第8話「裏組織の正体」
廃工場の地下。
氷室、彩花、城ヶ崎の三人は、黒い影に包まれながら潜入していた。
空気は重く、冷たく湿っている。
床には古びた影の装置が並び、壁には監視カメラのように微かな光が瞬いていた。
城ヶ崎が低く囁く。
「ここが裏組織の中枢です。
見つかれば即座に戦闘になります。
慎重に……」
氷室は影を牙と盾に変え、前方を探る。
「……見せてもらおうか。
お前たちが狙う“影の王”の意味を」
奥の扉が静かに開き、
黒と赤の影を纏った男たちが現れた。
彼らの動きは統率され、
氷室の牙の影ですら警戒させるほどの熟練者の気配。
リーダー格の一人がゆっくり歩み出る。
「ようこそ、影の王。
ここまで来るとは予想外だ」
城ヶ崎が警告する。
「氷室……奴らは影の力を操る特別な部隊です。
戦闘になれば一瞬で囲まれます!」
氷室は静かに拳を握る。
「戦うか、話を聞くか……
どっちにしても俺は進む」
リーダー格が微笑む。
「我々の目的は単純だ。
影を操る者たちを集め、
最強の力を作り上げること。
君の力も、その一部として欲しいだけだ」
彩花が驚きの声をあげる。
「お兄ちゃん……そんな……!」
氷室は冷静に答える。
「俺の力を利用して、守るべきものを壊す……
それは絶対にさせない!」
リーダー格が一歩前に出て、影を揺らす。
壁の影が黒い触手のように伸び、氷室たちを包囲する。
「なら、試すしかないな。
力の制御と覚悟を」
氷室は赤い瞳を光らせ、牙の影を最大限に膨らませる。
「誰も傷つけさせない!
俺が王だ!!
影の王として、ここを突破する!!」
黒い牙の影が触手を打ち払うように振るい、
廃工場の闇が激しい戦場へと変わった。
──氷室は、
──裏組織の真の意図と、戦いの本番に直面した。




