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入り用なものを揃えよう!

主人公視点って初めてだから変なところがないか不安だなぁ


今日は日曜日。何も考えずに二話投稿しますよー!

まずは一話目どうぞ



倉庫も一通り見終わったので、外に出る。

外は気づかない間にもう太陽が遥か上空まで昇っていた。


あ、そういえばここは異世界だから太陽じゃないのかな


そんなつまらないことを考えながら、日が照っているうちにあとはバリアの範囲を知っておこうと早速空中に向かって【鑑定】を行なった。


直径100メートルか。実際見てみるとかなり広い。

起点は僕が持ってるこの古びた鍵の持ち手についた小さな魔石。

バリアの型は特上で、どうやら外からの攻撃と侵入を防ぐものらしい。勿論許可したら中に入れるようになる。

調べた限りでは不備なんかも見られないから、しばらくはメンテナンス無しでも大丈夫だと判断した。


明日からこっちに住むつもりだから食材とか冒険の準備とか色々地球でしてこなくちゃ


そう思い、一旦地球に帰ることにした。

家の裏口にある地下への階段を降り、今度は上る。

たったそれだけで僕は地球に帰ってきていた。


本当に……これが夢じゃないんだよね


あまりにも呆気ない異世界との移動。

でもそれが今の僕の唯一の生命線だった。


「何買ってこようかな……」


幸いと言うべきか、僕の口座には父さんが遺してくれた遺産が入っている。

なので今の僕は今後のことを考えなければ多少の贅沢は出来るが、なるべく慎重にお金は使うことにする。

もし使い切ってしまったら今の僕には金を得る伝手なんてないからのたれ死んでしまう。

そう考えたら無駄遣いなんて出来るはずもなかった。


家から徒歩30分ほどのところにショッピングモールが都合よくあるため、そこで必要そうなものを揃えることにする。

軽く走って行くと、ショッピングモールは夏休み効果か普段の三割り増しほどの混み具合を見せていた。


人混みの中を155センチという16歳にしては小さい身体でスルスルと抜けていく。

まず最初に向かったのは魔法鞄(マジックバッグ)の店だ。


僕みたいな学生が入る機会なんてないけど、今日は本当に要るんだから入ってもいいよね……


見た目で既にゴージャス感を醸し出している金縁のドアを前に立ち竦んだが、意を決してドアを押した。


魔法鞄というのは普通の鞄に空間拡張が施されたもので、見た目は小さい鞄でも普通の鞄の数十倍も容量があり、中に物が入っていても鞄単体の重さしか負担がかからないという優れものだ。

魔法社会とまで呼ばれる今日においても空間系統の付与術(エンチャント)が行える魔法使いの少なさからその価値は落ちるようなことはなく、魔道具と呼ばれる品の中でも高級の部類に入る。


その為店内は空いており、ましてや見た目は良くて高校生という真尋は店の中でもかなり浮いた存在だった。


「いらっしゃいませ。本日はどのような品がご入用でしょうか?」


店内に入った時にドアの隣に立っていた燕尾服の店員が真尋に声をかける。


うわー、絶対場違いだって思われてるよ

で、でも僕は客なんだからしっかりしないと


「ええっと、僕、魔法鞄(マジックバッグ)の店は初めてなんですけどもし良かったら一から説明してもらえませんか?」


ふぅ、どうにかちゃんと言えた。


「承知いたしました。(わたくし)はこの魔法鞄専門店の店長をしております、テールズと申します。本日はよろしくお願いします」

「よろしくお願いします!え、店長さん!?」


洗練された仕草で一礼する彼に僕は慌てて返事をする。

店長というのに思わず大きな声で聞き返してしまった。

ごめんなさいと謝り、僕も名前を名乗る。


「ははは、さて、折角ですので個室で魔法鞄についての説明をしましょうか」


そう言ってテールズはゆっくりと歩いて行く。


いきなり店長なんて反則だよ


僕は心の中で言い訳をしながら身体を小さくし早歩きでテールズさんの後ろについていった。

店の奥にある個室に入ると、テールズさんは腰に巻いてあるポーチから机の上に沢山の鞄を出した。

僕が仰天しているとテールズさんは笑って言う。


「ああ、このポーチも魔法鞄(マジックバッグ)の一つなんですよ」

「そんな形のも有るんですね」

「空間拡張は基本的にどんな物でも、付与することができます。ただ空間拡張というものは元の容量を何倍にする、と言ったものですので必然的にポケットなんかではなくある程度容量があり使い勝手の良い鞄が使われるようになったんですよ」


そう言ってテールズさんは更にポーチからグラスを僕の前に置き、ポットでお茶を注いでくれる。

どうぞ、と言われ飲んでみるとお茶はキンキンに冷えていた。


「魔法鞄には空間拡張以外にもオプションをつけることが出来ます。最も相性がいいとされるのが状態保存のオプションですね。鞄の中に入れた瞬間から取り出す時までの間その商品は時間の流れがストップするという優れものです。しかし、ただでさえ高い魔法鞄に状態保存のオプションを加えるとなると、その値段は巨額なものになりますのでそこは留意して頂きたいと思います」

「……ちなみに、僕の下げている鞄の拡張ならいくら位でやってもらえるんでしょうか?」


僕は恐る恐る尋ねて見た。

その様子を見てテールズさんは笑う。


「お客様は値段が気になるようですので、そろそろ値段の方も説明させていただきましょう」

「よろしくお願いします」

「まず、一番安いのが空間拡張5倍です。これだとお客様が肩に下げておられるサイズの鞄なら10万ほどの値段で提供可能です」


5倍で10万ってやっぱりかなり高いんだ

このサイズを5倍なんて全然入りそうに無いけど……


僕は5倍は諦めることにし、一般的な倍率を聞いてみる。


「そうですね……一応10倍、20倍と段階はありますがやはり100倍、もしくは500倍が一番よく売れますね。なにせいくら魔法鞄と言えども入る容量が小さければ小さいほどその使い道も減るわけですから」

「仮に500倍だとすればどれくらいの値段、期間で出来るのでしょうか?」

「500倍ですか。500倍なら……800万ですね」


800万はどう考えてもかなりの大金で、これまでの僕からすればあり得ないくらいの金額。

それでもあの世界で生きていく上で500倍だったら必ず役に立ってくれると思える容量だ。

うーん、と僕は悩む。

金使いを荒くしないと決めた次にはこんな豪勢に買い物をして大丈夫なんだろうか、と思いながらもこれは必要な先行投資だと思う心もある。

そう言えば、と思い出し


「もし、もしそこに状態保存のオプションをつけた場合幾らくらいになるんですか?」

「ここに状態保存を加えた場合値段はキリよく2000万になりますね」


好奇心で聞いてみたら想像を遥かに超える金額が返ってきた。

僕は唸ってテールズさんに、500倍の空間拡張のみを購入しますと伝えた。




ご都合主義、この言葉って素敵だと思います。

全てじゃないけど大抵はこの言葉に甘えたくなるんじゃないかな?


今週の目標は毎日投稿!

次回の更新は今日の16時(^_−)−☆


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