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Modest freedom  作者: ハズカシダリア
イベント編
116/146

116

内部回です。

 中は薄暗く奥からはひたひたと水が落ちる音がする。

 …灯をつけるか。


「プチライト…まだ薄ぐら…ん?」


 ピチャ…ピチャ…


 奥から足音?が聞こえて来る。

 剣を構えて奥を見つめ…!?


「な、なんだ!?」

「gduruskbdnrif」

「はぇ?」


 魚の顔と人のような手、そしてゴツい装備の上からでも見える鱗…さらには聞き取りにくい言語。

 …なんかダゴンさんに似てるなぁ。


「heyxkehejfotykwndif」


 て言うか、何喋ってんだ?

 …確かこういう時って“言語“を意識するんだっけか?


「は、ハロー?」

「どこから侵入してきやがった」

「えーっと、普通に?」

「普通に?まだ地に着いていないはずだぞ」

「あーいやまあそこは…あはは」

「?まあいい、ところでなんのようだ…いや、この感覚は………なるほどな、すまないが外に出てくれ」

「え、あー、そう言うわけにはいかないんだよ。

 この船?っていうか嵐を止めたいんだけど…」

「そういうことで有れば、外に出るが良い」


 んー…どうしよう。

 先に進みたいけど、この人?いや感じ的に魔族かな?

 が通してくれなさそうだし…通りた


「そこをどきなさい、ベン様の願いです」

「「!?」」

「聞こえなかったのですか?」

「…いえ…分かりました……」

「あ、ありがとうございます…ヴェルスさんもありがとうございます」

「いえ、当然のことです」

「……ボスのところまで案内させていただきます…絶対に穏便に…穏便にお願いします…」

「あ、はい、お願いします」


 魚人さんが案内してくれるようだけど…穏便にって…。

 なんだろうか…嫌な予感がする…。






 魚人さんがいくつもある扉の中でも豪華で俺よりさらに大きい扉の前で止まった…どう見てもボス部屋じゃん…。


「ここです…(コン)

 ボス、起きてやすかい」


 短くノックをすると部屋の主に声をかける。


「んあ”あ“?な”んだあ“?」

「お客人です」

「客ぅ?はっはあ!ちょいまてやあ!!」

「…少々お待ちください…」

「わ、分かりました…」


 やばい…なんかとてつもなくヤヴァイ感じが…。

 いや、もう声の時点で荒くれ者じゃん?

 魚人さんの立ち振る舞い的に頭脳派の船長さんかと思ったけど、もうこれは絶対戦闘派じゃん!


 そんなことを思っていると扉が思いっきり開く、というより扉が壊れて倒れている…。

 そしてその扉の開け方をした張本人は腰に剣と銃をさし、いくつもの刺青を傷と一緒に刻んでおり、そしてこちらをギョロリと紅く光らせた眼で見ていた。


「おうおう!テメェなにもんだあ?」

「あ、お、俺はベン、ヒュームの冒険者です」

「ほおーん…」


 ギョロリとした眼で体を観察し、腰のあたりで眼が止まった。


「なあーるほどなあ…俺は泣く子も泣かねえ子も黙る海賊嵐(クロンレーツ)の主であり、嵐の海賊団団長のゴーギャスだ!」


 そう言ってギョロリと開いた眼をさらに大きくしてニヤリと笑う。


「それでおめえは何しにここにきやがった…いや、神の遣いと一緒に来たってぇことならぁあれか…ベービス!」


 ゴーギャスは俺をここまで案内してくれた魚人に目線を向けた。


「すみませんボス、最近何も襲えてないせいか下の奴らが疼いてまして、たまたま偶然、多くの生命体が居る場所を見つけてし「うるせえ!!!」ガッ!?」


 ベービスさんが話している途中でゴーギャスが苛立った声で思いっきり腕を振り下ろし、ベービスが床に埋まって顔だけ出ている状態になった……顔はへこんでおり、口から青い血が流れていた。


「ごちゃごちゃと御託並べんじゃねぇ!下を統率するのがオメェの役目だろうが!!」

「が…ゲホ…は、はいボス……すいません…」

「分かりゃー良いんだよ、んでだ、その下の奴らはどうした!!」


 そう言って通ってきた通路に向かって声を荒げる…が何も返ってこない。

 もしかして…。


「ぼ、ボス…下の奴らは全員…ゲホッ…全員、そこにいるベンさんに…ゲホッ……やられまして、ただいまダウン中です…」

「んだと!?そうなのか!おい!!」


 そう言って俺に向かって声をさらに荒げる。

 めちゃくちゃ怖いんですけど…。


「え、あ、いや…は、はいそうです…」


 最後らへんは消え入りそうな声で答えてしまった。

 …するとゴーギャスの顔は一瞬だけ恐ろしい顔になり、すぐに口を開く。


「がああああっはははははは!コイツァすげぇ!!

 ヒョロっちい、しかもヒュームのガキにやられてんのかよ!!がああはっははははは!!!」


 口を思いっきりUの字になりながら笑い、壁を叩く…少しずつ壁が歪んでいく。


「はっっはははは!!ひー、こりゃいい酒のツマミになるぜ!!だがまあ!それも仕方ねえか!なあ!ベービス!」

「は…はい……神の遣い様が「そーじゃねぇ…はぁまったくヨォ」…え?」

「そーじゃねぇんだよ…まあそれもあるだろうが、それなら最初からこの()はとっくの前に海の藻屑だぜ?」


 そういうとベービスさんに向けていた眼がこちらに向く。


「ベービス、ベンの持つ剣を見ろ…ありゃあ俺が見てきたどんな剣よりも…いやどんな武器も刃がたたねぇヤベェモンだぜ」

「!!」

「ベンヨォ…俺の目が狂ってなけりゃあ、その剣、神器だろ?それも逸品物の」

「え、まあはい、神器であってますよ」

「やっぱりな、まあそういうことだベービス」


 ベービスさんの方を見るとへこんだ顔からでも伝わるほどに驚いている。

 まあ、誰だって驚くよなぁ。


「まあ、そんなことあーどうでもいい…ベンヨォ」

「?なんですか?」

「テメェが神の遣いと来て、さらに俺たちは間違えて上陸しちゃあならねぇ場所に来てしまったっつーのは分かった」


 …明らかに雰囲気が変わった…いや、空気もだがゴーギャスの周りからオーラみたいなのが見える。

 もしかして…。


「だがなぁ、ここで引いちゃあ、海賊の名折れ、漢の名折れだ……」

「………………」

「神器持ちつーのもあるが、なのより子分やられて親分が黙ってるのもおかしい話だ……表に出な…海賊に喧嘩売ったんだ拒否権は無いぜ」

「……ですよねぇー…分かりました」


 やっぱりこうなるのねぇーーーーーーーーー。

NPC紹介


ベービス

嵐の海賊団の参謀役であり副団長

腕っぷしはそれなりにあるが、事は全部穏便に済ませたい性格。


ゴーギャス

嵐の海賊団団長であり今回のボス

数々もの冒険をしありとあらゆる船、島、時には国をも相手に嵐のように掠奪する。

下のことは全部ベービスに任せているため、今回の事のようなことは多々ある。


嵐の海賊団の船員

今回ベンが戦ったていた奴ら。

知能はそこまで無いのが多いため本能のままに生きている。

なお大抵の船員は団長の力によって仲間になっているため、副団長の言うことを聞かないやつは多い。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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