初テイム
私は生まれ変わった。
と言っても、赤ちゃんになったわけじゃない。
神様に貰った肉体に、前世の記憶がぶち込まれたような感じだ。
目が覚めたらどっか知らない場所にいた。
周りは暗い。どこか不気味だ。
っていうか私裸なの? 着るものくらいちょうだいよ。
ここは、どこだろう……。
なんかだだっ広い場所だ。暗くて遠くまではよく見えない。
けど、何だろう、この感じ。お化けでも出てきそうだ。
何か……ある?
人工物らしきものがあるのでそっちに走っていく。
たどり着いたのは、崩れた建物だ。
もともとしっかりとした建物ではなかったのだろう、大きな東屋みたいな感じだ。
一応屋根の残骸みたいなのは残っているし、一夜の宿を取るには十分?
何か着るものでも残っていないだろうか。
倒れた棚のようなものがあったので、手探りで探す。
暗いのでほとんど見えていない。光源は夜空の星だけだ。
神様も昼間に転生させてくれれば良かったのに。
不満を抱きながら棚を漁っていると……。
っひ! 何これ!?
そこには血まみれの包帯があった。
ひいいいぃいぃ!
ホラーとかあんまり得意じゃないんだよ。やめてよ全く。
あ、これは随分と埃っぽいけど、ズボン?
シャツっぽいのもある。とりあえずこれ着とこう。
それにしても、さっきの包帯は何で血まみれだったのだろう。
ぶるぶると身体を震わせる。
なんだかこの建物って、軍とかで使う幕舎っぽい気がする。
あれ? もしかしてここ……。
野戦病院?
え? マジで? ほんとに?
戦場跡だったりするの?
不気味なわけだ。お化けでも出そうになるわけだ。
深夜の戦場跡とか、どんな気分でここに落としたんだ、あの神様は。
出来るだけ早くこんな場所離れたい。
けど夜中に移動するのも危険そうだし……。
ボコボコ!
っひ! 何の音!?
慌てて音のした方に振り向く。
暗くてよく見えない。
けど、何かが動いているのが分かる。
動物? 野犬?
それとも……人?
どちらだったら怖いだろう。どちらでも怖そうだ。
野犬だったら噛まれたら痛いし、病気になるかもしれない。
病気になる前に殺されてしまうかもしれない。
人だったら、こんな夜中に戦場跡で何をしてるんだって話で……。
ひいいぃいいい!
私は情けなく腰を抜かして座り込む。
そこにいたのは野犬でも、人でもなかった。
もしかしたら人には近いのかもしれないけれど、それは絶対に人ではない。
何せその人には、肉がなかったのだから。
頭蓋骨を曝け出し、骨の身体でカタカタと近寄って来るのだから。
括約筋が緩みそうなのを必死に抑えながら、私は必死に考える。
何か、何か、何か……。
ハッと閃いたのは、もちろん、ついさっき神様に貰った能力。
「テイム! テイム! テイムぅ!」
タイムを主張するかのように、テイムを叫ぶ。
すると、迫っていた骸骨が束の間、光り、テイムが完了したことが分かった。