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"二つ名"を持つ人が出る回です
あと、3日目の終了まで書きました。
≪魔力操作の熟練度が上がりました≫
しばらく、スクロール生産作業に勤しんでいると、"魔力操作"の熟練度が上がったと同時にドアが開く音がした。誰が入ったか少しだけ作業を止めて目を向けると、貴族の様な立ち振舞いに、汚れのない白色のローブを着た男性がいた。
「まったく、今日は私が担当とは…、まあいい気晴らしになるであろう、む?なんだね、君は」
「あっはい、俺はヒュームのベンです、こっちのラビーはミーミル「きゅ!」今日からスクロール生産の担当になりました」
「ほぉ、これは珍しい者もいたものだ。私の名は、バート・マルフェイクという、まあバートと気安く呼びたまえ」
「はい、分かりましたバートさん」
「うむ、してベンよ、何故そのような作業をすることとなった?」
「はい、そうですねぇ…、初めは…」
バートさんに今までの経緯をかいつまんで話した、その間も、スクロール生産作業を進めて合計100枚となった辺りで…
≪魔力操作の熟練度が上がりました≫
≪スペル:魔力弾(無)を覚えました≫
「あ、また上がった…」
「む?どうしたのだ?」
バートさんも話を聞きながら作業をしていた手を止めて、聞いてきた。
「あ、いや、魔力操作の熟練度が上がりまして…」
「ほぉ、これはおめでたい、…うむ、ベンの魔力が先ほどよりスムーズに流れておるな」
「え?魔力が見えるんですか?すごいですね」
確かにバートさんの目の色が一瞬青くなっていた、キレイな色の目だった。
「フフフ、この目を誉めてくれたのは、君を含めて4人目だよ」
「え、キレイな青色の目ですよ?な、ミーミル?」
「きゅきゅ!」
「そうか君たちはそう思うのか、ありがとう、この目は皆からは魔眼と呼ばれているものでね、まあ、自慢ではないが、"青眼の魔術士"としてそこそこ知られているが、それは皆が私を不気味がって呼んでいる異名さ、まあ貴族であることも原因の1つかな」
「へー、異名ですか、呼びにくいですね、バートさんの名前の方がかっこいいのに」
「…っはははは、ふぅ~、いやすまない、別に馬鹿にして笑ったのではないぞ、そうストレートに言われることが初めてだったからな、嬉しいよベン、ありがとう」
「感謝することですかね?でも、どういたしまして」
こうして、作業場で両者が生産作業をしながら、日が暮れる時まで談笑が続いていった…。
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≪魔力操作の熟練度が上がりました≫
≪鍛練の効果で知が1上がりました≫
合計400枚(バートさんの手伝った分も合わせて)作った、切りが良いしここで終わろう、外も暗くなってきたし、そう思っていると…
「いや~、ここまで話が合うのは久しぶりだ、楽しかったよ」
「いえ、こちらこそ途中で、スクロール生産のお手伝いもしてもらって」
「いやなに、そこまでのことではない、今日の作業が思いの外早く終わったのでな、まあ、おかげで、今研究しているものの糸口が少しだけ見えたよ、今日ここで君と出会えて良かったよ、ではまたいつか会おう、ベン、それにミーミル」
「それなら良かったです、俺も楽しく作業ができて良かったです、またどこかで会いましょう」
「きゅ~!」
バートさんが作業場から出ていった、さ、俺もミーミルの読んだ本やら、スクロールを片付けよう。
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「お疲れ様~、助かったよ~、ベン君のおかげでスクロールも400枚程補充できたし」
「あ、いえ、その半分は先ほどバートさんに手伝ってもらったもので、報酬の半分はバートさんの方に」
「バートさん?ってええ!?あの"青眼の魔術士"に手伝ってもらったの!」
「あはははは、そうですねそのバートさんですね」
「本当に本当!?」
「そうですってばぁ~「そうじゃよ、マイナよ、バートが手伝ったことは、本当じゃよ」って、も~ガタノ先生いきなり出てくるのはやめてくださいよ~」
「ホッホッホ、すまんの、マイナの声が聞こえたので見にきたのじゃ、それと、ベンよ、そのバートから伝言というより手紙じゃ」
「バートさんから?何ですか?読んでもらってもよろしいですか、先生」
「うむ、構わんよ、儂も気になっておったし、では読むぞ、
『我が友人 ベンへ
今回の手伝った分の報酬は君に渡そう、君のことだからきっと正直に僕の事も言うだろうからな、そんな友人の君には私からの感謝の気持ちとして受け取って欲しい、ギルドマスターを通して伝えるのもなんだが、君は私が尊敬を抱く父と同じ事を言ってくれて嬉しかった、またどこかで会えれば、その時は、しっかり君に口頭で伝えよう
君の友人 バート・マルフェイクより』ホッホッホ、まさか、バートと友人になるとは、大物じゃのベンは、ほれ、一応現物を持っとれ」
「な、なんだか照れ臭いですね、あ、手紙ありがとうございます」
手紙は、かなりきらびやかだが、無駄がなくシンプルとも言える紙だ、ん?なんだこの印は?
