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剣が語る回です。
「んで、なんなんだ?お前」
『あっしですかい?ワタシはあなたの剣ですよ』
「いや、そうじゃなくて、なんで喋れるんだよ」
『Uh huh?主神や鍛治神から何か聞いてませんか?』
「いや、何も…あ、でも神様がなんか力を〜とか言ってたな」
「鍛治神をお呼びしましょうか?」
「いや、お忙しいでしょうし、呼ばなくていいです」
「かしこまりました」
『oh 久々に会いたかったですが、確かにあの神は常に何かしら作ってますからね』
危ない危ない、もう少しで鍛治神?が来てしまうところだった。
わざわざこれだけのために出てきてもらうのは気がひけるからな…。
『まあ、それでしたら某が説明させてもらいますです』
「頼む…というか言葉遣いがおかしくないか?」
『それもまとめて説明します。
まずは私は鍛治神の手によって造られた神器です。
もちろん、始まりの名を冠しているのでこの世界で最初に造られた短剣です』
「剣じゃなくて短剣なんだな」
『YES と言っても短剣になったのは長剣や大剣などが造られたからなので、実際どの剣が最初なのかは神のみぞ知るです』
「ふーん…」
『とても興味がないanswer…。
まあ、良いでしょう、それで始まりの名を冠する物は必ず造られた時にスキル…私であれば剣術が同時にできます』
なるほど、そういう設定か… 。
「それでそれとお前の喋りに何が関係あるんだ?」
『そうですねぇ…元々、喋れるような気はしてましたが、中々masterが成長しないのでヤキモキしてたら、急に主神から力を解放していただいたので、全段階吹っ飛ばしてpowerfulになりました。
鑑定していただけると実感しますヨォ〜』
全段階…嫌な予感はするが気になるので鑑定すると、
【神器:始まりの短剣『頂』】
剣術ができたと同時に現れた神器
剣術が多様化すればそれを学び
使い手に無限大の可能性を切り開ける力を持つ
頂へと至った剣は未だ見ぬ力を求める
効果:破壊無効 腐食無効 魔斬 剣術(全) 人剣一体 成長
「ええ…頂になってる…」
『そうですよー、ちなみに先ほどの戦闘で使ったのは人剣一体ですね』
「ああ、あれが…ていうか剣術持ってんなら使えば良かったんじゃ」
『この剣術はどの剣術にも対応できるという意味のスキルです』
「なるほどな、あと、最初の頃にあった必要能力値がなくなったのは?」
『それについては僕が正式にmasterの専用神器になりましたので不要なものは置いてきました』
「不要って…まあ、使えるなら良いか」
『細かいことを気にしないmasterは好きですよ。
もちろんlikeではなくloveの意味で!』
「」
『oh…冷たい視線ですね。
まあ、よく分かりませんが何故か今、剣術が成長しないことを除けばそこそこいい結果でしたね』
「そこそこなのかよ…」
『当たり前ですね、先ほどの敵は敵の大将の分体的な感じですからね、正直なところmasterだけでは倒せないと断言します』
「まあ、そうだよなぁ…」
と言ってもその敵の大将にたどり着くまで何回waveがあるのかよく分からんし、多分ここから敵のレベルも上がりそうだな。
『ですが、先ほどの戦闘で少し剣術の使い方が分かりましたッス!
なんでなんか困ったらオレッチに任せんしゃい!』
「お、おう…ところでその喋り方は?」
『そういえばそれが本題でしたね。
これについては先ほど全ての剣術関連を私一つでできるのに関わってまして。
剣術は成長すればするほど持ち主の戦闘styleに変化していくんですよ』
「俺なら短剣術みたいになるのか?」
『uh…まあ、それはその時に』
?なんか歯切り悪いな…。
『それでですね、私は普通ならmasterのような使い手と共に様々な剣術から派生したものを学んで私の能力を上げる代わりにその派生を創り出した使い手の喋り方も覚えるんですが…」
「…もしかして、全部覚えているなら」
『まあ、今masterが考えている通りですね』
マジかよ、多分使わないものまで詰め込まれたせいで、普通なら気にしないでいいようなデメリットがひどいくらい出てるのか…。
『さて、質問はこれくらいで構いませんね?』
「そう…だな、とりあえず次まで時間もあるし、少し休むわ」
まだ1時間以上時間余ってるし、いくら身体が治っても精神的にきついからな…マジでヴェルスさん達がいなかったら、俺1人じゃきつすぎる…。
最後まで読んでいただきありがとうございます。