32
マリーナ家の屋敷回です(前編)
実は、章の題名は仮名です。
ここまでの道のりにも貴族の屋敷はあったが、
マリーナ家の屋敷は他の屋敷と違っており、
まず庭の広さに驚いた、その広い庭には、様々な花と色とりどりの葉をつけた木が屋敷までの道を作っていた。……庭師が所々で仕事しているが、絶対に1日で終わるものではないな…。
「すごいでしょ、この庭全てお爺様の研究成果よ」
「ほぉ…、確かにあの木は儂が研究しておった
確か…"エルダリートレント"だったかのぉ」
「そうですよ…、ルベリルったらお父様が居なくなってから、お父様の仕事と研究を受け継いでここまでしたんですよ」
「カッカッカ、そうか…ルベリルよ、
よくぞ儂の研究を受け継いだのぉ、
しかも、魔術ギルドマスター長の仕事まで…」
「いいんですお爺様、これでもやりがいがありました。」
「カッカッカ」
オゾレスクさんは照れていることを隠すように笑った。お?どうやら、屋敷の入り口についたようだ…。
「「「「おかえりなさいませ」」」」
「おお!帰ったか!シーラ!ルベリルよ!
む?誰だ?その方たちは?」
「お父様、ただいま戻りました、それも含めてお話しますわ」
「ただいま、あなた、そうね、込み入った話もありますし」
「?そうか、それならば、ようこそマリーナ家へ、ゲイツ、客間に案内してさしあげなさい」
「かしこまりました、お客人方こちらへ」
「あっはい、よろしくお願いします」
ゲイツさんに案内されて屋敷へ入ったが、玄関からして広い、廊下の所々には高そうな美術品があり、メイドさんもたくさんすれ違った。
ゲイツさんが、しばらく歩いてドアの前に立ち、開けてくれた。…中も豪華な家具ばかりだ…。
「こちらのソファーに掛けてお待ちください」
「あ、ありがとうございます」
「ふむ…いいソファーじゃ…」
「きゅ~♪」ピョン、ピョン
「あ、ミーミルダメだよ、跳ねちゃ、すみません」
「いえ、問題ございません」
「お紅茶になります、どうぞ」
「あ、ありがとうございます、そう言えば、オゾレスクさんって飲食出来るんですか?」
「いや、この身体になってからは、一度も飲食しておらぬし、第一儂はワイトじゃ、魔力のみで十分生きていける、それに、飲食しても通り抜けるわい、カッカッカ」
「あ、そうでしたね、すみません…」
「何、いっておらんかったしのぉ、気にしておらん」
すると、ドアをノックする音がした。
入ってきたのは、先程の男性(ルベリルさんのお父さん)とシーラさんにルベリルさんが先ほどとは違った服を着ている。室内用の服かな?
「待たせてしまったかな、それでルベリルよ、この方たちは?」
「お父様こちらの冒険者さんはベン君、そしてこちらのワイトは亡くなっていたと聞かされたお爺様よ!!」
「な、何だって!?いや…確かに少しお義父様の魔力を感じる、生きていらっしゃったのですか!?」
「カッカッカ、流石はウィルズ君、魔眼の力は健在じゃのぉ、…その事も含めて話すとしよう」
・
・
・
「そうだったのですか…、ベン君、君のお陰で、また、お義父様にお会いできたよ…ありがとう」
「あ、いえ、そんな…と、とりあえず頭を下げないでください、たまたまだったんですよ」
頭を下げられても、本当に困る…。
オゾレスクさんの話で新しく分かったのが、実はダンジョンでは、空間移動が制限されており、さらに魔導ゴーレムの回りには魔法を封じる結界が張られており、自分の閉じ込められていた小部屋まで効果が及んでいたらしい。
なるほど…だからあの時、少しだけ離れて"引き寄せ"を使ったのか…。
「いや、その偶然のお陰でお義父様は助かったんだ、頭を下げるだけでは足らないよ」
「えぇ………」
「そうね、2度と会えないと思っていたから」
「カッカッカ、そう言うことじゃ、素直に感謝されよ」
「う~ん…、分かりました、どういたしまして」
「そうだ、今夜は屋敷に泊まっていきなさい、部屋ならいくらでもある」
「えーっと、じゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます」
「そうだわ、この事を王様に伝えなくては」
「そうだね、お義父様、実はですね…」
「む?なんじゃ?なぜ王族が関係する?」
「今、この国の象徴として存在する王は、実はお義父様のお弟子さんの1人、クレシルークさんなんですよ!」
「なんじゃと!?確かにクレシルークは貴族のような立ち振舞いをしておったが、まさか、王族とはのぉ、カッカッカ、驚いたわい」
「私たちも、あのクレシルークさんが王族とは知らず、お父様が亡くなったと知らせが来た2年後に王になられまして、その時は驚きました、ですが、お父様が亡くなられたことを知り、深く悲しんで居られました」
「でも、今、姿は変わったけれどこうして戻ってきたことを知ったら、喜ぶわよ、絶対」
「そうだね、ゲイツ、早急に城へ伝達を」
「かしこまりました」
「それと、ベン君たちを部屋に案内してくれ」
「かしこまりました、他の者に案内させます」
「うむ、頼んだぞ、ベン君、お義父様部屋でどうぞおくつろぎください、昼食の時にでも、また」
「はい、ありがとうございます、ウィルズさん」
そう言い、また違う執事さん(名前はケイル、どうやら、ゲイツさんとは兄弟だそうだ)に案内されて、
昼食までの間、今日泊まる部屋に通されたが、家具全てが豪華で景色も2階のため、見晴らしがいい。お?来るときは見えなかったが、正面には、大きく立派な西洋のお城が建っていた。
こういうのを見るとファンタジーの世界だと感じるな…。
次回は、中または後編となります。
話が大きくなってきたけど、
実はまだ、小説の書き方は試行錯誤してます。
ここはこうした方が読みやすいという意見は、
随時募集しています。(ついでに感想と評価も)
とりあえず、100話を目指します。
後、ブクマ、評価ありがとナス!