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鍛練さんの本領発揮回です
いつもより長くなりました。
しばらくすると、ドアが開く音がした。
振り向くとそこには、服の上からでもわかるほどの筋肉をした、190cm以上の男がいた。
「む、お前が今日の講習を受けに来たものか?」
「は、はい、ヒュームのベンです、よろしくお願いしますっ」
「うむ、俺はゴンババだ、今日の講習者はお前1人のため、みっちり鍛えてやる。もちろんスキルも覚えてもらうぞ。」
「はいっ!お願いします!」
「うむ、いい返事だ、では、手始めに広場を10周しろ、ちなみに、歩くことは許さんぞ、俺についてこい、いくぞっ!」
「はいっ!」
ゴンババが走り出す、俺もついていこう。
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≪鍛練の効果でHPと速が1上がりました≫
4周半を走っていると、結構息があがってきた、そして、HPと速も上がった、しかし、ゴンババの走りは全然落ちていない、さすが鍛えている人は違うな、でも本気で走ってはいないのだろう。
たぶんだが、俺の体力に合わせて走っているのだろう…ありがたい、しっかりついていこう。
「お、一瞬スピードが、落ちたがいいガッツだ、あと5周残っているが、ついてこられればこの講習で"体術"と"短剣術"以外にもう1つ"気力操作"を教えてやる、いくぞっ!」
「は、…はいっ!…ハァハァ…、うおおおおぉぉぉぉ…」
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「よし10周終わりだ、1分の休憩後、すぐに組手をやるぞっ!」
「ガッ…、…ハァハァ…、はいっ!…」
ゴンババ教官は全然息を乱さず次の準備をしている、ありがたいことに水の入った容器を渡してくれた、つ…疲れたぁ…。
「なかなか、頑張って走れたな、約束通り2つ終わった後で、"気力操作"を教えてやる、…そろそろ1分だ、組手を行うぞっ!」
「あ…ありがとう…ございます…、ふぅ~…よし!お願いしますっ!」
「では始めるぞっ!、こいっ!」
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「腰を少し落とせ!もっと足を動かせ!攻撃を緩めるな!よしその姿勢でこいっ!「せいっ!」…よしいいぞ、その感覚でもっと攻めろ!」
「はいっ!ほっ!たぁ!ていやぁ!!」
≪鍛練の効果で力が1上がりました≫
≪ベンは"体術"を習得しました≫
「よし、終わりだ、続いて"短剣術"の講習だ、いけるか?いけるのであれば、そこにある短剣を取れ」
「ハァハァ…、まだいけます、よろしくお願いします!」
「その意気込みは、よし!では、手始めに素振り100回だ、いくぞっ!」
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「腕が落ちているぞ!さらに10回だ」
「はいっ!」
「よしその振り方だ、そのままあと38回と30回!」
「はいっ!」
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≪鍛練の効果でHPと力が1上がりました≫
≪ベンは"短剣術"を習得しました≫
「よしそれまでっ!頑張ったな合計で140回だ、お疲れさん」
「は、はいっ!あり…がとう…ござい…ます…」
う、腕ががががg…、かなりの疲労で立っていられず、その場にへたりこんだ。
「よしそれでは約束通り、"気力操作"を教えるが、立てるか?」
「少しだけ…休ませて…もらって…いいですか?」
「わかった、では、片付けている間は休んでろ、そのあとに教えよう」
「ありがとう…ございます…ふぅ~…」
少しだけ休憩しよう、それにしても俺が素振りの間も一緒に素振りをしていて、10キロもある荷物を片付けていた、…すごい漢だ…ゴンババ教官は…。
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「よしそれでは教えるが、いいか?」
「はいっ!お願いします!」
「では、どちらかの手を出せ、俺の気を送る、それを感じとれ、いいな」
「はいっ!分かりました!」
そう言って俺はゴンババ教官の目を見て右手を差し出した、一応握手っぽいからマナーにしたがって見た。すると、ゴンババ教官は「よし…いいだろう…」と呟き、握手を返してくれた。
≪ベンはレアスキル"気力操作"を習得しました≫
「よし、その顔は覚えられたようだな」
「はいっ!ありがとうございます」
「おう!その"気力操作"は気を操り、守りの固い相手にもダメージを与え、少しぐらいなら守りを固められるぞ、そこの的に先ほどの"体術"での成果を俺に示してみろ!」
