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後半戦回です。
森を観察していると先ほどとは違う方向から矢が飛んできた。
しかし、先ほどと違って飛んでくるのが分かっていて森との距離があるので余裕で避けられる。
……が、このまま膠着状態が続くのはきついな…。
相手の正確な位置が分からんし、さらに武器の間合いで負けている……。
そう考えていると、今度は先ほどより速い矢が飛んできた。
ギリギリで避けられたがもう少し離れておこう。
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矢が十数本飛んできた辺りで策を思い付いた。
タロースを正面にして森に入って相手を叩く…これしかない……これしかないのだが……。
「正面を防げても他の方向から矢が飛んできたら厳しいな……まあいいか…タロース」
シュンッ「お呼びでしょうか」
「ああ、これから森に居る敵を叩くが、矢が飛んできたら防いでくれ」
「かしこまりました…"シールド"'展開'」
そう言って、ちょうど飛んできた矢を見えない何かが防いだ……たぶん"光魔法"だろう…。
「タロース、それはどの範囲まで防げる?」
「全範囲を防げますが、5m以内に入られると防げません」
「分かった、じゃあ行くぞ!」
そう言って森に入って敵を探す。
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しばらく矢が飛んできた探しているが、全く見つからない。
しかし、タロースの"シールド"が働いているからまだ、近くには居ない。
「……タロース、敵の位置を探せるか?」
「できますが、"シールド"を解除してしまいますが、よろしいでしょうか?」
「……なら、先ほどまで居た砂浜に戻るぞ」
「かしこまりました」
最初からそうしておk…。
パシュ……
……"シールド"が発動しない…てことは、今近くに居る!
「タロース、今すぐ解除して敵の位置を知らせてくれ!」
「かしこまりました…"シールド"'解除'…"探索"………敵はここから西に1人、北に2人居ます」
「!?」
2つのグループが俺を狙っているのかよ!?
「近いのは!?」
「西です…向かいますか?」
「もちろん!」
とりあえず、西に急いで向かい少しだけ開けた場所に出た。
そこには弓を右手に持ったプレイヤーが居た……フードを被っているせいで顔は見えない…。
タロースは足が遅いから、先に来たが…。
「…確認だが、お前が敵でいいんだよな…」
「…………」
「どいつもこいつもだんまりかよ……」
相手はなにも言わず弓を引っ込めて、レイピア?を手にとってこちらを向いた。
「…ヤるなら、ヤられる覚悟があるってことでいいんだな…」
「……!」
俺がそう言い終わりのと同時に相手が突進してきた。
「っく!」
レイピアって言うか…突きってどう弾くんだよ…と思いながら、横に避けるが、追撃を受けてHPが少し削れた。
「いっってぇ……"死滅弾"!!」
「!?」
そこまで痛くないが、演技をして相手が近づいて、さらに追撃をしようとしたところに、威力のありそうな"禁忌魔法"を使ってみた。
MPが60も使ったが…燃費悪いな…。
「よし!不意打ち成功!」
「ぐ……ああ…があ!?!!??」
「な!?なんだ!??」
急に相手が黒いオーラを纏って苦しみ始めて、どんどんHPバーが減っていく。
具体的に言えば、後10秒で死ぬな。
「ぐ……があ!」
「おっと、あぶねえな……お前は後もう少しで死ぬ……あばよ」
「ぐ…………ぁぁ…」
相手は苦しみつつ消えていった…。
≪Exp20取得しました≫
≪パンパカパーン、レベルが11になりました≫
≪HPとMPが5上がりました≫
≪力と守と速と知が2上がりました≫
≪短剣術の熟練度が上がりました≫
≪アーツ:スラッシュを覚えました≫
≪指揮の熟練度が上がりました≫
≪魔力操作の熟練度が上がりました≫
≪気力操作の熟練度が上がりました≫
レベルは上がったけど、正直PKってExpの効率が悪いんだな…。
ちょうどタロースが戻ってきた…。
「タロース、もう一度"探索"を使ってくれ」
「かしこまりました…"探索"……先ほどの2人はさらに遠くに居ます」
「…と言うことは、これで終わりか……」
しかし、死なずに済んだのはいいが…何か、あっさりし過ぎる。
もしかしたら、罠かもしれない……。
どういう罠かは分からないが………。
そう思いつつマップを見ながら拠点に戻る……少し眠たいから、さっさと戻るか…。
プレイヤーを倒してもExpは1人につき10しか貰えません。
ステータス
レベル10→11
基本能力値
HP:43/80→85/85
MP:15/85→90/90
力:29→31
守:50→52
速:33→35
知:50→55
精:22→24
スキル欄
短剣術↑ 指揮↑ 魔力操作↑
レアスキル欄
気力操作↑
スペル・アーツ欄
スラッシュ
死滅弾について
消費MP60
当たった相手は10秒後に死ぬ。
即死系の魔力弾
いつも読んでいただきありがとうございます。