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第49巻 幸せな時間
第49巻幸せな時間
わたしは今の時間が幸せだった。この平和な時間が好きだった。何も変わらない日常が良かった、平凡な人生が良かった。わたしは今日も学校に行く、そして挨拶をして気持ちいい朝を迎える。わたしは授業を受け、給食を食べ、外で遊び、授業を受け、放課後は自習をする。そんないつも変わらない日常が良かった。壁当ての心地いい音を聞いて今日も勉強をした。私は未来をを考えるのが嫌いだった。過去を見るのが嫌いだった。だからわたしは今しか見なかった。今の幸せしか見なかった。私の幸せしか見なかった。わたしは自分の周りの幸せだけ見た。わたしに関係する全ての人が幸せならよかった。わたしの身近な人が幸せなら良かった。わたしはそれで良かった。わたしは多くは望まない、多くを求めない。わたしは身近な人がいてくれるだけでわたしはいい。わたしが好きだと思える人がいつも通り生きているだけでいい。わたしは多くは望まない。ただそれだけを望んだだけなのに。