「はいっ!…はぁっ!」
ゴンッ、という音と同時に的が少しだけ傷がついた、…音の割には微妙なのは、たぶんだが俺の力が8というのとあとは、"気力操作"がまだ甘いのだろう、もう少し鍛えたいな…
「うむ、まだ気の扱い方が粗いが、日々修行すれば、これ位の的を…フンッ!」
バギャッ、という音と同時に的が原型を留めていなかった、やっぱり力が高くて"気力操作"を修行すればあれ位のことができるのか…が、頑張ろう…。
すると、いきなりドアが開き、カーリーさんが出てきた、すごい形相で…お、怒ってらっしゃる。
「何してるんですかゴンババギルドマスター!あまりギルドの備品を壊さないでと、この前!言いましたよね!」
「おお、すまんすまん、ベンに"気力操作"の手本を見せたくて、つい、ガハハハハ」
「つい、じゃないですよ!的だってただじゃないんですよ!そんな形じゃ、修復できないじゃないですか!はぁ~~~…」
カーリーさんがかなり怒ったあと、深いため息をついた、…なんだか俺も申し訳ない…。
すると、またドアから人が入ってきた。
あれは…
「よーギルドマスター、また何か壊したんだろ?さっきの音はよぉ」
「ホッホッホ、またやらかしおってからに、まあ、カーリーちゃん説教はそれくらいにしておれ、ベンが居るところで怒れば、ベンも怒られとるようにしか見えんよ」
やっぱり、ルーガスとガタノ先生だ。
「え!あ、ごめんねベン君、別にベン君も怒っているわけじゃないんだよ?」
「あっはい、分かっていますであります」
つい先ほどの気迫が頭に残って、変にかしこまってしまった。
…どの世界でも女性を怒らすものではないな…。
「そ、そんなにかしこまらなくていいんだよ、うぅ……もう!こうなったのもギルドマスターのせいですよ!早く!部屋に!戻って!仕事もしてください!!」
「ガハハハ、わかったわかった、悪かったなカーリー、ベンもな、じゃあ仕事に戻るか、頑張れよベン」
「はいっ!」
まさか、教官だと思っていたら、ギルドマスターとは、じゃあ、もしかして…
「ホッホッホ、その顔は儂もどこかのギルドマスターじゃと考えたな?」
「はい、もしかしてそうなんですか?」
「うむ、いかにも儂は、この街の魔術ギルドのギルドマスターじゃよ、ホッホッホ」
「やっぱり、そうだったんですね」
「まあ、講習の時と同じ感じでよいぞ、おっともうそろそろ戻らんくては、またの、ベンよ今度は魔術ギルドの方で会おう」
「はい、その時は、また、お願いします。今日はありがとうございました、ガタノ先生」
別れの言葉を言うと、ガタノ先生はその場から一瞬で消えた。もしかして、これは瞬間移動?いや、もしかしたら空間系の魔法か魔術なのだろうか?
「おほん、ベン君、お疲れ様後始末はこちらでしておくから、ルーガスさんと一緒に帰ってもいいよ」
「いえ、微力ながらお手伝いします」
「ふふふ、そう、ありがとね」
「しゃあねえ、俺も手伝うとするかな」
こうして、俺とルーガス、カーリーさん、少ししてから他の職員や冒険者が来て、手伝ってくれた。日が落ちるまでには広場もとい訓練所はキレイになった。
その間に≪鍛練の効果で力が1上がりました≫というアナウンスが1回鳴った。今日はよく成長するな、基本能力値。
そういえば、ミーミルだが、片付けの途中起きてきて、ご飯を欲しがったので、とりあえず、片付けの途中だが、少しみんなに断ってから、急いで従魔士ギルドに駆け出して、従魔用の餌で我慢してもらった。明日はリンごを食べさせてあげよう、絶対に。
[今回のちなみに]
・訓練所は1周500mです10周なので5kmです(作者はこんなに走れない)
・基本能力値の上昇条件
*HP=体力やスタミナで上がる
*MP=魔法や魔術を使えば上がる
*力=力仕事や筋トレや訓練、戦闘で上がる
(一定以上上がると同じ筋トレでは、上がらない)
*守=筋トレや訓練で上がる
(力と同じ)
*速=走ることや筋トレで上がる
(力と同じ)
*知=魔法や魔術を使ったり勉強すると上がる
(同じ事を一定以上勉強すると上がらない)
*精=魔法・魔術をくらうか聖書を読むと上がる
(同じ聖書のページを読んでも上がらない)
*運=上がらない
(称号で上がることがある)(下がることもある)
・ガタノが使っていたのは、空間魔法
・ゴンババが今日までの1週間で壊したものの数は、今回で20個目だったりする
・今回の製作時間は、たぶん3時(自慢)
ステータス
レベル:1
名前:ベン
種族:ヒューム
職業:冒険者
クラス:F
基本能力値
HP:62/62→64/64
MP:72/72
力:8→11
守:42
速:22→23
知:39
精:11
運:49
スキル欄
鑑定 言語 杖 火魔術 従属化 指揮 生活魔法 魔力操作 体術 短剣術
レアスキル欄
気力操作
ユニークスキル欄
鍛練
称号
エアリの祝福