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戦闘回です。
ちょっとグロ注意?
森をぬけて砂浜に出る。
辺りを見回すが誰も居らず、波が静かな夜に音をたてているだけだった……。
…とりあえず、気力と魔力を……。
ザッ……ザッ……ザ………
誰かが近づいてきて、俺に気づいたのか、足を止めた。
振り返ると地味な色の軽装を装備して顔を黒色の布で覆ったプレイヤー?が静かにこちらを見ていた。
そいつは両手にサバイバルナイフを握っていた。
……俺よりオシャレじゃねぇか…。
「…………」
「…………殺るよ…」
わぁお。
どうやら、この地味な奴があの手紙の送り主のようだ……ちょうはt…じゃなくて、文句を言うか。
「…おいおい、遅れてきたのにそれはねぇだろ。
言い訳くらい言ったらどうなんだ」
「…………」
「…だんまりかよ…なら、何で俺のような初心者をわざわざ呼んだんだ?」
「……………」
「それぐらい聞いてもいいだろ?
冥土の土産ってやつだよ…な?」
「……………」
どうやら、話し合いをしてくれないようだ…。
「…武器をとれ…それがきm…貴様の最後の行動だ……」
「おいおいおいおいおい…俺と話し合いぐらい1時間ほどしてからやろうz…「黙れ!」うを!?」
話している途中にナイフが投げられて横に転がる。
……やるしかない…か……とりあえず、足掻けるだけ足掻くか……。
そう思って立ち上がる。
「分かった…だが、俺が勝てば……明日のこの時間に色々聞かせてもらうぞ…」
そう言って、俺は"神器"の"始まりの短剣"を手にとって、相手の方に向き直る。
月が雲に隠れていき、周りが少しだけ暗くなる……。
「…いいだろう………じゃ………では……いくぞ!!」
そう言って、相手が10mも離れた位置から一瞬にしてこちらに詰め寄って左右から俺の首を狙う。
「!?くそが!」
「!」
俺は一瞬の出来事に驚きながらも右足を相手のお腹にまっすぐ、そして強く蹴りを放った。
それにより、少しだけ相手との距離ができた。
一瞬だが、赤色のオーラが相手を包んでいたように見えた……スキルか…。
「ッ…」ズサー
「おわっ…とと」
相手は驚きつつも、すぐに立ち上がったが…俺は蹴りの反動で少し体勢を崩してしまった。
だが正直、相手はもちろん俺よりレベルは上だと思う……さらに言えば対人戦では言わずもがな相手の方が多いだろう…。
幸いなことに相手と俺の武器はリーチがそこまで無いから懐に飛び込まないと当たらないだろう……。
とりあえず、牽制のためには…。
「"プチウィンドウ"!そして"プチダーク"!」
「!っく…」
小さなかまいたちと小さな黒い塊が相手を襲う。
俺が魔術を使うと思っていなかったのか、横に避けようとしたが間に合わずに"プチダーク"が腕に当たった。
「!??っく…どこだ!」
「まだまだ!"プチウィンドウ"!」
"プチダーク"の追加効果の'眩まし状態'お陰で、どうやらこちらが見えておらず、もう一度放った"プチウィンドウ"が顔に当たって、顔を覆っていたフードが外れた。
ちょうど、雲から月が顔を出して辺りが照らされて相手の顔が見えた……こいつは!あのときのPK!!?
「!?お前は…」
「ちっ…あ~あ……ばれたか…なら、もう隠さなくていっか~」
声色が軽くなり、聞き覚えのある声になった。
あの時……追いかけられたPKが目の前に立っていた…。
「って言うことは、あの時のお礼参りってやつかよ…」
「う~ん…半分正解かな……まあ、もう半分は教えないけどね!」
そう言って、また一瞬にして近づいてきて今度は素早くナイフで腹部を切られた……が。
カンッ「!」
「ラッキー、"フルスイング"」
そう言って、次はこっちから短剣で相手を"フルスイング"で上から振り下ろす。
「!!くそ!」
相手が両手に握っていたナイフをとっさに交差させて受け止めようとした。
「バカが!!」パキンッ
「な!」
コウゾリア共和国で剣での打ち合いをしようとしたときのように綺麗に2本のナイフが斬れて、そのまま相手に短剣が襲いかかる。
相手は避けようとしてとっさに体をずらそうとしたが、"フルスイング"が早いお陰でそのまま相手の肩から腹部にかけて大きな傷を描いた。
「ガッ!………く…くそ……」
「甘かったな……約束通りに明日にでも理由を…」
その時、微かに風を切る音が聞こえたので、おもいっきり地面を蹴って後ろに跳ぶ。
そして、着地と同時に俺が居た地面に矢が突き刺さる。
「あ…あぶねぇ……お前の仲間か!」
「はぁ……はぁ……さあ?……でも………」
「でも…なんだ?」
「フフ……僕より厄介かも……ね…」
そう言うと斬られた相手は砂浜に倒れ、その後消えていった…。
出血死か……それにしても、何でまたPK2人連続戦闘なんだよ……。
…HPは満タンだがMPは少しだけ減っていて連戦はきついぞ……。
そう思いながら、矢が飛んできた森を観察する………。
一難去ってまた一難。
果たしてベンの運命やいかに!
後半へ~つづく(CV:キ○トン山田)
ちなみに、赤色オーラについて
体術系のスペルを使うときに移動系の場合にのみ合図が一瞬、相手に見える。
これで小足も余裕で見切ろう!
いつも読んでいただきありがとうございます。