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戦闘回ですよ!皆さん。
考えている間にも目の前の敵は拘束から抜けようとしていた。
「まずいまずいまずいどうするどうすれば…ん」
壁まで下がってしまったが、手元に先ほど読んだ『黄金の鉄の塊』が見えた。
黄金……黄金?
そう言えば、目の前に居るのは全て黄金で造られたゴーレム……。
「「ジャリジャリーーーン」」
「って、ヤバイ"拘束"が切れたか!」
2体のゴーレムが"拘束"を破り、こちらに向かって全速力で…って速いっ!
避けようにも後ろは壁、右に避けても相手の図体が大きくて避けきれないし左は今からじゃ間に合っ。
「「ジャ!?」」
「「「だ、誰だ貴様は!」」」
「1さん!」
「すみません、こちらに入るのが手間取りました。」
1さんが目の前に現れ、2体のゴーレムが赤黒い鎖に捕まり、ダメージを受けている。
「2さん達は!?」
「すみません、私が入るのだけで精一杯でしたので、ミーミル様の方へ勝手ながら護衛させてきました」
「そ、そうでしたか、ありがとうございます」
「いえ、安心するにはまだ早いです。
私の技では戦闘が長引いてしまうので」
ん?長引く?
目の前ゴーレムは動きがt…止まってない!?
少しゆっくりだが、それでも着実にこちらに迫っている。
「とりあえず、こちらに避けましょう」
「いや、それでも追尾されるんじゃ…」
「問題ありません」
「え、それはどういう」
「とにかくこちらへ」
「あ、はい」
1さんに言われた通り避けるとゴーレムはこちらを追尾してこず、そのまま壁にぶつかり止まった。
「「「ぐぐぬぬ…すばしっこいやつめ…」」」
「え…」
「私が彼らの時を遅くしました。
彼らにはベン様が高速で動いているように見えるのです」
「な、なるほど…」
「「「ぬ、見慣れぬやつが……!!!
貴様はヴェルス様の所の!!」」」
「やはり、あなたでしたかオービス。
また、このような所に宝を隠したのですか」
「「「き、貴様には関係」」」
「あります。
エレザグ様のつくられたダンジョン法に違反していますから」
「ダンジョン法?」
ダンジョンって法律あんの?
と思っていると…。
「ええ、ダンジョンにはいくつか運営に関しての法律があり、その中の9条に『ダンジョンの宝は一括に管理し、探索者が最後にたどり着くようにする』と…。」
「へ~……ん?でも、ここってボス部屋なのに宝がありましたよ?」
「そうです。ここの管理者オービスは自分の預金と言って宝を隠していたのです…つまり、オービスはダンジョンの宝を1部隠していたのです」
「え!?じゃあ、法律違」
「「「がっはっはー残念だがそれは違う」」」
「え?」
「「「何せここはダンジョンの裏ゴールであり、しっかり申請して許可まで取っておる。
そんな違反などしておらんは!」」」
「裏ゴール?」
「裏ゴールとは、特殊ルートから条件を満たして来るゴールのことです」
なるほど…ということは、あそこの通路から裏ルートだったのか…。
「「「ふっふっふ…これで分かったであろう。
それに、ヴェルスの部下よ…1人のヒュームに肩入れすることの方が違反ではないか?」」」
謎…じゃなくてオービスさん……いや、殺しに来てるしオービスでいいか…。
オービスのやつの言うとおり、さっきのダンジョン法と同じように、そう言った法律も…。
「ええ、普通はそうでしょう」
「「「違反した者がどうなr」」」
「普通はですけどね…。」
「「「ひょ」」」
「オービス、あなたが誰に攻撃を行ったか教えましょう」
そう言って、1さんが俺を前に出す。
「この方はプレイヤーのベン様…。
この前、封印から解放された我らの主君…今は神様と名を変えた、グランドの加護を受けしお方であるぞ」
「「「な、なんじゃとーー!!!!」」」
「み、耳が…あれ?煩くない?」
「こうなると思い、ある程度防音をかけておきました」
「あ、ありがとうございます」
「驚いているところ悪いがオービスよ。
貴様はもう1つ、やってはならぬことをしたな」
「「「!貴様!気づいておったのか!」」」
「もちろん。
それを知るのに少々時間を要しましたがね」
そう言って1さんが紙を取り出した。
「ここに書いてあるのは、貴様が裏ゴールをしてきたものに最後の罠が発動する条件が書かれてある」
「「「くっ!それをどこから!」」」
「それは後であっちで話します。
ここに書いてある『宝がインベントリ(簡易も含む)全体の7割を占めた者を強制的に2割まで取り上げ、正規のボス部屋に跳ばす』と…」
「全体の?」
疑問に思い自分の簡易インベントリを見るが、調理器具や皿などを置いていくのを忘れたせいで宝は全体でも4割しか持っていない…。
「待ってくださいよ!俺が持ってるのは全体でも4割ですよ!」
「やはり…オービス…」
「「「ひっ……し、仕方ないだろ!
いっつも一杯取っていってから減らして2割にするから良いけど、そ…ベンは」」」
「ベン様だ」
「「「べ…ベン様が他の探索者より多く取っていくのがゆ、許せなかったんだ」」」
「いや、俺の簡易インベントリってそこまで多く持てないから、多分さっきのバズさん達の2割の方が多いんじゃ…」
「「「え………本当じゃ……」」」
「やっと気づきましたか…」
「「「あ、あはははは~な~んじゃそう言うことじゃったんなら、さっさと勿体ぶらっず言えば良いのに~」」」
オービスがそう言うとゴーレムが元の黄金に戻っていく…。
「「「そう言うとなら、さっさとここから出れるように転移陣を出すから帰」」」
「そうは行きませんよ…オービス」
「「「……見逃してくれんかのぉ?」」」
「それはできません。
さっさと自首することをオススメします」
「「「そうじゃな………とでも言うと思ったか!
こうなったら、貴様を潰してくれるわ!!」」」
「うぉ!眩し!」
目の前が急に明るくなり、光が収縮する…。
「「「この儂、オービスが相手じゃ!!」」」
そう言って、顔に3つの仮面を着けたオービスと名乗る大男が現れた!
TRPGを始めたら、フォワが増えてきた作者です。
オービスについては次回明かされます。
いつも最後まで読んでいただきありがとうございます!