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イベント開始前(後編)回です。
しばらく暗かった景色が明るくなり、潮の香りと人の声が聞こえて目の前には…人、獣人、人そして大きな帆がある船が見えた……。
「結構人が多いな…まあ、サーバーを3つにしか分けてないからか…」
しかし…こう人が多いと美希達を探すのも大変だな…そうだ!手紙を出して集合しようっと……。
そう思ってフレンド欄を開こうとしたら、美希から手紙が来た…集合場所が書いており、読んだ後とりあえずマップを見ながらその方向へ歩いていく……。
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集合場所に着くと人が先ほどよりは少なく感じた…ええっと…確かここらへ…
「あ!ベン兄ちゃ~ん!こっちこっち!!」
「ん?」
呼ばれた方向を見るとCMで見たエルフがいた…
たぶんあれが美希か…いや、こっちではシャイニーだったな…。
とりあえず呼ばれた方向に向かう…。
「悪い…遅れたか?」
「兄ちゃんまだ始まってないから大丈夫だよ~」
「そうか…ならよかった、そっちのエルフは…リリーか?」
「そうですよ、ベンさん…とりあえずフレンド登録しましょう」
「ああ…なんか言葉がカタコトじゃないな」
「そうなんですか?自分では良く分からないです」
「兄ちゃん、ゲームの中までカタコトになるのはそういうロールプレイだよ~」
「なるほどな…これで大丈夫かな?」
「そうですね、大丈夫ですよ」
「それにしても、船が4隻あるけどランダムかな?」
「そうじゃないかな~」
「船に乗るのは初めてなので少しだけ楽しみです」
「そうだな…まあ、沈没しなければいいけど…」
「兄ちゃん…それフラグだよ…」
「………」
「そう言えば、りょ…リュウザン兄さんは?」
「一応同じサーバーだよ~」
「そうなのか…どこかで会えるといいな」
そんなことを話していると目の前にインターフェースが開いた。
インターフェースには人が写っていた…。
『どうも~皆さんGMのフランドで~す』
『カイロだ!!』
『今回は船を選んでもらって島に行くよ~』
『船酔いに注意だぞ!!』
『とりあえず、1~4番を選んでもらうよ~』
『1隻、先着50名だ!!』
『仲の良い人達とはこの時点でパーティーを組んでおくと良いよ~』
『別れて乗っても良いぞ!!』
『じゃあ、サバイバル頑張ってね~~』
『健闘を祈る!!!』
「……」
「兄ちゃん、とりあえず、パーティー作って~」
「え?…ああ…分かった……これでいいか?」
「ありがと~じゃあ、兄ちゃんどこの船に乗る~?」
「ベンさんありがとうございます…そう言えば4と言う数字は日本では不吉な数字ですよね」
「そ、そうだな…てか何で俺が…」
「早くしないと選べなくなるよ~」
「う…そう言われても…」
「Oh、もう1番と2番が埋まりました…」
「…4番でいいか?」
「さんせ~い」
「分かりました!」
なんかいつの間にかリーダー的なことを押し付けられた…2人の方が強いのにな…リリーの方は剣を2本持っていて防具の方も軽装にしては凄そうな感じがした……俺ってかなり場違いだろ…。
一瞬にして視界が変わり、足下が少しだけ揺れている…どうやらもう船に乗ったようだ…。
船はそこそこ広く50人以上入れそうだが…船のことはよく分からないからそういうものなのだろう…たぶん。
「だいぶ人が多いね~」
「他の船にも人が一杯です」
「おお…中々いい景色だな」
『もう3隻埋まったから他の人は残った船に送るね~』
そう言ってGMのフランドさんが手を叩くと20人程度のプレイヤーが突然現れた…。
『では!!』
『『イベント開始!』』
GM達の合図で船が少しだけ揺れて陸から離れていく…。
…俺も船は初めてだから少しだけ楽しい…。
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「あきた~!」
「そうですね…同じ景色ばかりです」
「島はまだ見えないな…」
日がもう少しで真上に来ようとしているのに陸が見えない…。
…ちょっとそこら辺を散策するか…。
「そこら辺歩いてくる」
「いってらっしゃ~い」
「私達はここで待ってますね…」
「ああ、すぐに戻るよ」
別れて船を散策するが変わった所は無く、人もそこら辺でだらけていたり、パーティーで会話したりしている…。
2階に上がってみると1階より景色が広く見えた。
…ん?他の船の様子が少しだけ見えるが…何であれ?
ちょうどいい所に双眼鏡が合ったから見てみると……サメが空を舞っていた……は?
「どうしたんだ?」
「え?」
急に男性プレイヤーに声を掛けられて双眼鏡から目を離して振り替える…。
「いや、突然双眼鏡を持ったので」
「いや…う~ん…とりあえずこれであっちの船を見てください」
「?分かりました」
双眼鏡を渡されたプレイヤーがきょとんとした顔をしながら双眼鏡で向こうの船を見ると……
「しゃ…」
「?」
「シャークネードだ!!!!!」
「「「「「な…なんだって!!!!」」」」」
「!?」
他の船ではタイタ○ックやダイオウイカが暴れていたりしています。
さて…主人公達の船の運命はいったい……。
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