09 ぜーんぶ計算どおりなのだよ
うーん...おはよう。
田村さんは...まだ起きてないか。
じゃ、昨日投稿した日記のPVを見よっかなー。
もしかしたら、急にめっちゃ増えてたりして...うぇ!?
ちょっと待ってよこれ!
え?これ本当に私のいつもの日記かなぁ!?
いや、見れてるから私のなんだろうけど...
急に300PVついてる!?
間違って全体のPVを見たんじゃなくて、確実に昨日だけのPVだよ...ね?うん、昨日のPVだ。昨日だけの。
何が起きたの!?
もしや、世界が私の流行りに追い付いたか...なんつって。
いや、ただ本当に驚きものだよ。どうしてだろう。
...まぁいいか。
そんなこと考えてもあんま変わらないでしょ。
うん、そうしよう。
田村:「...あ...おはよう...」
上田:「おはよう。」
別に話さないで良いか。分かんないだろうから。
上田:「寝起きでごめんけど、もう行こうか。結構寝坊だy...」
大空:「まずい!おぉ、田村は寝起きか。着替えたらすぐ出てこい!」
上田:「何があったの」
大空:「説明は後!」
そんな食いぎみに返事!?
結構切羽詰まってるっていうか、急いだが良さそう。
上田:「私は先行ってるね。」
田村:「おっけ。私も急いで行くね。」
そして私は大空さんが案内する通り、そっちに行った。
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上田:「何これ...」
私が今までリアルで目にした中で一位や二位...いや、ダントツで一位の地獄絵図...何これ...何が起きたの!?
大空:「詳細は俺も分からんが、軍が攻めてきたっぽい。」
及川:「すまん、できれば援軍で参加してくれ...!」
大空:「おう!」
あれ、私と大空さんって...直接的にはまだ戦闘に参加出来なくない!?
いやそうか、大空さんは固有スキルこそ使えないかもしれないけど、適正があるから魔法が使える!
大空:「暴風!一旦敵との距離とるぞ!」
すごい、異世界に来てまだ二日なのにもう使いこなせてる。
大空:「今の状況。」
及川:「さっきと変わらん。強いて言えば、まったく人が減らないように思える、くらい。」
大空:「そうか。抑えてくれてありがとう。...来るぞ!」
すっかり勇者みたいに、リーダーって感じだな、大空さんは。
私も......!
上田:「俊敏強化、筋力強化!」
私の適正は{援助}、つまりサポート系!
私は今は前にでないでも良い。
大空:「ちょっと待った!」
及川&上田:「......?」
大空:「上田、俊敏強化だけでいい、別に使ってしまったから解除もしないで良いが。」
なんだ、どういうことだ?
大空:「俺たちは逃げるぞ!田村が来たら!」
急な弱腰ですって!?
及川:「そりゃまたなんで?」
大空:「腐っても俺たちは勇者、人を殺すのは勇者としてなんか...嫌だね!」
田村:「ごめん寝坊した!ってすごいことなってるじゃん!私は何を...」
大空:「逃げるぞー!」
田村:「えええぇぇぇえええぇぇぇ!」
そりゃそうなるよ、そんな反応になると思ってた。
上田:「俊敏強化!行こう!」
大空:「ついでに、追い風!若干はスピード速くなるはず!」
風魔法にもバフ技あったんだ。
何はともあれ、全力疾走だー!
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上田:「はぁ、はぁ、も、もう良いんじゃないの?」
及川:「今さらだけど、宿屋の店員さんは大丈夫なのか?」
田村:「一人も居なくなってたし、避難させたんじゃないの?」
大空:「そのとーり。女子二人組を呼ぶ時にね。」
上田:「全部計算どおりか。すごいね。」
大空:「ふっ。」
なんじゃそのドヤ顔は。




