヌは足早に主人に歩み寄り、そっとチェルネイアの手の中に手紙を滑り込ませた。
チェルネイアはその手紙を素早く開けて二度目を通すと、すぐに立ち上がって燭台の火を移し、暖炉に投げ込んだ。
「ゼットワース侯爵令嬢、チェルネイア様ご到着です」
王宮侍女に先導されて向かった春宮殿の王の居間には、王と侍従二人の姿だけがあった。
「ゼットワース侯爵が長女、チェルネイア、ただいま御前に参りましてございます。陛下に謹んで朝のご挨拶を申し上げます」
型通りの挨拶と、いつもよりは格段に劣る装いに負けるものかと余裕のある優雅さを指の先まで意識して深く腰を折り、頭を下げる。
「堅苦しい挨拶は良い。早速参ろうか」
気さくとも言える仕草で、礼を取っているチェルネイアに王は手を差し伸べ、そこでようやくチェルネイアは顔を上げて王の手に自分のそれを重ねた。
王の手が思ったよりも、大きく無骨で小さな傷の多い事に気付く。容姿と変わらず、綺麗な手をしているとばかり思っていたチェルネイアは、少し意外に思った。
ちらりと王の表情をうかがうと、相変わらず淡々とした表情だ。いつもなら色々と言葉も出て来るチェルネイアだったが、今日はどうにも調子が出ない。王にエスコートされて夏宮殿に向かいながら、チェルネイアはこの沈黙をどうしたものかと考えあぐねていたところ、思いがけず王の方から声を掛けて来た。
「突然の申し出、不躾だったかと思うが許されよ」
「滅相もございません。ですが、陛下。所詮は女の手習いでございますから、お目汚しになるやもしれませんわ」
「それは無いだろう」
あっさりと確信を持ってそう言い切る王に、チェルネイアは首を傾げる。
「何故そうお思いになりますの?」
「そなたは背筋が特に強いからだ」
「背筋、ですか?」
「踊りの名手は数多く居るが、女性でそなた程上体にブレが無く踊る者は珍しい。おそらく剣の稽古のおかげであろう。それと分かる程に精進したのなら生半可なことではあるまい」
チェルネイアは狐に摘まれた様な気分だった。舞踏会では大胆なドレスで男性陣の視線を一身に集めて艶やかに踊る自分の、まさか背筋に注目する男がいるとは、全く予想していなかった事だ。
「そなた、レイピア一筋であろう?」
「はい」
レイピアは細身の剣で軽く、力の弱い者でも扱いやすい。殺傷能力には乏しいが、鋭い一突きさえ急所に決まれば相手を戦闘不能にする事も出来る。チェルネイアは女ということもあって、ずっとレイピアを得物にしてきた。
「私も習い始めの剣を使う筋力が無かった頃はレイピアで稽古をしたものだ。しかし、あれはやればやる程難しい武器だ」
「そうなのですか?」
「レイピアしか使った事の無いそなたには、分からぬかもしれないが」
僅かに苦い顔をする王を横目で見上げて、チェルネイアは漠然とした不安が込み上げるのを感じた。
陛下は、女性に慣れていないわけでは無く、そういった男女の睦み合いに余り興味が無いのかしら?
悩ましいばかりの完成された女性美を備えたチェルネイアの姿態に、性的な興味を全く持たない男性をチェルネイアは知らなかった。チェルネイア相手に、自分の剣の腕の話ならともかく、チェルネイアの剣の腕について真剣に話す男も知らなかった。
女の武器と機転を頼りに男性優位の社交界を生きて来たチェルネイアには、王は全く未知の生き物に見えて、足下がぐらつくような錯覚を覚えた。
一体何を考えていらっしゃるの?
今までは王の生い立ちから、自分と王は同類だと思っていた。しかし、それは間違いなのではないか?
慈母アレシアが殺されたとしても、憎悪に染まることは無いのではないか?
その恐ろしい予感に、チェルネイアは顔を強張らせた。
もし王を落とせなかったら、私は一生あの男の奴隷だわ。
そんなのは絶対に嫌!
