表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/36

第3章 影の支配者 ■第1話「影の王、潜入」

夜の街は、不気味な静寂に包まれていた。

警察の追跡も、影狩りの精鋭も、まだ氷室の気配を捕らえてはいない。


氷室は彩花を背に、廃ビルの影から影へと移動する。

背後で城ヶ崎が影の形を整えながら同行する。


「ここから先は……

 敵の縄張りです」


城ヶ崎の声は冷静だが、その瞳には緊張が宿っている。


「敵……って?」


氷室は振り返らずに答える。


「捕食者以外にも、影を狙う者たちがいる。

 奴らは国家の影狩りとは違う。

 影の力を使う“裏の組織”。

 力を奪い、利用することしか考えてない」


彩花が震える。


「そんな……また戦うの……?」


氷室は彩花の肩に手を置く。


「大丈夫だ。

 俺はもう一人じゃない。

 城ヶ崎もいる。

 影の王として、必ず守る」


城ヶ崎が口を開く。


「潜入する場所は、闇の中でも特に危険です。

 ここには“影の監視者”が多数配置されている」


氷室は眉をひそめる。


「監視者……俺らを見張る奴らか?」


城ヶ崎は頷く。


「そうです。

 奴らは影を感知し、操る力を持つ。

 不用意に動けば即座に捕捉されます」


氷室は深く息を吐く。


(……なるほど。

 これが王としての最初の試練か……

 守りたいものを守るため、

 影の王として、奴らの間を突破する……!)


三人は屋上から建物の影へ飛び移る。

都市の闇が彼らを包み込む。


影が足元から伸び、足場を確保する。

城ヶ崎の影もそれを支え、氷室の黒い牙が闇を切り裂く。


「──行くぞ」


氷室は低く唸り、影を膨らませる。

牙の影が前方の暗闇を押し裂き、

潜入の道を切り開く。


だが──


闇の奥で、静かに人影が動いた。


「……おや、王が来たか」


冷たい声。

人影の背後に、黒と赤の影が蠢く。


城ヶ崎の影が警告する。


「氷室……

 奴らは“裏組織の影の暗殺者”です!

 捕捉されたら即死です!」


氷室は拳を握る。


「わかってる……でも行くしかねぇ!」


黒い影が牙となり、闇を切り裂く。

都市の夜に、

新たな戦いの幕が上がった──。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