進化
進化部屋と名付けたあの部屋に来ていた。
進化部屋には四十体のスケルトンが魔法陣の中で棒立ちになっている。
あの後選抜組に遅れること数日、放置組のスケルトンのLVが次々とカンストして、進化待機状態に入っている。
魔法陣も四十個まで増えていた。
あと十個作る予定だが、今はまだ製作中で、部屋の片隅が空白地帯になっている。
そのせいでLVはカンストしているのに、進化待機状態に入れないスケルトンが十体ほど出てしまっている。
まあ、仕方ないよね。
順番、順番。
それはいいとして、私の目の前には黒いスケルトンがいた。
他のスケルトンは全部白いんだけど、この個体だけ黒い。
ステータスを確認してみる。
『名無し
ブラックスケルトンLV1
HP:162/162(+50)
MP:10/10(+10)
STR:176(+50)
VIT:47(+20)
MAG:35(+20)
RES:37(+20)
AGI:49(+20)
DEX:43(+20)
スキル
【斧LV2】
【再生LV3】』
進化している。
目に見えて変わったのがこのスケルトンだけだ。
だからこのスケルトンだけ進化したのかと確認してみると、選抜組の残り四体も進化していることが分かった。
種族はどれも違っていて、
『ソードスケルトン』
『ランススケルトン』
『マジックスケルトン』
『クレリックスケルトン』
になっていた。
どうやら一か月程度で進化するのがデフォらしい。
「数か月掛かるって言ってなかった?」
「ふむ……、普通は数か月掛かるのだがな……」
「でも、普通に一か月で進化したよ?」
五体全部だもん。
一体だけだったらたまたまってことも考えられたけど、五体全部のスケルトンが一か月で進化したんだから、これが普通ってことだよね?
「テイムの影響かもしれぬな」
「テイム?」
私のチート能力ってこと?
私のテイムは、配下のモンスターのLVが上がり易くなる効果がある。
カンストした後に経験値を稼ぎ続けると進化が早くなるから、LVだけじゃなく進化も早くなってる?
あくまでも仮説?
うん、まあこんな瞬時に結論出されても困るけどね。
なんにせよ進化が早いことは良いことだ。
いいことだよね?
進化が早い分弱いとかやだよ?
問題ない?
あくまでも仮説?
それは分かってるから。
でもまあ問題がないなら、儲かりもんだと思った方がいいよね。
儲かった儲かった。
スケルトン五体を魔法陣から出す。
あれ?
なんかちょっとツヤがある?
ブラックスケルトン以外は変わってないように見えたけれど、他の四体も微妙に変わっているようだ。
これなら進化前と進化後を、見た目だけで分けられるかな?
それにしても、進化すると急に強くなるんだね。
ブラックスケルトンと他のスケルトンを見比べてみる。
進化前のステータスが一番近かったソードスケルトンと比べてみよう。
『名無し
ソードスケルトンLV1
HP:187/187(+80)
MP:0/0
STR:192(+80)
VIT:55(+30)
MAG:45(+30)
RES:51(+30)
AGI:61(+30)
DEX:51(+30)
スキル
【剣LV2】
【再生LV3】』
括弧内の数字は進化前と比べた時のものだ。
上がり幅がブラックスケルトンよりも大きく、MP以外はブラックスケルトンよりも上だ。
そう考えるとブラックスケルトの方が失敗例なのだろうか。
MPがあることから考えると、ブラックスケルトンが汎用型、ソードスケルトンが特化型と見ることも出来る。
ちなみにマジックスケルトンとクレリックスケルトンはMPもブラックスケルトンより上だった。STRが低いけど。
こうして見ると特化型の方が明らかに強いね。
じゃあ、選抜組を入れ替える?
ブラックスケルトンに変えて、これから進化する放置組の中から選んだスケルトンを入れれば選抜組は強くなるだろう。
少し考えてやめる。
どう考えたってブラックスケルトンの方がレア進化だし、レア進化は強いと相場が決まっているのだ。
まあ、選抜組以外にブラックスケルトンが多かったら考えるけどね。
でも、ブラックスケルトンがレアなのであれば、きっとあれだ。
最初は弱いけど、最終的には強くなるタイプの進化。
きっとそうに違いないと決めつけて、ブラックスケルトンに名前を付けてやることにした。
特に意味もなく、外国人っぽい名前と頭の中で考えて最初に出てきた『アレン』という名前を付けてやる。
私がテイムモンスターに名前を付けたのは初めてのことだった。
するとどことなく、ブラックスケルトンが嬉しそうにしているように見えた。




