魔物の氾濫は恐ろしい
気付けば50万pv突破してました!ありがとうございます。
うーん、予想以上に酷い光景になった。
漏れ残しが居ないのはいいけどこんな殺人現場みたいなのがバリアの近くにあるのはよろしくない。
雨でも降ってくれたら楽でいいんだけど、この世界でまだ雨って見たことないんだよね。
「マヒロお兄さま、今何かしたのですか?」
「魔法を使ったんだよ」
「でも、魔法陣が見えなかったような……」
「その話は取り敢えず家の中でしよっか」
何か言いたげなサーシャを引っ張って家に入った。
昼頃に家に帰ってくるのは久しぶりだ。
丁度お腹も減ってきた頃だったので、持っていた弁当を食べる。
家の中で弁当を食べるってのも新鮮だけどいい。
「それで、先ほどの魔法はどういうことなのですか?」
サーシャが待ちきれないと言った具合に聞いてきたので、折角だからこのまま講義をしようと紙を持ちペンを握る。
そしてルドルにも同時にある程度のことは教える。
「凄いです!詠唱もそうですが魔法陣が見えなければ攻撃の幅がかなり広がりますよ!」
サーシャは興奮した様子でそう言った。
「僕の世界だったらこれは当たり前なんだけどね。そう言えばまだ聞いた事なかったけどサーシャってレベルはどれくらいなの?」
ずっとルドルと一緒だったから気にすることはなかったけれど、思い出したように聞く。
「私はルドルのように戦闘は得意じゃないので、レベルは14ですね」
「あ、それでもそんなに高いんだ」
「マヒロお兄さま程ではないですが魔力は最初からそれなりにあったので攻撃魔法が主体です。そもそも敵と戦うなどということ自体少なかったというのもあります」
そう言えばサーシャは前にどこかで秘書をやって居たんだったっけ。
それでも強い方が何かとやりやすいと思うんだけど、違うのかな?
まあそこらへんは人によるのかもしれない。
「じゃ、取り敢えず魔法のことはとっても知りたいけどまた今度にするとして。あの魔物の群れはどうするべきだと思う?」
僕たちが今日見つけた水辺にいた無数の魔物達。
正直このまま放置していたらこの森の生態ですら危うくなるだろうし、何より安心して探索ができないだろう。
「その前にその魔物の部隊の情報が知りたいですね。ルドル、あなたの見た限りで魔物は何がいたのかしら?」
「俺が見た感じ居たのはフォレストウルフ、ヘビースパイダー、ゴブリン、オーク、ビッグボアなんかだね」
「……この森で一般的な魔物の構成ですね。それで、ルドルが見たという指揮官はどんな魔物?」
「わからねえ。ただ言えるのは俺より強いだろうってことだけだな」
「それは分かっています。それじゃあ数はどの位だったの?」
「これも完全にあってる訳じゃないから大体の数字で行くけど、5000はいない感じだと思う」
「氾濫の半分くらいね……もしかしたらルドル達は氾濫の魔物が集まる最中に出くわしたのかもしれないわね」
氾濫……前にも言っていたがどんなことが起こるんだろう。
名前からして良いイメージは浮かばないけど。
唸っている僕の顔をみてサーシャは気づいたように言う。
「マヒロお兄さまは氾濫を知らないのですか?」
「僕の世界にそんな言葉はなかったからね」
「氾濫というのは、十数年を周期に普段は纏った行動を取らない魔物達が、ある特別な個体を指揮官として軍隊的な行動を取り人間の街に攻めてくることを言います。氾濫には普通の氾濫と大氾濫の二種類が存在し、氾濫は数千体、大氾濫に至っては万など余裕で超える軍勢で押し寄せて来るのです」
「そんなに来るの!?地球だったら事前に狩られるだろうし、未開の地自体そこまで多くないからそんな魔物が数千数万で攻めて来ることなんて無いんだよね」
「こちらの世界では、氾濫時には街全体で戦うことになります。勿論、たった一人でも戦い勝ってしまうような人外はいますが極めて稀なので普段は冒険者が集まりその役を担っています」
氾濫ってそんなに恐ろしいものだったんだ。
それに数万の魔物を一人で倒せる人って……
僕の世界にも沢山いそうだけど凄いんだなぁと感じられる。
今聞いてる限り、この世界では地球と違って魔物が湧きやすいらしい。
地球だと管理下に置かれた範囲での魔物の出現は限られてるけど、この世界だったらレベルアップの制限なんかも無いってことだ。
「それでさっきの話に戻るけど僕たちが見てきたのは氾濫の前段階ってこと?」
「状況を聞く限りそうなりますね。魔物が一度に集まるのは氾濫時以外は有りませんので」
「その魔物達は将来人が住んでる街に攻め込んで行くんだよね?」
サーシャはええ、と頷く
「僕たちに何かできないかな?まだ見ぬ街とは言え僕らが知った情報は使えると思うんだ」
「確かに氾濫が起こる前に得られた情報は貴重です。しかし、もし仮に私達が今一番近い都市エピドールに行きこの情報を伝えたとしても信じては貰えないでしょう。私達にはその情報を提供するに当たっての信頼が無いのですから」
「……でも、このままにしておくのも後味が悪いけど」
「ならばこの我に任せるが良い!」
諦めきれないと言った風に机に突っ伏すと同時に、リビングの扉がバン!と開いた。
「……あれ?随分早いねヒルデ」
そこに立っていたのは、昨日と変わらない姿で立っている人化したヒルデ。
「うむ、急いでやることをやり戻ってきたのだ。それより聞いた話によると魔物が集まっているのだとか。マヒロ少年はそれをどうにかしたいのだろう?ならば私が手を貸すのも吝かではない」
「え?イヤイヤ。ヒルデには関係のないことなんじゃ」
「それを言うならマヒロ少年にも関係のないことであろう?見ず知らずの人の住処をどうして想う。……それに我には理由がある。マヒロ少年に恩義を返すためだ」
僕が理由を答えられずにいると、ヒルデは至って真面目な口調で続ける。
「恩義って、僕は何もしてないよ」
「我が子共々命を救ってくれた。これ以上ない恩義だ」
そう言われて僕は何も言えなくなった。
「恩義を返す機会を伺っていたがこれ程早く訪れるとは。その魔物達には感謝せねばなるまいな」
更新遅れてしまいすいません。
あと一つ、僕のiPhoneのバッテリーがやばいのでそろそろiPhone7に変えようと思っています。
その影響で更新が遅れるかもしれません。




