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0‐戻り

時刻は夕暮れ時。もう時間と言うもの存在しない時代。街は崩壊し、この星の本来の姿に

少しづつ戻っている現代。


今にも崩れそうなタワーの上に一人黄昏ている者がいた。


「さて、移動するか」


立ち上がって地面に降りる途中で姿を消した。その者はこの世界でただ一人残っている

八神凍夜やがみとうやだ。彼はこの時代より千年も前の時代の人間だ。


そんな人間が何故この時代にいるのか、それは本人もいまだにわからないのだが

ある時悪魔と名乗る者に呪いをかけられてしまった。


それは不老不死、つまり死ぬことが許されない体にされたのだ。最初は疑っていたが

試しに死んでみたがすぐに復活した。しかも傷も治り何をしても死ぬことが

できなかった。


最初は楽しかったが、それがだんだん辛いものだとわかったのは不老不死になって

から百年ぐらい経ってからだった。


知っている者達が全員いなくなり、一人だけ姿もかわらず残っていくのが苦痛に

なっていった。


そして、それから千年が経った今、世界は崩壊して凍夜一人だけが残ってしまった。

悪魔の呪いだけあって特殊な力も与えられていた。


空を飛ぶ事はもちろん、ゲームの様に魔法を使えたりもできた。その力の中でも

特殊なのが時間移動、つまりタイムトラベルができるというものだ。


その力で凍夜は色んな時代に戻り人がいる所にいた。呪いのせいか過去で何を

しても未来は変わらないので気にせず移動していた。



ここは2025年。凍夜がまだ高校生だった頃の時代だ。この時にはもう不老不死に

なっていてそれを隠しながら凍夜は生きていた。


「懐かしいなって何度も来てるからそうでもないか。さて」


凍夜は姿をこの時代の時のに戻した。そうして制服を着て通っていた学校に向かう。もちろん

この時代にいる自分を呪いで眠らせてなりすました。


学校につくとクラスメイト達があいさつしてくる。凍夜はクールな性格で正直誰かと

友達になったりしたくなくずっと本人的にはソロでいる気でいた。


でもなぜか高校になってこの一年三組の皆からは信用され何かと持ち上げられていた。

教室に入ると一度立ち止まる凍夜。本来は会う事ができない人達と会っているので

心の中で思いにひたっていた。


「どうしたんだ八神立ち止まって」

「なんでもない。いつも言ってるが俺に話しかけるな」

「つれないこというなよ。クラスメイトだろ」

「そうだよ八神君。せっかくクラスメイトになったんだから仲良くしようよ」

「委員長」


話しかけて来たのは隣の席でこのクラスの委員長をしている楠静流くすのきしずるだ。

誰とでも仲良くなれて頼られる事もあるできた生徒だ。


時間になり先生が入って来る。このクラスの担任の女教師、樋口弥生ひぐちやよいだ。厳しい

性格だが、美人でスタイルがいいので男子からは人気がある。


「八神!昼休み飯くったら職員室に来い」

「気がむいたらな」

「心配するな強制的に連れ出すから」

「できるならやってもらおうか」

「面白い。逃げるなよ。校内にいればどこにいても探し出せるからな」

「じゃぁ待ってます」

「本当に動じなね八神君は」

「ああ。男子でもビビる先生に言い返してるしな」


二人のやりとりはこのクラスでは日常茶飯事だった。


昼休み。校内はピリついていた。廊下を歩いている弥生がまるでオーラを出してる

かのような感じで歩いてるからだ。


その弥生は歩き回ってたどり着いたのは食堂だった。たくさんの生徒が勢いよく

開いたドアをの方を見た。


弥生は視線を移動させる。そして凍夜を見つけてそこに歩いていった。


「見つけたぞ!私の勝だな」

「さすがですね。飯くったいきますよ」

「別にここでもいいさ。お前はどうせ聞き流すだろうからな」

「ああ。そうしてくれ」


言われた通り弥生はその場で話し出した。内容は特にたいしたことではないが

担任なら自分のクラスの生徒の事は知っておかないといけないからだ。


「話は終わりですか?」

「一応はな。だが、お前何か大人っぽい感じだな」

「!?俺がか?」

「ああ。雰囲気もあるが、どことなく私より大人な感じだ」

「そうか」


二人はそれぞれの場所に戻った。凍夜は少し驚いた。本人ではあるが全てが超越して

いる存在であるのでそれに弥生が気が付いた事に少し驚いていた。


そうして授業が終わり、一人帰る凍夜。もちろんこの時代の家に行く。親にバレない様に

部屋に戻り、少しくつろいでから元の自分の時代に戻る。


「やっぱりこの時代は辛いな。さっきまであんなに騒がしかったのに」


傾いているタワーの展望台の外で座っている凍夜。するとそこにあいつが現れた。

それは凍夜を呪いにかけた悪魔だった。


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