僕の身体は変わったらしい
「よう兄ちゃん起きたのか!身体はどうだ?」
ソファに横になっていると、ルドル達が二階から降りてきた。
僕の起きた姿を見て急いで近寄ってくる。
「おはよう二人とも。身体は特に問題ないかな?強いて言えば身体中が少し熱いんだよね」
「やっぱりか。兄ちゃん、朝から悪いけど昨日の結果を先に言わせてもらうぜ。昨日あの後無事兄ちゃんの魔力にかかっていた鍵は破壊された。ただ、その後兄ちゃんの魔力の多さに、まだそのレベルまで達していない兄ちゃんの身体は耐えきれず溢れ出してしまったってのが今の状況だ。簡単に言えば魔力が常に身体の細部まで組み込まれてるって事だな。ただ魔力による侵食は兄ちゃんの身体をヒトのソレとは少し違うものに変化させたと思う」
んん?話についていけないんだけど。
要は魔力に身体がやられちゃったってことかな?
「後は我が説明しよう。マヒロ少年の身体は見たところ私達の構造に似通ったものになったようだ。正直これは極めて稀なケースで、普通は魔力の侵食に耐えきれず身体が決壊を迎えるのだがな。恐らくマヒロ少年の身体は今魔力と共にあるのだろう。これは先ほど言った死と対面し打ち勝ったと言っていい。身体に既に魔力が順応していると言うことは、魔力の操作が淀みなく行う下地が出来たと言えるわけだな」
「じゃあ今の身体の熱さは……」
「まだ完全に適合したわけではないだろう。やがて全てが組み込まれたらその熱も引くだろうから、暫くは我慢すると良いのではないか?」
成る程。
聞いてたら悪い話じゃないと思うな。
確かに死にかけたらしいけど、それでも魔力操作がより上手く出来るようになったらしいし結果的に見れば十分オッケーだよ。
「ちょっと待って、魔力を試しに纏ってみるね」
断りを入れてから、魔力をいつもと同じように身体の奥から出そうとする。
これは……今までと桁違いだ
昨日までなら魔力を纏うのに5秒はかかっていた。
しかし、今は意識した瞬間スッと全く抵抗なく魔力が身体中を駆け巡った感覚があった。
文字通り、どうやら僕の身体は魔力に適したモノになったらしい。
「やっぱり魔力が全身に行き届くスピードが全然違うね。しかも兄ちゃん本来の魔力が限りなく完全に近い状態で出てるからこれまでの纏いとはかけ離れたものになってるよ」
「あ、なんか身体に力が漲ってくるんだよね」
「じゃあ今日は……探索に行けるか?」
「うん。今日ももちろん行くつもりだよ」
「なら今日の探索は昨日よりだいぶ奥までいけそうだな。取り敢えず東に進んでみるか?」
「そうだね。そろそろ水場を見つけたいし、レベルアップもしたいから」
朝からだいぶ喋ってたかな。
あ、今日の朝のトレーニングを忘れてた。
今日は探索も深くするし、別にいいかな?
「話が済んだのなら朝食にしましょうか」
「あ、ゴメンねサーシャ」
「いえいえ、今日の朝は和風?っぽいのにしてみました。レシピを見ながらだったので見た目は良い感じですが味は確かめて見てください」
じゃあご飯を頂こうかな。
今日の朝ごはんは味噌汁、焼き鮭と焼き海苔に醤油、ご飯という和食の鉄板だった。
え、味はどうだったのかって?
もちろん全部美味しくいただきました。
焼き鮭はパリッとした皮も美味しいんだよね。
でも焼き魚で一番好きなのはさわらの味噌漬けを焼いたやつかな。
ほのかな甘みが凝縮された肉厚の身がたまらない。
今度サーシャにはさわらも作ってくれるよう頼んでおこうと密かに心に決めた。
「ではマヒロ少年、昨日も言っていた通り我は今日の夜には帰ってこようと思う」
「了解です。お気をつけて」
「ふっ、竜種である私に心配をするとはな。怪我のことも含めておかしな奴だ。傷が治った私に心配など要らぬよ」
そう言ってヒルデは竜の身体に戻る。
やっぱりでかいなー。15メートルは軽くありそう。
彼女はバサッと大きく翼を広げて空の彼方に消えていった。
「よし、じゃあ僕たちも行こうか」
「おっしゃ!」
「二人とも気をつけて下さいね」
お腹も膨れたし、今日の探索も頑張るよ!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
昨日まで探索していたのは家から西側にかけてだったから今日は東を同じく横ラインで進んで行くことにした。
まず森に入って感じたのが、これまでの疲れが一切ないってこと。
魔力を纏ってる量がこれまでとは桁違いに増えたからかもしれない。
「だって兄ちゃんの魔力ってレベルの割にかなり多いぜ?昨日までと比べてそりゃ楽なのは当たり前だろ」
とのこと。
やっぱり魔力は多いほうがいいよね。
はい、欲張りすぎです。
もっと堅実にいかなきゃね。
「それにしてもこっちはやたらと魔物が多いね」
「そうだな。今でもう20匹は越えたか?」
今日はやたらと魔物との遭遇率が高い。
まあその内訳はスライムばっかりなんだけど。
「スライムが沢山いるってことはもしかしたら水場が近いかもしれない。ある程度魔物の生まれる場所は特定されるって聞いたことがある」
「え、そうなの?じゃあこのスライムがいるところをたどっていけばもしかしたら水場にたどり着けるかな?」
「あくまで可能性だけど多分そうだと思うぜ。あ、あそこにもスライムがいるから斬って」
「了解っ」
こんな調子で僕たちは森を歩くスピードを速めて探索を進めていった。
そしてスライムの討伐数が50を超えた頃、僕たちはとうとう幅3メートルほどの川を見つけた。
やったー!
5月の毎日投稿達成っす!
いやー頑張った……
6月も基本毎日投稿を目指しますが、多分無理な日もあると思います(あ、明日は休ませてくださいm(_ _)m
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