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レイド戦前夜()回です。
-リュウザン視点-
そろそろイベントも中盤というところで、いつものレイド戦、今回も防衛型だから楽だと思ったが、祝福持ち以外にデバフを与える系か…。
「リュウザン、そっちのギルドに祝福持ちは?」
「タイチョーさん、そうですね全員持ってはいますが人数が少ないので…」
「ウチのところは、祝福持ちが少ないからあまり呼べないよー」
「なるほど…まあ、今いるプレイヤーで祝福持ちは第一陣の中でも少ないからなぁ」
確かに俺が祝福を持てたのも偶然の出来事だったし、誰でも祝福が手に入るルートはまだ確定していない。
…まあ、見つけていて情報を流していないだけかもな…。
「そういえば、他のプレイヤーは」
「ああ、君らと同じようにそこまでいないようだった…それに今は少しギスギスしているからなぁ…」
と頭をかいて困っていた。
十中八九、ユウトと九尾のギルドのことだろう…。
「まあ、そんなことよりこれが今回の防衛対象か…なんて言うかでかいな」
「そうですね…遠距離攻撃を受けるとまずいですね」
いつもは何かしら防壁があるのだが、今回はない…かなり厳しい戦いになるだろうし、なんなら島のサイズがこの人数でもカバーできるかどうかのレベルだ。
「そういえばシャイニー、ベンは?」
「ベン兄ちゃんならさっきから連絡してるんだけど、でれくr…あ!兄ちゃん!」
どうやらやっと連絡できたようだ…聞いた話によると大輝も祝福を持っているらしい…今は少しでも戦力を補わなければ…。
「今ね…え?……うん……うーん、今すぐは無理?
えーー…」
ん?何かあったのか?
「リュウザン兄さーん」
「どうした?」
「なんか今ベン兄ちゃん、手が離せないらしいから、その用事が済んだらすぐ来るだってー」
「おいおい…もしかしてその手が離せない用事って…」
「ユウトか、九尾のどちらか…もしくはそのどちらも…」
「ええ!?そうなのお兄ちゃん!?……もしかして!襲われてるのって聞いてるの!!
……え?イベントに巻き込まれた?なら良かったー。
じゃあ、ちゃっちゃと終わらせてきてねーバイバーイ」
「なんか、変なイベントに巻き込まれたんだってー、あー良かった」
「イベントなら仕方ないな…まあ、ベン君はまだ始めたばかりだからな」
イベント…もしかして今回のレイドに…いや、考えすぎか…とりあえずまだ敵が攻めてくるまで時間があるようだし仲間を集めながら、今は休むとしよう…。
「少し仮眠をとってきます」
「ああ、わかった、後の事は朝方に話そう」
「分かりました」
少し離れて近くの木の下で寝袋に包まり仮眠をとる………。
-シャイニー視点-
リュウザン兄さんは私と入れ替わりで仮眠をとりに行った。
「タイチョーさーん」
「ん?なんだい?」
「あの場所にいたプレイヤー全員ここにいるのー?」
「いや、あのフードを被ったプレイヤーを見かけていない。」
「て言う事は、やっぱり運営側の人間だったのかなー?」
「それは分からん…ただ言える事は只者ではない…と感じたな」
「そうなんだー私は面白い人だと思うんだけどなー」
「まあ、あの空間にいたという事は味方ではあるんだろう。
もしかしたら、お助けNPCsかもな」
あーそうかも知れない…こういうレイド戦はいつも何かしら敵に特攻を持つNPCsが用意されているからなー。
それにしても、早く始まらないかなー……。
次回はベンの方を進めます。
果たして、ベンの運命は………。
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