定子たんが『季節で一番エモいの決定戦!』っていいだしたはなし
こないだみんなでスマブラやってたら、定子たんが『春夏秋冬。季節で一番エモいの決定戦!』って。
みんなで『いえー!』『パチパチ』といいつつボム投げたら定子ちゃんちょっと泣いてた。可愛い。
でもこれって『夏が好きですよ~』って言ったら夏になったら繁子ちゃんに『夏が好きじゃなかったの(ニヤニヤ)』ってやられて冬になったら『ええ? 清子ちゃん冬が好きって言ったジャーン』ってイズミに言われるフラグっしょ。ひねくれたイズミに冬にかき氷食べに行こう! なんていわれちゃ困るじゃん……((+_+))
でも彰子ちゃんが乗るから繁子ちゃんもイキイキと親戚のお姉ちゃんがボート乗った話とかするしここは私も言わないとダメっしょ。ああ、定子たんうるうるしていて尊い。女の子だけどマジかわキュンキュンするもんね。だから聞かれるままに全部答えちゃった。
春って夜明けしょ。
ドンドコ空が白くなるの。ちへーせんの彼方ちょいピカピカでさ、なんか紫っぽくまじった色の雲が細くキラキラインスタ映えるわ!
夏? 夜がいいわ。あつくてマジダル。
月が出てたらきれいよね。彼ぴっぴが『キレイだね』っていってさ。
いみわかんなかったけどあとで聞いたら脳天爆発よ~?! あ、何処まで話したっけ。
そそ、電灯ないとこもいいよね。今どきお化け屋敷みたいでエモい。
きいてきいて。こないだイズミと公園歩いていたらさ、なんかピッカーてジバニャンのしっぽみたいなちっこい明かりがついてくるの!
それ、ホタルなんだよ。今どき珍しいと思ったらなんかえらいひとが飼っているぽいのね。
つぶつぶでタピオカ光ってみるみたいでスマホとって皆でパシャったら逃げちゃったけど。
イズミはちょっと嫌そうだったけどこれがアイドルみたいに渦撒いて身体ぐるぐるしてたくさん飛んだらエモくねって。あ、雨も良いな。いつもテンション爆上げじゃしんどいもん。家でTwitter弄るのもいいじゃん。彼ぴとLINEしたりね。
ええ? まだいうの? じゃみんなあたしワリオ使って良い? やった~!
秋は春の逆で夕焼けかな? あ、そのスターとっちゃだめ!
こう夕焼けが近い感じがしてさぁ。カラスが数羽『おっかぁおっかぁ』って言ってたらなんか109行くのやめてお母さんのカレー食いにもどるべって思わない?
(彰子:わたくしは爺がこっそり作ってくださるシチューが良いです)
あ、ガンとった? 滑った! ザッケンナコラー!(# ゜Д゜)
そそ、で、いっぱいたくさん鳥が飛んで小さくなっていくのみたら寒いしさ。風がぴゅぴゅって気持ちいいし虫もなんか鳴いているし、買い物袋片手に……よっし! 勝った勝った!
冬は早起きするの。くっそさみいもん。でもマジ卍で映え。
雪がきれいなのは当たり前だのクラッカーってお父さんが言うけどいみわかんないし!
(繁子:昔の芸人らしいわよ)
お父さんと言えばさ、霜が窓ガラスやお父さんの自動車にびっしりしていて、『うわ~!』ってさ。自分で取れっての! それで家族みんなで手袋ゴシゴシすんの! 手袋濡れてサイアク( ´艸`)
仕方ないじゃん。笑うなイズミ。……で、ストーブをお母さんが出してくれるの。
今どき灯油とか無いわっていったらなんか震災で便利だったんだって。
私が生まれたころの話をお父さんがしてくれてマジありがとうでグチュンだよ( ;∀;)
で、それで乾かしてたらさ! なんか手袋焦がしちゃった! だから今日はわたしの手袋買ってね!
えー。負けたのあんたじゃん繁子ちゃん! ね、ね! パフェおごるからさ!
――はしゃぐお互いの友達たちを楽しそうに見つめながら二人の少女はこっそり言葉を交わす――
「一年全部、皆様とごゆるりとすごせるなら楽しいですね。彰子さま」
「仰る通りです。定子様」
そっと二人は手を握り合ったあと、騒がしい友達たちに向けて走り出した。
参考文献
角川ソフィア文庫:ビキナーズクラシック日本の古典シリーズ 『枕草子』(清少納言 作)『源氏物語』(紫式部 作)
Wikipedia日本語版
オーディオブックサービスAudible
『枕草子』『源氏物語(※与謝野晶子訳)』
漫画
『JKども、荒野をゆけ』(少年画報社 ヤングキングアワーズ 時田 作)