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Modest freedom  作者: ハズカシダリア
コウゾリア共和国編
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リアルとゲームでの朝食+α回です。

 家に戻ると母さんが朝食を作っていた。


「ただいま~」

「おかえり、今日もランニング?」

「うん、とりあえずシャワー浴びてくるね」


 運動服を洗濯籠に入れて、シャワーを浴びる。

 ・

 ・

 ・

 シャワー後にリビングへ向かうと、妹の美希が朝食を待っていた。


「あれ?今日もランニングしてたんだ、私もしようかな~」

「した方がいいぞ、学校初日に運動不足じゃ、きついぞ~」

「う~ん、そろそろダンジョン探索終わりそうだし…、そうしよっかなぁ~」

「そうよ、あまりゲームに夢中なら制限するわよ」

「え~、横暴だよ~」

「じゃなきゃ、太るわよ」

「うっ…、分かりました~」


 そんな話をしていると、亮兄さんが下りてきた。


「何を話してたんだい?」

「兄さんも運動しないとゲーム制限されるよ~」

「はは、僕は一応、ゲーム前に筋トレと勉強をしているから問題ないさ」

「さすが亮兄さん」

「さ、みんな座って朝ごはん食べるわよ」


 亮兄さんも座って食卓を囲んだ。

 ちなみに、今日の朝食は食パンに目玉焼き、コーンスープだった。

 ・

 ・

 ・

 朝食後は兄妹で情報交換をしたが…。


「まあ、もうちょっとでダンジョンボスと戦える所まで来たかな~」

「僕の方もイベントに余裕で間に合う位には進んでるよ」

「へー、確かイベントって明日のメンテナンス後にあるんだっけ」

「そうだね~、そう言えば兄ちゃんはどこまでいってるの」

「俺?あー、俺は今ちょっとあって…」

「「ちょっとあって?」」

「今、最初の大陸から西にあるユウゾリア共和国のある大陸に居る」

「「………ええええええええええ!!??」」

「しかも、ゲーム内で2ヵ月後に大きな祭り事があるって聞いた」

「「えええええええ!!!???」」

「2人とも声が大きいよ、落ち着いて」

「いや、これは大事件だよ!なんでそんな所に居るの!」

「そうだね、しかも2ヵ月後のイベントまで知ってるなんて、どうしてだい?」

「それが…」


 今までの経緯をかなり省略して話した。


「って言うことで、まあ、こっちも色々あったんだよ…」

「なんか…大変だったんだね~…」

「そうだね…おっと、そろそろゲームをするか…」

「「賛成…」」


 兄妹全員で2階に戻ってそれぞれの部屋に入っていった。

 とりあえず、ゲームをしよう…。

 VMDに身体を預けて、目を閉じた…。

 ・

 ・

 ・

 暗転から目が覚めるといつも真っ白空間が広がっており、エアリさんがいた。


「おかえりなさいませ、ベン様」

「早速、Modest freedomを始めますか?」

「エアリさん、お願いします」

「かしこまりました、行ってらっしゃいませ」


 そう言われて、また視界が暗転した。

 ・

 ・

 ・

 暗転から目が覚めると昨日寝たベッドの天蓋が見えた。

 そう言えば、昨日はマリーナ家に泊まったんだったな…、良いベッドだなぁ…。

 2度寝の誘惑を振り切り、ドアを開けるとメイドさんがいた。


「おはようございます、ベン様」

「おはようございます」

「洗面所までご案内します」

「お願いします」


 メイドさんに連れられて洗面所に向かい、顔を洗った。

 ミーミルも眠たい顔に水浴びをしていた。

 やっぱり賢いな…ミーミルは…。


「ベン様、朝食の支度が整いましたのでご案内します」

「はい、お願いします」


 先ほどリアルで食べたが、やはりゲーム内でも摂れるなら摂ろう…。

 メイドさんについていく…。


 食堂にはまだルベリルさんが居なかった。

 どうやら、ルベリルさんは朝に弱いようだ。

 少しして、ルベリルさんが食堂についた。


「遅れて申し訳ございません、ベン君もごめんなさい」

「僕は問題ないですよ」

「まあ、ルベリルが朝に弱いのは今に始まったことじゃないからね」

「では、頂きましょうか」


 そんな感じで朝食が始まった…。

 ちなみに、今日の朝食はロールパンにコーンスープだった。パンもそうだが、スープも美味しい…。

 ・

 ・

 ・

 朝食後にコーヒーを出されたので砂糖とミルクを3つずつ入れて飲んでいると…。