「先生この印は何ですか?」
「おや?マルフェイク家を知らないのか?ああ、そうじゃった、お主はプレイヤーじゃったな、マルフェイク家は、この国の公爵家、つまり、ラグダリア王国の公爵家という事じゃな」
「へー、バートさんって貴族だとは思っていたけど公爵家なんだ…」
「なんじゃ?落ち着いとるのぉ」
「そうですね、まあ実感がわかないからですかね、まあ何でも良いですけどね、バートさんがどんな人なのかを知っても、実際話してみたからですかね?」
「ホッホッホ、これまた良いことを言いおる、まあ、そういうことじゃ報酬はお主が貰っておけ、では戻るかのぉ」
「分かりました、先生、手紙ありがとうございました」
「…えーっと、と、とりあえず生産報酬を渡すね?400枚だから、大銀貨4枚ね、また明日もよろしくね、ベン君」
「はい、ありがとうございます、マイナさん、また明日も来ます」
そう言って魔術ギルドを出て、"猫の宿"へ向かった。今日の夕ごはんはなんだろなぁ。
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「にゃにゃお帰りにゃベン、用事は終わったかにゃ?」
「ああ、しっかりと生産してきたよ」
「ごめんねベン君、たぶんニーナに引きずられたでしょ?」
「あははは…、まあでも、しっかりと連れていってもらいましたし、問題ないですよメールさん」
「そうにゃそうにゃ、メールは心配し過ぎにゃ、ベンはこれでも頑丈だにゃ」
「これでもは余計だ…、席空いてます?」
「ええ、空いてるわよ、夕ごはん食べる?」
「はい、お願いします、お腹ペコペコです」
「きゅ~」
「にゃにゃにゃ、ミーミルもお腹すいてるにゃ」
「ミーミルの分も、いつも通りお願いします」
「分かりました、ほらいくよ、ニーナ」
「了解にゃ」
こうして温かいごはんに、明るく賑やかな場所は、なんだかいいな…。さて、席に座ろう。
ちなみに今日のメニューは大きくそこそこ分厚いステーキだった、どうやら住民の冒険者の誰かが、たまたま西の森を抜けた先の草原で、モゥ(牛のような大きさで突進する、猪の魔物)の群れを狩って"猫の宿"に卸したようだ。
そのため、いつも以上に酒場は盛り上がっていた。俺も、こうした器のデカイ事をしてみたいぜ。
食事をしたあと、銅貨8枚払って、ついでにもう3泊分の銅貨15枚(大銅貨1枚と銅貨5枚)を払って、自身の部屋に戻った。
この国の名前がやっと出ましたね、
ちなみに、冒険者ギルドの本部はこの大陸の王都にあります、そこまでたどり着けるかな。
ちなみに(2)、他のギルドの本部は他の大陸に散らばっています。
なんなら、商業ギルドは島1つが本部です
ステータス
レベル:5
名前:ベン
種族:ヒューム
職業:冒険者 従魔士 魔術士
クラス:F
基本能力値
HP:66/66
MP:74/74
力:15
守:44
速:26
知:41→42
精:11
運:49
スキル欄
鑑定 言語 杖 火魔術 従属化 指揮 生活魔法 魔力操作 体術 短剣術
レアスキル欄
気力操作 空間魔術
ユニークスキル欄
鍛練 HP自然治癒力強化
称号
エアリの祝福
スペル一覧
フルスイング(杖) プチファイア(火) ミニファイア(火) 清掃(生活) ハイジャンプ(体術) 気力弾(小)(気力操作) 引き寄せ(空間魔術) 魔力弾(無)(魔力操作)
あともう少しで、今年も終わりますが、やり残しのないよう、しっかりとお過ごし下さい。
(やり残した事の多い作者より)




