骨の学校
三か月が経過した。
今のところ聖光教会にも動きはない。
ダンジョンの砦はある程度出来たらしくて、新たに三百体のスケルトンをテイムした。
進化したスケルトンは200体。
普通のスケルトンは250体だ。
前は一月に五十体くらいしか育成出来なかったから、毎月五十体ずつテイムしていたけれど、今はダンジョンが一つ増えたので、月に百体くらい育成出来るようになった。
城のダンジョンよりも新しいダンジョンの方が広いから、もう少し余裕があるらしいんだけど、輸送が難しくて、五十体ずつ送ってる。
まあ、スケルトンが何十体もぞろぞろ歩いてたら、人間たちに討伐されちゃうよね。
新しいダンジョンまでの道を、人間に見つからないルートで歩かせなければならない。
だからぽつぽつと、散発的に送ることになって、そう多くは送れないのだ。
一番効率が良いのはダンジョンの周辺でテイムすることなんだけど、ダンジョンの周辺にはアンデッドが少ない。
私の新しい領地、『スノーリーフ』でテイムして送れば、城から送るよりはいくらか近いけど、その場合街道を横切らなければならないので、人間に見つかる確率が高くなる。
仕方ないので毎月五十体、というわけだ。
まあ、スケルトンの増え方が倍速になってるって考えれば十分だけどね。
戦力としては心もとないとはいえ、数にも使い道はあるらしいし。
それから、レイスと亡者も大量にテイムした。
レイスは500体くらいで、亡者は1200体だ。
亡者の数が嫌に多い。
特に亡者は大量にテイムした方が良いってことで、何日かダンジョンに籠ってテイムし続けた。
飽きた頃にようやく終わって、この数になったわけだ。
これでとりあえず、一応は聖光教会と戦う準備が整ったらしい。
どのくらいの戦力があれば大丈夫なのか、私には予想もつかないんだけどね。
時間に余裕があればもうちょっと増やしていく予定だけど、相手の出方次第ってところかな。
こちらから攻めたいわけでもないし、攻め取ったところで町とか、領地とか、必要ないし、こっちとしては攻めて来るのを待つだけなんだよね。
なんだったらずっと攻めて来ないでも良いくらい。
いつ攻めてくるかも分からない相手に、いつも気を張っていても疲れてしまうので、私の生活は割とのんびりと、いつもと変わらない。
さて、今日は魔法の授業を受ける日だ。
あれから三か月、なんかそろそろ魔法が覚えられそうなんだよね。
覚えられるって言っても基礎の基礎で、戦闘とかには役立たないやつなんだけどね。
でも、もともと私は戦闘なんてからっきしなので、魔法が使えるならそれで十分なのだ。
いや、うん。
どかぁん! ばこぉん!
って感じの派手な魔法も使ってはみたいんだけどね。
んで、先生はクリス。
生徒は私、とスケルトンが八体。
この三か月で生徒が増えたよ。
スケルトンだけどね。
どうしてこんなことになったのかと言えば、マジックスケルトンとクレリックスケルトンのせいだ。
普通さ、マジックスケルトンって言ったら、魔法が使えると思うじゃん?
使えないんだよね、これが。
驚かない?
驚くよね?
マジックスケルトンとは何ぞや、って思うよね?
実際問題、マジックスケルトンってのは魔法の適性のあるスケルトンのことなんだって。
ダンジョン産でない限り、そのほとんどは生前魔法使いだった個体なんだそうだ。
クレリックスケルトンは生前神官だったのかな?
だとしたらスケルトンになって徘徊するのとか、すごい皮肉じゃない?
まあ、ともかく、生前の適性が、スケルトンになっても残っていたパターンだ。
けれどスケルトンは、一度死んだ時点で全てのスキルを失っている。
魔法のスキルを得るためには、魔法の訓練をしなければならない。
野生でも、長い年月を掛けて徐々に覚えていくことが多いらしいんだけど、まだ進化したばかりの私の配下は、魔法なんて覚えちゃいない。
そもそもマジックスケルトンやクレリックスケルトンはかなりレアなんだって。
まず、スケルトンが五十体いても、その中には一体ずつぐらいしか含まれてないし、STRが低いから、スケルトンとしては弱い。
進化までたどり着くことが滅多にないのだ。
進化までたどり着かない上に、進化しても魔法を覚える前にやられてしまう場合がほとんど。
だからほとんどは、マジックスケルトンやクレリックスケルトンであることさえ知られずにやられてしまう。
というわけで、自然に任せて長い年月掛けさせるのは無駄なので、こうしてみんなで一緒にクリスに教わっている。
教室は前世の小学校っぽくしてもらった。
なんかそっちのがやる気出ない?
でも、これ俯瞰して見ると、先生もクラスメイトも全員骸骨の学校に通ってるんだよね、私。
なんかシュールな漫画みたいで、ちょっとだけ気持ちが萎えたよ。
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