第六千五百三五巻 全てに意味がある
短編小説
全てに意味がある
第六千五百三五巻
わたしはこれまでいくつもの物語を書いてきた、それは時に世に出て、時に埋もれた。わたしは物語を終わらせたかった。だから何度も終わらせた、何度も物語も終わらせた、だけど物語は終わることはなかった。わたしはこの物語を終わらせたい、だからわたしは武器を持ち、国を滅ぼし、人を殺し、物語を終わらせようとした。だけど、この物語は終わることはない、何度も終わらせてもわたしは、終わることのないこの世を生きる。何度死んでもこの世は繰り返される。わたしはこんな人生は嫌だ、こんな苦しみを味わいたくない、わたしは死と生の違いがわからなかった。わたしはおかしくなった。時に夢を見た、時に何かよくわからないことを書いた、時に人生の物語を書いた。時に、物語を書いた。わたしはおかしくなった。わたしはやっぱりどこかおかしい、わたしはこんな人生は嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。わたしはこの人生から逃れることはできない。絶対に世界はわたしを逃がさない。わたしはもう生きることを、死ぬことを諦めた、成すことを諦めた、行動を起こすことを諦めた、怠惰になることを諦めた、甘えることを諦めた、泣くことを諦めた、悲しむことを諦めた、喜ぶことを諦めた、全ての欲を諦めた。わたしは世界を諦めた、わたしは世界の真理を知っている、だからわたしは全てを諦めた。




