第12話「影の王、裏組織を制す」
廃工場の地下、黒い深淵を制御した氷室。
その周囲に立ち尽くす裏組織の幹部たちは、完全に圧倒されていた。
城ヶ崎が静かに告げる。
「氷室……ここで決着をつけるべきです。
潜入作戦の目的は、裏組織の活動を止めること。
そして、王としての力を示すことです」
氷室は赤い瞳を前方に向け、牙の影を膨らませる。
「……わかった。
誰も傷つけさせない。
俺は影の王だ。
そして、守るべきものを守るために、
ここを潰す!」
牙の影が幹部たちを包囲し、
黒い霧が廊下と部屋を覆い尽くす。
幹部の一人が恐怖に駆られ声をあげる。
「まさか……一人で……!
影の王……!?」
氷室は冷静に牙を振るい、
幹部たちの攻撃を反射的に弾き返す。
彩花が後方で声をあげる。
「お兄ちゃん……すごい……!」
城ヶ崎も微笑む。
「これが王の力です。
守る意志で動かした影は、
攻撃にも防御にもなります」
黒い牙が幹部たちを押し返し、
一瞬のうちに廃工場内の裏組織は制圧された。
リーダー格の幹部が氷室に向かって跪く。
「……認める……
影の王……お前には逆らえない……」
氷室は赤い瞳を静かに光らせ、拳を握る。
「これで終わりだ。
お前たちの悪事はもう終わりだ……
誰も守れないままにはさせない!」
都市の地下で、黒い牙の影が静かに収束する。
深淵は完全に制御下に置かれ、
裏組織の活動も一時的に停止した。
城ヶ崎が氷室の肩に手を置く。
「潜入作戦、成功です。
これで影の王としての力も証明されました」
彩花が微笑み、兄に駆け寄る。
「お兄ちゃん……本当にすごい……!」
氷室は微笑み返し、赤い瞳を都市の夜空に向ける。
(……これで裏組織も一段落。
だが、世界にはまだ守るべきものがある。
俺は影の王として、進み続ける……!)
──影の王としての潜入作戦は成功し、
──氷室の力と覚悟はさらに確固たるものとなった。