「ここが夏宮殿だ。当たり前ではあるが、そなたは初めてであろう?」
「はい、父の職場ではありますけれど、実際に目にするのは初めてですわ」
夏宮殿は宮殿という言葉が全くそぐわない無骨な建物の群れだ。騎士や近衛兵達の宿舎、訓練場、上官達の執務室のある書類仕事を行う幾つかの建物だけが僅かに装飾的なだけで、後は一番奥に学び舎である騎士院がある。
訓練のかけ声があちこちから響く中、一行は真っ直ぐに奥へと向かった。
宮殿というなら、この騎士院だろう。元は本当に王族の所有する宮殿であったものを貴族の子弟の為の教育施設に作り替えたので、佇まいは古びているが美しい。青銅製の凝った作りの門の前には、既に出迎えの者達が待機していた。
「陛下、ならびに御正妃候補様、この度は騎士院に足をお運び頂き、恐悦至極に存じます。案内役は、これなるガッシュ・メルローが務めさせて頂きます」
現在学長を務める老人がまず挨拶を述べ、続いて堂々たる体躯の老境に差し掛かった男が学長に促されて前に進み出た。
王は頷いてその男に声を掛けた。
「また世話を掛ける」
「なんのなんの。陛下の頼みであれば喜んで」
親しげに言葉を交わす様子から、チェルネイアは王と男の関係を推測する。おそらく今日の目的からして、この男は王の剣の師だろう。あの男によく似た野獣の様な鋭い気配を纏っていた。
ふと、視線を周囲に遣ると、こちらを見つめる見知った顔に行き当たった。戸籍上の弟、モリーツだ。そういえば王の侍従になったと聞いた。最近は殆ど顔を合わせていなかったが、相変わらず不景気そうな表情の少年にチェルネイアは面白くなさそうに小さく鼻を鳴らして目を逸らした。
「チェルネイア姫、これは我が剣の師だ。本日そなたの相手を務めてもらう」
「なんと……この姫君のお相手を私めが務めるのですか?」
やはりと、思いながらも、相手と同じ様にチェルネイアも驚く。当然王が相手をしてくれるものと思っていた。
「ガッシュ、甘く見ると痛い目を見るぞ。チェルネイア姫はゼットワース候から直々に手ほどきを受けている」
「ゼットワース候……なるほど、それは侮れませんな」
感慨深げな顔をして目を細めて自分を見定める様な男の視線に、チェルネイアは挑むかのように艶やかな微笑みを作った。
「お手柔らかにお願い致しますわ」
場所を訓練場に移し、立ち会いは身体の筋を痛めぬ様に軽く素振りで身体を解してからということになった。チェルエネイアは渡された訓練用のレイピアを手に、どうしたものかと迷っていた。本気を出した方が良いのか、か弱い女を演出して早々に負けた方が良いのか。
常ならば後者を選ぶが、王の様子からしてそれは得策では無い気がした。それにガッシュという男は手加減をする様な男では無いようだ。王は一度として一本取ったことが無いと言っていたし、何よりもその眼光の強さがそれを物語っている様に思えた。
今回はやはり前者を選ぶべきだと判断して、チェルエネイアは軽い素振りで手と身体にレイピアの感触を叩き込む。同じレイピアとはいえ、男性用のそれは普段チェルネイアが使っているものよりも幾分重い。いつもよりも体力の限界は早いと考えなければならないと、気を引き締めた。
そんなチェルネイアの姿をガッシュは興味深げに眺めていた。先日の王の来訪のこともあり、今日連れて来た正妃候補が王の本命かと思っていたが、自分と手合わせさせようというのだから少し違うかも知れない。それにしてもゼットワース候縁の人間に二人も続けて会うとは、珍妙なことだ。この分だと三人目もひょっとしたらありそうだ。
「準備はお宜しいか?」
姫君の準備が整った頃合いを見計らって声を掛けると、微笑みながら頷きを返された。ガッシュも男であるので、妙齢の美女の微笑みにはつい心がざわめく。どうにも参ったな、と内心で苦笑しながら愛用の剣を手に取った。愛用の剣といっても、稽古用の刃を潰したものだが。
向き合って胸の前で剣を掲げて軽く礼を交わす。女性と剣を交えるのは全くの初めてでは無いが、貴婦人然とした女性とは初めてだ。剣を持たぬ左手でドレスの裾を軽く摘んで剣を構える様子は、どちらかといえば今にも軽やかに宮廷舞踏でも踊り出しそうだと思った。
が、そんな戯れ言を思ったのは一瞬だった。
