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Modest freedom  作者: ハズカシダリア
コウゾリア共和国編
36/146

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秘密を解きます回です。

 訓練所を出て、しばらく歩くと神殿が見えてきた。

 王都に在るからかかなり大きく、人の出入りが多い。

 その神殿に入ると訓練長が…。


「すまない、パム大司教を呼んでくれ」

「カナク様!?かしこまりました、すぐお呼び致しますので、少々お待ちを…」

「ああ、頼む」


 神官が訓練長に驚き、すぐさまパム大司教を呼びに行った。

 この訓練長は、何者なんだと思っていると、セスが横から教えてくれた。


「カナク訓練長は、戦闘の神に認められた戦士の1人で、かつて災害級の魔物『バスラ』の討伐にも参加した英傑の1人でもあるかなり有名な方です」

「そうなんですね、ありがとうございます」


 2~3分待っていると若い女性が駆け寄ってきた。


「申し訳ありませんカナク様、それでこの私に何のご用ですか?」

「ああ、今すぐ知識の神カレーク・サーム様を喚んでいただきたい」

「分かりました、では神託の間にどうぞ」


 そう言われて訓練長がついて行った、俺らも同行しよう。

 ・

 ・

 ・

 案内された神託の間は清潔で空気すら澄んでいる部屋だった。

 すると、パム大司教が膝をつき祈っている。

 祈り終えた瞬間、部屋を光が包んだ。


「戦闘の神に認められた戦士よ…なにようか…」

「カレーク・サーム様、こちらのベン君が持っている神器について聞かせてください」

「む?今、ベンと申したか?…ほぉ、こやつが…あのベンか…、いいだろう、ベンよ、その神器を見せなさい」

「は、はい…これなんですが」


 と出した短剣にカレーク・サーム様が驚いき、

 少し考えて、再び口を開いた。


「なるほど、他の者よ、ベンと2人で話す、よいか、詮索は不要だ」

「「「かしこまりました」」」

「うむ、ベンよこっちへ来い」

「分かりましたカレーク様」


 カレーク様に近づいた途端に景色が変わった…。

 …え?


「ベンよ、そこの椅子にかけなさい、話が少し長いから」

「え?…はい、分かりましたけど…ここは…?」

「ここは、天界に在る私の神殿です」


 ……カレーク様の神殿に招かれちゃったよ…。

 ……と言うか口調が…とりあえず、座ろう…。


「では…先に我らの主神に名前を着けていただき感謝します」

「え、あっはい、それについてはウノス・ミール様に聞きましたが…」

「感謝されることではない、ですか?」

「え?…はい、そうです」

「それは違います、これからそれについても話しますね」

「………はい、聞かせてください」

「では…お話しますね……

 今から数百、数千年も前にこの星と共に主神…"神様"が生まれました。

 神々とは、星の成長を観察し、時には干渉します。

 しかし、干渉し過ぎた神様は主神より上の存在に働くための名を封印されたのです。

 神が名前を封印されれば、人々から信仰されることが無くなるため、力を失いました…。

 しかし、名前のみの封印を施された神様は自身の最後の力を上位神に分け、神様は我々の手の届かない場所に自分自身に封印を施しました。

 その封印に入れるのは、人間だけでした…。

 1度だけ、人を依り代に神様に会いに行こうとした神も居ましたが、結局会おうとした途端に依り代から弾かれ、さらに上の存在にまた名を封印されてしまい、その神は存在ごと消えました。

 我々のような神様から名前を頂いた神は名前を封印されることは、死を意味します。

 他の神は、亡くなった人間を送り込み手紙を通して連絡を取りましたが、神様は受けとるだけで返事をくださりませんでした…。

 そうして今に至るまで神様に自力で接触出来たのはベンのみでした。

 そして、ベン、君のお陰で我らの主神は名前を受け取り、再び我らの前に姿を現してくれました。

 …ベンよ、君はこの星にとって素晴らしいことをしたのです。

 だからこそ、我々は君に感謝したのです…」

「……」


 なんか、壮大なことだったんだな……言葉がでないや……。


「フフ、それでは本題の神器ですが、その神器は鍛治の神が創ったものであり、最初に創られた剣でもあります」


≪神器:■■■■■■■■■の情報がアップデートされました≫


 急にアナウンスが届いた、とりあえず鑑定してみよう…。


【神器:始まりの短剣】

 鍛治の神ザーク・バイズ作の短剣

 鍛治の神が最初に創った剣であり

 全ての剣の頂とも呼べる武器

 武器自体に意志が宿っており

 所有者に相応しいものにのみ絶大な力を授ける

 必要能力値:力100000000000

 効果:破壊不可・盗み無効・神の寵愛・基本能力値強化(極大)


「ええ!?でも、それじゃあ…何故ダンジョンの宝箱に?」

「フフ、彼は不器用ですからあまり人の前に現れないのです。それは、彼からの感謝の気持ちでしょう、他の神々もあなたに直接感謝をしたいと考えていますが、神様がベンに過度な干渉をするなと命令が出まして、あなたが直接他の神々に会いたいならば、すぐにでも会えるでしょう、どうします?」

「え、いや、それこそ、干渉のし過ぎで上の存在に封印されるのでは?」

「いいえ、そのようなことはございません、この星の上位の存在は神様の偉業に深く関心を示し、この星の神への干渉を止めました」

「……もしかして、その偉業って…」

「はい、神様の自分自身を封印をして、何も知らない者に名前を与えられたことです」

「やっぱり…、でも、俺は自由にこの世界を見て回りたいので…会いたいときに会うではダメですか?」

「フフフ、構いませんよ、人の感覚と神々の感覚は違いますから、今、会えなくとも今後会えるのならば、神々はいくらでも待つでしょう」

「そうなんですね、わがままを通して頂きありがとうございます」

「フフ、それでは戻りましょうか」


 そう言うと一瞬で元の場所に戻った。


「それでは、さらばだ…」

「はい、ありがとうございました」


 別れの言葉を告げてカレーク様は消えていった。


「ベンよ、その神器は何だったんだ?」

「えーっとですね、この神器は鍛治の神が最初に創られた短剣と言うことが分かりました…」

「な!?何だって!?」

「カナク訓練長どういうことですか?」

「いいかセス、神器とは色々あるが、大抵は偉業を成したものの所有する武器・防具に付くものだ、私の持つ神器もその類いだ。

 だがしかし、ベン君の持つ神器は神が最初から創った物であり、後付けの物では無い正真正銘の神の武器だ」

「!?そんなすごいものなんですか!」

「すごいどころではない、ベン君、そのような貴重なものをどこで?」

「えーっとですね、これはダンジョンの宝箱から出てきたもので、さらに鍛治の神が仕掛けた物なんですよ…さっきカレーク様から教えてもらいました」

「なんと言うか、何をしてそうなったのか教えてもらいたいよ…」

「カナク様、それについては私がご説明します」

 ・

 ・

 ・

「…と言う神託が先日くだりました」

「ベン君、いやベン様」

「やめてください、先ほどのように君づけか呼び捨てで結構ですので!」

「しかし…」

「お願いです、あとセスさんこの事はルベリルさんに伝えないでください」

「ベン様、その事についてですが、もう手遅れでございます」

「え?」

次回はルベリルさん視点から始まります。

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