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夕ごはん回です。
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拠点に戻る頃には日も落ちてきてプレイヤーもほとんど戻っていた。
拠点に入ってすぐにタイチョーさんが居たのでヴァラドさんの話を通しておく。
「…ということなんですが、大丈夫ですか?」
「ふむ…分かった、他のリーダーにも伝えておこう。
とりあえず、昨日話していた場所で話すから、そのヴァラドさんを案内してくれ」
「分かりました」
そう言って、別れた…。
とりあえず夕ごはんの手伝いに調理場に向かうとすでに料理班の人が揃っていた。
「すみません、遅れました」
「問題ないわ、今揃ったところよ」
「ベン君も来たことだし、さっさと作るか」
サーモンさんの合図とともに全員が調理にかかった。
辺りが暗くなって篝火が辺りを明るく照らしている。
今日の夕ごはんはまだ残っている牛の肉とキノコを入れた汁とパンだった。
その後、ユーマとシーナをテントで寝かせてオゾレクスさんに留守を頼んで、俺は平野側の出入口でヴァラドさんを待つ。
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月がそこそこ登りはじめたとき、空からヴァラドさんが降りてきた。
「やあ、待たせたかな?」
「いえ、先ほどここに来たばかりですよ
では、案内しますね」
「ああ、頼むよ」
ヴァラドさんに拠点を案内して昨日の場所に行くとタイチョーさんの他にもプレイヤーが2人居た。
「タイチョーさん、この方がこの島の魔族の村の長です。」
「紹介にあずかったヴァラドだ、よろしく」
「ああ、この拠点のリーダーをしているタイチョーだ、こちらこそよろしく」
タイチョーさんがそう言うと他の2人も立ち上がって自己紹介する。
「私はここから西側にある拠点のリーダーをしている、リリス=ムーンです。
よろしくお願いします」
「俺は東側にある拠点のリーダーのドドラグスっていうもんだ。
あまり言葉が綺麗じゃねぇが許してくれ」
「はっはっは、構わないさ。
今日はよろしく頼むよ」
そう言って、全員と握手をして近くの席に座る。
「では、俺はこの後、少し用事があるので…」
「そうなのかい?」
「はい、そう言うことなので…」
そう言ってその場を離れて森側の出入口に向かって、そのまま森に入る……。
森に入ってすぐにヴェルスさんを呼んだ。
「ヴェルスさん、いいですか?」
「はい、なんでしょうか」
「とりあえず、1対1のさしでやりますけど、もし、相手が複数居たら手伝ってください」
「分かりました…差し出がましいでしょうが、私が始末しましょうか?」
「いえ、いりません。
正直言うとこういう奴はさっさとやってさっさと終わらせて満足させればいいんですよ」
「かしこまりました」
そう言うとヴェルスさんが消えた。
どうせ、負けるだろうしね…。
人物紹介
リリス=ムーン(エルフ)
ベンが居る拠点から見て西側にある拠点のリーダー
第2陣のソロプレイヤーで実力は上の中だが、戦闘より生産派
たまたま、乗っていた船に第1陣のプレイヤーが居らず、一番有名だったからリーダーに選ばれた。
武器は魔鉄鋼製のボウガン
防具は迷彩柄のマント
ドドラグス
ベンが居る拠点から見て東側にある拠点のリーダー
第1陣のプレイヤーでロールプレイを重視している
武器は魔鉄鋼のバトルアックス
防具は魔鉄鋼の鎧一式
いつも読んでいただきありがとうございます。