身体に染み付いた無意識の反射で、姫君が繰り出した鋭い一撃をガッシュは受け止め、驚きに目を見開いた。
成る程、これは侮れぬ。
レイピアというのは軽く細い。だから先端には持ち手の振動が伝わりやすく、切っ先が定まりにくい。だが、姫君の構えるレイピアの先端はピタリとして迷いが無く、流れる様な足さばきで移動している時ですら定められたその切っ先は確実にガッシュの急所、喉元を狙っているのが良く分かった。
受け止めた剣は軽く、ガッシュに殆どダメージを与えなかったが、レイピアという武器の特性を良く理解し、それに特化した身体作りをしたに違いない姫君の動きを教師の目は嬉しげに見つめた。
誘い水の様な軽い挑発を二三度繰り返して左右にガッシュを揺さぶり、隙をうかがって一気に大胆な踏み込みで急所を狙って来る。
女と侮っている相手なら、一瞬で勝負を決めてしまいそうな程、その突きは鋭い。しかし、二十合も打ち合えば運動量からも姫君に疲れが見え始めた。ガッシュは頃合いかと判断し、これが最後と決めたか思い切り飛び込んで来る姫君のレイピアを弾き飛ばした。
離れた場所に落ちたレイピアの乾いた音が響く。
続いて王の拍手の音が響いた。
「見事だった。まるで舞いを見ている様に美しかった」
はっと我にかえった様な顔をして、姫君は王の賞賛に優雅に礼をして見せた。
「いや、真に。レイピアに関しては姫君程巧みな使い手は少ないでしょう」
女ということを差し引いても、姫君の実力は中々のものだ。賞賛された姫君本人はやや困惑したような表情で恐縮してみせたが、だいぶ息が上がっていてただ頭を下げるばかりだった。そんな姫君の手を取り、王は用意させた椅子に座らせ、飲み物を持ってくる様に侍従に指示を出した。
「ガッシュ、次は我の相手を」
「仰せのままに」
姫君を休ませておいて今度は自分が訓練用の剣を取る王に、ガッシュは頷いて再び訓練場の中央に向かった。先日の来訪では話をしただけであったので、こうして打ち合うのは本当に久し振りになる。
型通りの礼を交わし、軽く切っ先で打ち合いを始め、斬戟の音に紛れて言葉を交わす。
「姫の剣は、どうであった?」
「情熱的ですな。あの方は剣がお好きなようだ」
王の問いに答えながら、小手調べ程度にガッシュは攻撃を繰り出した。
「っ、他には?」
受け止めた王の顔が僅かに歪んで、返す切っ先で攻撃を仕掛けて来るが、それを難なく交わしてガッシュは間合いを取る。
「少しばかり無謀、ですか。捨て身の攻撃が多過ぎる」
「くっ」
そう答えてから、一気に間合いを詰めて重めの一撃を繰り出し、受け流しきれずに呻いた王の足下が僅かにふらついた。
「陛下、身体が鈍っていますな。これ位は軽く受けて頂かなくては」
おそらく政務に追われて鍛錬を満足に出来ていないのだろう。剣を教えていた時に比べると落ちてしまった技量にガッシュは苦笑した。
王もまた苦笑いを返す。
「面目無い…っ」
体勢を立て直して再び打ち合いを始める。
今度はお互いに無言だ。
一時、昔に帰って無心に打ち合う二人は、チェルネイアに訪れた異変に気付かなかった。
——見事だった。まるで舞いを見ている様に美しかった——
美しいと言われたことは、数えきれない程ある。
けれども、剣を持つ姿を美しいと讃えられたのは初めてだった。
チェルネイアは、色々と混乱していた。
王に美しいと賞賛されたことは、喜ばしいことだ。けれども、これは自分が思い描いていたこととは違う。そもそも、剣を自分に教えたあの男でさえ、一度として剣の腕を褒めてくれたことは無かったし、あの男以外を相手にしたことが無かったので、チェルネイアは自分の実力を客観的には全く知らなかった。
あの男は憎悪を燃やして挑むチェルネイアを嗤いながらあしらい、嬲る様にして稽古を付けた後は、一歩も動けない程に疲れ切って悔しさに泣くチェルネイアの身体を蹂躙し、更に屈辱の中に叩き落とした。奇跡的にあの男から一本をもぎ取った十七の夏以降、稽古後の蹂躙は無くなったが、屋敷内では公然の秘密となっていた性暴力は現在も続いている。
「メルローは強かっただろう?」
不意に背後から響いた声にチェルネイアの心臓は凍り付いた。
それは忘れもしない、あの男の声だった。
