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神滅のヘッズベル  作者: くろえ
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プロローグ

しばらくは毎日12:00投稿予定です。

プロローグ


 時に西暦二〇三〇年、人類はいまだに電脳空間へダイブできるような技術力はないものの、VR技術が普及し、ゲームの世界をより高い次元で疑似体験できるようになっている。だが、俺こと桜庭(さくらば)黄金(こがね)にとってはそんなことどうでもいい。

 いやいや、どうでもいいってわけではないな。現に俺はいま、そのVR技術を取り入れた最新のオンラインゲームに熱中しているわけだし。

 そのゲームっていうのがちょっと曰く付きでな、といっても別にログアウトできなくなったり、ゲーム内での死が現実の死を意味するなんて、オカルト要素を含んでいるのとはちょっと違う。大体、昨今ファンタジー系のMMOなんて流行らないんだよ。しかし、高校生にまでなって俺がやっているゲームが、ガキの頃に必ず誰しもが一度は遊んだことのあるスポーツだってんだからお笑い草だ。

 PCモニター上にあるゲームアイコンをダブルクリックして、USBで繋いだヘッドマウントディスプレイを被りゲームを始める。目の前に見えるのはゲームのタイトル画面だ。

 そこには無駄に気合の入ったロゴでこう書かれている。


 ――〝神滅のヘッズベル・オンライン〟


 なんとも厨二臭いことこの上ない。そもそもゲーム内に神なんて出てこないじゃねえか。絶対それっぽい感じで取ってつけただけなんだよなぁ……。

 とにかくだ、俺はいまこのゲームのレベル上げを必死になってやっている。あいつが言っていた期日まで時間の猶予はまだ十分にあるとは言え、自分の人生を賭けている以上は出来るだけのことはやっておきたいのだ。

 ゲームは遊びじゃねぇんだよ! と、よく聞くネタワードを自キャラの称号にしている俺が言うのもなんだが、俺からすれば人生そのものがゲームみたいなもんだ。勝てば色々なものが得られるし、負ければ失うものも大きい。


「とりあえず今日の目標は5レベルだな」


 そんな独り言を呟いて始めたゲームだったが、時刻はすでに深夜の一二時を回ろうとしていた。睡眠は学校でとる。これ高校生廃人ゲーマーの特徴ね。


 俺がこのヘッズベルを始めたきっかけは、今からちょうど二ヶ月ぐらい前に遡ることになる。それが路傍の石ころみたいな俺の人生を変えることになるだなんて、あの時は思いもしなかった――。

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