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2 ニンゲン
キーンコーンカーンコーン……始業のベルが鳴った。
「これから、一限目の授業を始めます。
今日は樹液を上手くすう方法と、上手く飛ぶ方法を教えます…。」
今日の一限目はノコギ先生の授業だ。実際に枝と樹まで行って、学習する。しばらくしたら、すごい音が聞こえた。
ドシン、ドシン、パキパキ…、ドシン
「ニンゲンです!」
ノコギ先生が叫んだ。
(そんな…ニンゲン……?ほんとに…)
みんなは方々に散っていった。しかしいじめっ子オオ狼太だけはちがった。
「ニンゲン!?面白そうじゃん!相手してやるよ!どこだァ!?」
「オオ狼太クン!逃げろよ!食べられてしまうかもわからないんだぞ!!」
たとえいじめっ子のオオ狼太でも、さらわれるのを見たくなかった。そう思って声をかけた。
するととつぜん----目の前が暗くなった。僕らの前に、巨大なかげがあった。
ガシッ………
羽の自由を奪われた。
(これから…)
僕は考えた。
(何をされるんだろう?)