「まだ数日だが、お前の身体が恋しいぞ……」
背後に近付く気配に鳥肌が立つ。嘲りを含んだその声に、チェルネイアは真っ青になって唇を噛んだ。
「忘れるな、お前が誰の物かを」
呪いのように囁かれた言葉に、気が遠くなりそうだった。
もう駄目。
そう思った時、丁度勝負がついたらしい王の声が響いて、チェルネイアを呪縛から解放した。
「メレデス将軍ではないか、どうした?」
「いえ、陛下と我が娘がこちらにいらっしゃると聞き及びまして、立ち寄らせて頂きました」
あの男が先程までとは打って変わって朗らかな声で王に答えるのを聞きながら、出来ればこの場から一刻も早く逃げ出したいとチェルネイアは思った。
「そうか。どうだ、そなたも一汗流して行くか? ガッシュもそなたとなら本気の打ち合いが出来るだろう」
「遠慮しておきます。将軍職を拝命しております現在、剣豪メルロー教授相手といえど負けてしまっては下に示しがつきませんし。それにすぐ戻らねばなりません。まだ仕事中ですので。では、失礼致しました」
去って行く気配にようやく身体の力を抜いて、震える息をそろそろと吐き出した。
「チェルネイア姫?」
「これは……顔色がお悪い様ですな」
ここでようやくチェルネイアの様子がおかしい事に気付いた王と教授が、心配そうに顔を顰めた。
「いえ、大丈夫ですわ」
少しも弱みを見せたくないチェルネイアは、どうにか笑おうとしたが上手くは行かなかった。
「いや、打ち合いに夢中になってそなたのことを疎かにしてしまった。許せ。あぁ、丁度良いところに戻って来たな、モリーツ!」
「はい、陛下」
飲み物を用意して戻って来たばかりのモリーツが、王に呼ばれて慌てて駆け寄った。
「チェルネイア姫が……そなたの姉君が気分を悪くされたようだ。奥にある医務室に案内せよ。我も少しガッシュと話したらすぐに行く」
「畏まりました」
王の言葉に明らかに取り乱した顔をして、モリーツは頭を下げた。実は戻って来る途中、ほんの少し前に父親であるゼットワース侯爵とすれ違って、悪い予感がしていたのだ。
正妃候補を休ませたいと医務室の医者に言うと、気を聞かせて人払いをしてくれた。扉の外に護衛の近衛兵二人を残し、まだ顔色の悪いチェルネイアを奥の簡易ベッドに座らせた。
「チェルー、具合悪かったら横になる?」
「……」
気遣って声を掛けても、チェルネイアは黙ったまま美しい顔を強張らせて頭を振った。
「もしかして、父上にまた何か……」
「うるさい!」
「でもっ」
「黙って頂戴、役立たずの弱虫に話す事なんか無いわ」
琥珀の瞳に涙を滲ませて睨まれると、モリーツも泣きたくなった。でも、ここで引き下がったら駄目だと自分を奮い立たせる。
「そんな事…っ、僕だってもう一人前の侍従だよ? もしかしたら、力になれるかも知れないし」
必死で訴えるモリーツをチェルネイアは少しだけ見つめて、すぐに疲れた様に目を逸らした。
「無理よ。もう手遅れだわ」
「え?」
「……乳母やは、もうこの世にいないんだから……」
辛うじて耳に届く程度の呟きに、モリーツは目を丸くして息を飲んだ。そんな話は初耳だ。しかし、チェルネイアが病気の為に離れて暮らしている乳母の存在を心の支えに生きて来た事は、当然モリーツもよく知っていた。
「まさか……!」
「冗談よ。それより水を頂戴」
すぐに否定したチェルネイアだったが、その荒んだ笑みと投げやりな態度に、それが真実だとモリーツは悟った。少なくともチェルネイアはそう信じている。
一体どうして?
沸き上がる疑問と胸の痛みを堪えながら、モリーツはチェルネイアに水を飲ませ、躊躇いがちにその背をさすった。振り払われるかと思ったが、チェルネイアは大人しく水を飲みながらモリーツに背を撫でられていた。
暫くすると少し立ち直った様で、鬱陶しげにモリーツの手を払って立ち上がった。壁に掛かった小さな鏡に己の顔を映し、少し赤くなった目元と顔色の悪さに不機嫌な顔をして濡れタオルを要求した。ぺちぺちと頬を叩いて血色を良く見せかけ、モリーツから渡された濡れタオルで目元を冷やす。
そして王がやって来た頃には、いつもの調子を取り戻して艶っぽい微笑みで出迎え、モリーツの存在等最初からなかったかのように王と連れ立って春宮殿へと戻って行った。