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最初の街にて

カルコラムには定住するするものは少ない

周囲に大量に魔物が存在していて、安定して食料を得ることもできないからだ。

ここに訪れるのは魔界を目指す屈強な冒険者や、国から開墾の命令をされた兵士がほとんどであり、それこそ老人なんかとは縁のない場所である

だからこそ、老人は奇異な目で見られる。


「ここは何も変わらないね」

儂がここに来たのは一度のみ

若気の至りで魔界に乗り込み、ひどい目に遭ったとき以来じゃ

だが、人間界で調子づいていて、調子に乗っていたその時の儂に現実というものを突きつけた場所であるからか、その時の風景は未だに昨日のことのように思い出せる

「あぁ、そうだな」

「そうですね」

そうじゃった、こいつらも来たことがあるのか

同じパーティじゃったことを忘れておったわい

遂に儂にもボケがきたかの

「なぁドーラよ」

「どうしたラース」

パチンカス、ギャンブル狂いの此奴が真剣な面持ちで話しかけてきた

こんな経験は初めてじゃ

なにせ、金を貸してほしいと言ったときでさえもあっけらかんとしておったからな

そんな此奴がこんなにも真剣な面持ちとは、ただ事ではなかろう

「3話目にしてネタがなくなった」

「それはまずいな」

仮にも異世界コメディを名乗っているのに、ネタがなくなるとは

著者の引き出しの少なさが露見しておるの

「そこの老人たち!動くな!」

声が聞こえ振り返ると、村の兵士らしき者たちがこちらに近づいて来ていた

そしてまた前を向くと、そっちにも兵士たちが来ていた

完全に包囲されてしまった、大したものだ

それにしても、なぜ儂らが包囲されるのだろうか

聞いてみるか

「なぜ儂らが包囲さらねばならぬ!」

「お前らのような老人が、この魔界に来ることができるわけがない!」

たしかに、そりゃそうじゃ

ここには本当に強い者と魔物しかおらんからの

弱い者、力を持たないもの(物理的な)の象徴のような老人なんか本来おるはずがない。

「ほれ、これじゃ、これがあればよかろう」

そうやって儂は現役時代のギルドカードを兵士に見せた

「……!!」

「どうやら本当に老人のようだ、失礼しました」

ふぅ、わかってもらえてよかったわい

これから魔界の街に来る時はギルドカードを首に下げていようか

ダサいからやめよう

そういうことはあったが、魔界の街初日は平和に過ぎていった。

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