4 とらえられたカブトムシ
僕らが決意を固めたころ、空は赤くそまっていた。僕らをつかまえたニンゲンは、かたくて、大きなハコのカベをギィッといわせて開けた。その不気味なハコの中に、もうすぐ入ってしまう、と思ったときビビビビ…と羽音が聞こえた。
「……オニヤ先生!!」
オニヤ先生が空を飛んでいる。
「逃げてください、お二人とも。あきらめてはいけませんよ。ワタシ達森の住人は、いつでもキミ達に協力します。」
それだけ言うと、ニンゲンにつかまえられそうになったオニヤ先生は、森に帰っていった。
次の日の朝。とうめいなケースにぷるぷるとした甘いものが入れられたと思うと同時に、とうめいケースごと外に出された。多くのニンゲン達が、原っぱに集まっている。
「どうしたんだろう。」
「何してるんだ。」
僕たちはおどろく。
信じられない。
だってそれは、つかまえられたチューンちゃんとクレスさんが、たたかっていたからだ。原の上におかれた太い木のぼうの上で、二匹はたたかっている…!
「おいっ!やめろ!クレスさんをぼうでつつくな!」
オオ狼太がどなった。ぼくもクレスさんの方を見た。そしてわかったことがある。二匹はたたかっているんじゃない。たたかわされているんだ!
「オオ狼太、逃げよう。僕はこんなところにいたくはない。」
「あたりまえだ。」
そんなやりとりをしていると、ケースがあけられた。すると、僕はニンゲンにつかまれた。そして、二匹がたたかっていたぼうにのせられる。正面にいるのは…オオ狼太だ。
とりあえずたたかい、勝ったあとはどうなるのか、負けたあとはどうなるのか見てみないと、逃げ出すチャンスをつくれない。今逃げても、まわりにいる大勢のニンゲンにつかまえられるハズだ。
「オオ狼太、いつもみたいに僕をふっとばして。」
「いいのか。」
僕がうなずいたすぐあと、いつもみたいに、僕はふっとばされた。そのとたんニンゲンから声が上がった。多分、喜んでいると思う。
その後オオ狼太が五回、僕が二回試合したら、その日はニンゲンがイエとよぶ建物に、ケースごと入れられた。