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朦朧とした意識の中で



レベルが上がれば胸に熱いものが来て、多少苦しくなる。

それはこの世界で初めてレベルアップして学んだことだ。


なぜかは知らないが、そしてどのような基準なのかもわからないがレベルは戦闘が終了した時にしか上がることはない。

例えば5匹のゴブリンが居たとして、3匹目を倒した時に経験値が蓄積されレベルアップされるとする。

その場合、3匹目を倒してもレベルが瞬時に上がることはなく残りの2匹を倒す、もしくは後退するなどと言ったことで戦闘が終わった時初めてレベルアップが行われるのだ。


なぜ僕が今そんな話をしているのか。

簡単に言おう。

今、僕の胸が、身体のつま先から頭のてっぺんまで全てにこれまで有りえないほどの熱がこもっている。


辛い?


当たり前のように辛い。

40度の熱が出て、それで頭を殴られるような痛みが続いている。

しかし、何故か知らないが意識だけは朦朧とせずにいるためこのように考えることができている。


まず、十中八九間違いなくこれはレベルアップの反動だろう。

これまでに経験した痛みと似た感覚がある。

恐らくそれがこれまでよりグレードアップしたやつだろう。


なら、そのレベルアップはどうして起きたのか。

これも答えは簡単だ。

ヒルデが氾濫を潰し終えたからだ。

ヒルデは経験値は従魔契約を結んだ相手と半々になると言っていた。

つまりこの現象は僕がレベルアップに必要な経験値を、ヒルデが氾濫を潰すに当たって殺した魔物たちから過剰に得たから起こったものだと推測がつく。


前回、僕は魔力の鍵をヒルデに外してもらった時あまりの辛さに気絶してしまった。

ことが終わって起きた時には体内から魔力が放出される量が明らかに違ったことに驚き、魔力が体内に侵食してしまったと聞いて納得した。


レベルアップするということは単純に言えば魔力が増えるということ。

しかし、魔力が増えると身体という容器はいっぱいになり、溢れ出てしまうこともある。

そうならないためにレベルアップするまでに必要な経験値、という形で身体を成長させているとルドルから聞いたことがあった。


今は、恐らく侵食が開始されている。

当たり前だが、僕の身体はまだまだ成長しきっていない。

僕の魔力は増える量も通常の倍らしいし、そもそもの魔力量も桁違いに多いんだとか。

その分魔力の容器もそれなりに大きいはずではあるが、それでも今上がっていってるレベルに適した身体にはなってないのだろう。


僕の先ほどまでの侵食率はそれほど高くはなかった。

だが、正直今どうなっているかはわからない。

ただはっきり言えるのが魔力が近しい存在になるって言うことは世界を認識する能力が高まっていると言うことだ。


この世界は……いや、どの世界でも世界を形作っているのは魔力だ。

そこらの木々にも魔力はあるし、人にも魔物にももちろん魔力はある。

もっと細かいところだと空中には魔素ってものもある。


魔力が身体中を駆けずり回っているのが分かる。

恐らく前回よりも広い範囲で侵食しているんだろう。

それと同時に、苦しんでいる身体の周りの世界が伝わって来た。

ルドルがどうしようかこうしようかと慌てており、サーシャが僕をとりあえず横に寝かせて持ってきていたポーションを無理やり流し込んでいる。


……えっと、これはポーションは意味ないと思うかな。


身体は全く動かないで、あるがままにしか無いけど意識だけはっきりしているってのも変な感覚だ。

変と言えば、僕の周りで何やら空気が弾けているのを感じる。

これがもしかすると魔素というやつなのかもしれない。

ルドルみたいに魔眼で見えるわけじゃないけど、それとは別に周囲を目で見ないでも見渡せるようになったのも大きい。

第三の目が空中に浮いてる感じだ。


何もできず介抱されてる自分の身体を見つめているとヒルデが帰ってきた。

この人の戦闘は本当にすごかった。

あの魔法?もさることながら、素での動きも桁違いに速くて最後の攻撃なんか動き始めたと思った瞬間には腕を振り終えていた姿には感動を覚えた。


僕も、いつかはああなりたいと思うけどまだ当分は先のことになるだろう。

今回のレベルアップでどこまで魔力が増えたか。

多分レベル的に15くらいは上がってそうな気がする。

なら単純計算で数百倍は軽く超えていそうだ。

今までの魔力でも操作が難しかったけど、これからは量が増えたらその難易度はさらに高まっていくだろう。

ここで負けてはいけない。

魔力制御を残りの夏休みで身につけて、あとは都市にも行こう。


そう決意を固めながら僕は意識を手放した





次の更新は日曜日にしたいなぁ(無理だったらごめん

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