2‐事件
「夢か。おかしな夢だ。まぁ悪魔に取りつかれてるから悪夢も見るか」
最近凍夜は同じ様な夢を見ていたが気にするほどじゃないとスルーしていた。
時間移動し自分の家の近くから学校に向かう。
今日は雨が降っていて一応傘をさしていく。駅について電車に乗る。魔法で移動も
できるがたまにこうして移動する事もある。
電車で数駅行った場所が最寄り駅だが、その電車の中で事件が起きた。
「こいつ痴漢だ!」
と叫び声が聞こえた。しかも凍夜はその声を聞いた事があった。声のした方を見ると
そこには同じ学校の生徒がいた。さらにそれは同じクラスメイトでいわゆるギャルの
小早川蘭だ。
金髪でいかにもな格好をしていて、スタイルも良いのでよく痴漢にあうと教室でも
話していた。彼女が捕まえていたのは強面な感じの男だった。
当然男は違うと叫び声をあらげる。かかかわりたくない凍夜だが、誰も止めようとは
しないのでしかたなく自分で止めに行くことにした。
「そこまでだ」
「あ!凍夜。おはー」
「おはーじゃねぇ。何してんだ」
「見ての通り痴漢を捕まえてたんだ」
「ちゃんと証拠はあるのか?」
「もちろん。あたしのケツを触った瞬間に手をつかんだからな」
「そうか。じゃぁ言い逃れはできんか」
「ガキ共俺が誰か知ってるのか?」
「ヤクザかなにかか?だったらなんだ?それなら悪行をしてもいいのか?」
「あたりまえだ!こっちが正義なんだから。それにこんなエロい女がいるほうが
悪い。男を誘惑してるんだからよ」
「あんたなんかするわけないでしょ!下りたら覚悟しなさい」
「それはこっちのセリフだ。どうなるか今も見せてやる」
「!?」
男が手を振りかざし蘭に殴りかかろうとしていたがそれを凍夜が止めた。
「サンキュー凍夜」
「まったく。後の事を考えて動きな。お前はいつも突進するからな」
「悪い悪い。よしついたな」
二人は下りてすぐに警察に男を届けた。その間男は暴れるが凍夜はそれを
抑えていた。色々警察に聞かれてから学校に向かう二人。
この事を一応先生達に伝えた。蘭だけじゃ信じてもらえなかったかもしれないが
凍夜もいたので先生達は信じた。
教室に戻り蘭はすぐにクラスメイト達に話していた。それによりさらに凍夜の
株があがってしまった。
昼休み。いつもは屋上にいるが今日は雨が降ってるので教室にいた。食堂に行こうと
したら蘭が呼び止めた。
「今から飯行くのか?」
「ああそうだが」
「じゃぁ行こうぜ。助けてくれたお礼もするから」
「別にしなくていいがな」
「させてくれ。頼む」
「わかった」
蘭と二人で食堂に行き、凍夜は蘭からの分とそれ以外で食堂のメニューを全部
頼んだ。それにそこにいた生徒達全員が驚いていた。
「お前、そんなに食べれるのか?」
「ああ。たまにはな」
「それでお前太くないなんてずるいな。こっちは結構気にするのに」
「動けばいいだけだ」
「それが面倒なんだよ」
そう話しながら凍夜は完食した。本当は食べなくてもいいが、味覚はあるので
食べても感覚はあるのでそれを楽しんでいた。
放課後、下校しようとすると外が騒がしかった。生徒達が怯えながらグラウンドで
待機している。そこには先生達もいるが、どうにもできない状態だった。
それは蘭が捕まえた男がどうやら仲間を連れて来て門の所で待ち伏せしていた。
しかも男達は銃を持っているので誰も動けなかった。
男は蘭と凍夜を出せと言っている。それを聞きつけた蘭が走っていくのを
見えたので凍夜もそこに向かった。
「お前ら覚悟はできてるだろうな」
「あんたそれで大人なの!」
「関係ないね。さぁおとなしく来ないとここにいる奴らが死ぬぜ」
「凍夜」
「お前は下がってな」
「でもあいつら銃もってるよ」
「心配ない。すぐ片づける」
凍夜は一人男達の所に向かった。当然蘭も連れてこいと言うが凍夜がそれをこばむと
他の男達が銃を突き付けて来た。
「恨むなら女の前でカッコつけた自分を恨むんだな」
「そうか、ならお前らも自分の人生を恨むんだな」
そう言って凍夜は指をならした。するとそこにいた全員の動きが止まった。
「時間停止。こんな事もできるのは本当に反則だな。さてと」
凍夜は男達の銃を使えない様にして、それから色々してから時を動かした。
「あばよ小僧!」
銃を突き付けていた男が引き金を引いたがそれにはもう弾がなかった。当然他の
奴も同じだった。それに動揺しているとそこに警察がやってきた。
それも凍夜が連れてきたのだ。もちろん大人数を。警察達も動揺していたが
すぐそこに危ない事が起こっていたのですぐに対処する事にした。
それもあってやくざ達はすぐに捕まった。
「テメェ何をした!」
「さぁな。刑務所の中で考えな。まぁお前はすぐあの世にいくだろうがな」
そうして凍夜はすぐに解決させた。蘭達も不思議がっていたがふかくは聞かないで
いようとしてくれた。
その夜。凍夜は捕まった男達の所にいた。いきなり現れた凍夜に驚く男達。
「ど、どうやって入って来た」
「知る必要はない。お間らはすぐに消えるからな。本当はしなくていいんだが
お前らは絶対また来るだろ」
「当たり前だ。覚悟しろよ」
「そうか。じゃぁ消えな」
凍夜は魔法を使い男を一人燃やした。もちろんすぐにではな苦しませながら
燃やした。それを見てそこに居た全員が凍夜に襲い掛かるが、すぐに全員を
燃やした。
「これでよし。これで蘭も気にしなくてすむな」
「ずいぶん優しいのね」
「!?なんだお前か」
「いいの?こんな事して」
「ああ。俺は神でも悪魔でもないが、こういうのは必要ないと思ってるからな」
「そうね。本当に人間は醜いわね。私達悪魔より」
来ていたのは悪魔だった。常に凍夜を監視しているので何かあったら話そうと
思ってやってきた。
元の時代に戻り、凍夜から悪魔に話しかける。
「なぁやっぱり人間はいないほうがいいと思うか?」
「どうかしら。まぁいてもいなくてもいいけど、いてくれたほうがこっちは楽しめるわ」
「そうか」
それ以上は聞かなかった凍夜。そのまま横になり眠りについた。
そしてまた凍夜は同じ夢を見ていたが気にせず、起きた。
「さて、今日は気分転換するか」
今日は学校にはいかず別の時代に行くことにした。そこは現在進行形で戦争が
行われている時代だった。