「ベン君、今日はどうするの?」

「そうですね…ああ、そうだ、そう言えばまだあっちでやらないといけない仕事があったんだ」

「おや?そうなのかね?」

「はい、まあ、スクロール作りですが…」

「スクロール作りねぇ、確かに他の大陸じゃあ大変よねぇ…そうだわ、ベン君良いものがあるの」

「良いものですか?」

「ええ、魔術ギルド本部でまだ研究が終わってないものだけど…」

「興味ありますね…では今日も魔術ギルド本部に行きましょうか」


 そんなこんなで今日も魔術ギルド本部に行くことになった…。

 どうやら、スクロールに関係しているらしい…。

 ・

 ・

 ・

 魔術ギルド本部に入って、研究所と書いてある札が掛かったドアを開けると、朝なのに何人かの研究員が居た。


「?…!ギルドマスターおはようございます」

「「「「おはようございます」」」」

「みんな、おはよう」

「ギルドマスター、そちらの方は?」

「こちらはベン君」

「どうも、プレイヤーのベンです」

「ベン君、こちらはルゼル・マルフェイクさん、ベン君の居た国のお偉いさんで今はここで副ギルドマスターをしてもらっているの」

「ルゼル・マルフェイクです、よろしくベン」


 ルゼル・マルフェイクと名のった女性は、

 どこかであったような気がするな…ん?


「マルフェイク?もしかしてバート・マルフェイクさんの親族ですか?」

「あら?バートの事を知ってるの?

 じゃあ、もしかして、最近バートの友達になったって言うのは、貴方の事ね」

「はい、バートさんの友達…って口にすると恥ずかしいですね…」

「フフ…、バートから手紙で聞いたわ、私も数年前にあった以来、顔を会わせれてなかったけれど、バートが喜んでいて嬉しかったわ、ありがとね」

「あはは…」

「まあ、積もる話は置いといて、ルゼルどこまで進んだの?"魔力注入装置"」

「はい、それがまだ図案化出来ておらず机上の空論でして…」

「そう…ちょっと資料を見せて」

「はい、こちらです」


 そう言ってルゼルさんはルベリルさんに資料を渡した。


「すみませ~ん、ルゼル副ギルドマスターこっちに来てくださ~い」

「分かったわ、それでは失礼します」

「ええ、ありがとうルゼル」


 …口が挟めないな…あ!そうだ!


「ルベリルさん、オゾレクスさんにも見せてもいいですか?」

「え!?それはいいけど…いいの?ベン君」

「それでルベリルさんの役に立つなら…」

「う~ん、ならお願いするわ」

「はい、オゾレクスさん出てきてください」

 シュンッ「む?なんじゃベン、こんな朝から」

「オゾレクスさん、この資料を見てください、できればアドバイスも…」

「なんじゃそんな事か、任せるがよい…どれどれ…ふむ…ルベリルよ紙を貸せ」

「分かりました、お爺様」

「ここはこうじゃな…それで…」


 しばらく、オゾレクスさんに任せよう…。

 ・

 ・

 ・

 紙が6枚目に入って少しするとオゾレクスさんの手が止まった。

 どうやら、終わったみたいだ…。


「うむ…こんなもんじゃろう」

「さすがお爺様!」

「そうじゃろう、後はこれを…」

「これを?どうするんです?」

「創造魔法で構築するだけじゃ、ルベリル」

「こちらです、お爺様」


 ルベリルさんに案内された場所はそこそこ広い空間だった。


「では、構築するぞ"作成(クリエイト)"!」


 オゾレクスさんが魔法を唱えると、様々な部品が空間一杯に現れ、どんどん形が見えてくる。

 そうして、10分くらいで1mほどの魔道具が完成した。


「最後に魔核をここに設置して」

「では、テストとして紙を入れますね」

「うむ」


 紙が投入され魔道具に入っていく、そして…。

 何の事故、故障無く無事にスクロールが出てきた。


「…うむ、品質に問題はないのぉ」

「完成したわ!ありがとうお爺様!」

「カッカッカ、どんなもんじゃ」

「すごいですね、これで人数の足りていない魔術ギルドにもスクロールが回りますね」

「ええ、これで研究に熱中できるわ」

「…ははは、ほどほどにしてくださいね…」


 研究者魂恐るべし…。

 その後、他の研究員やギルド構成員が完成を喜び合いお祭り騒ぎだった。

ちなみに、オゾレクスさんの使った創造魔法の"作成"には、しっかりとした構想がないとただただ大量のMPだけが消費されます。

計画は大切、はっきりわかんだね。

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