表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/3

プロローグ

どうもはじめまして。

近所の戦闘狂と申し侍り候なりけり。


人称のずれは仕様です。

 この世界は、妙に狭い。


 そう感じたのは何時頃からだっただろうか。物心が付く頃にはそう思っていた。


 何故かはわからない。


 己は矮小な存在のはずなのに。


 自分はどうしてここにいるのか。

 幼い『私』は考える。


 ――分からない。


 自分は誰だったのか。


 ――分からない。


 天気は曇りのまま。そのまま『私』を飲み込んでしまいそうな程暗く。今にも雨が降り出してしまいそうなほど不安げで。


 いくつの頃だったか。ただ母親が泣き崩れているのを見た。

 『私』の父親が死んだらしい。戦死だった。この時代では珍しくとも何ともない。


 でも、周りの人が「名誉の死だ」といって喜んでいるのを見て、自分の感情は分からなくなってしまった。

 命の価値が、分からなくなってしまった。


 ――ぽとっ。


そして、ついこの間。

母が死んだ。

 何者かに強姦された後、首を斬られて逝ってしまった。


『私』に恨みはない。それが当然の世の中だったからだ。

 そもそも、親の愛など認識できるほど成長していなかった。


 スラム街の路地裏に咲く花が、どうして親の愛を知れようか。


 ――ぽたっ。


 どうしてこうも簡単に死んでしまうか。


 少年には分からない。


 “悲しかった”“悔しかった”“恐ろしかった”

 どの感情が正しいのか。


 ――ぽたぽたっ。


 いや違う。

 “分からない”から“恐れた”のだ。

 見ることも聞くこともできない、それなのに感じることの出来るそれに、『私』は“恐れた”。


 ――ザァァァアアア。


 不安げな空はついに、抱えた物を抱えきれずにこぼしてしまった。

 軒下に居た為直接雨には当たらないが、地面から跳ね返った水や土、泥がこの身を汚していく。


 何日も碌なものを食べられていなかったから、最早身に着いた泥を何とかしようとすることも出来ない。


 もうこれまでかと、前のめりに倒れ込んでしまった。泥が身を覆い、軒下から出た体を雨が容赦なく襲う。奪われていく体温が、少年に『死』というものを尚意識させる。


 だが――。


 ふと、視界が暗くなった。


 いや違う。目の前の人が大きすぎるのか。


「こんな子供がこのような場所に捨てられているとは……。世も末ですね」


 その人は妙に低く、それでも人の好きそうな声で話しかけてきた。


「ですが、貴方は幸運だ。何故なら――」


 顏は良く見えない。髪は女性の様に長くて、まだ幼い『私』の体を抱え込んだ腕はそれに合わず力強く。


「――私が拾ったのですから」


書きダメは衝撃の残り6話。


プロットは完成済みなんだけどなぁー

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