表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/9

7

7


初めてスキルを獲得したことが楽しくなり、無駄にネモの実を出しすぎてしまった。


「どうするよ、これ…」


草原の中、ネモの実に囲まれ、放置して歩くことも出来ず呆然としていると突然


「これは…!ネモの実ではないか!!」


いや、誰ー?!


いきなり現れたそのおじさんは、服というより布1枚を身にまとっただけの…


「変態…!」


思わず声が出てしまった。


すると、おじさんは私に気づいていなかったのか、驚いた顔で私を見てきた。


「だ、だれだ!貴様!」


「あなたこそ誰よ!ていうか何なのその格好!」


おじさんはじっと私を見据え、

「私はキヌトだ。この格好がおかしいと言うなら、貴様、どこから来たんだ?」

と言った。


「私はロン。どこからって…」


どこから来たか自分でも分からないのに説明しろと…?


あー、やっぱり面倒だな。


「どこからでもいいでしょ!とりあえずこれあげるからどこかホテルまで案内してよ!」


そう言って山のようなネモの実を指さすと


「えっネモの実をくれるのか!有難い…!」

すごく嬉しそうに言ってきた。


…なんだ、可愛い顔するじゃん。


「何でも言うことを聞く、が、ホテルとはなんぞや?」


「ホテル知らないか…寝泊まりするところ!私は家がないのよ」


「ほう。そういうことなら、うちに来るがよい。部屋なら余っているからな」


おじさんの家かぁ…


まぁ野宿よりマシか。



そんなこんなでおじさん、いや、キヌトの家に向かうことにした。


ていうか、日本語通じるんだ…


(ロン、伝えるタイミングがありませんでした。この世界での言語が分かるスキルを獲得しました。)


まじか。またしても自然とスキル獲得。

これは楽だなぁ。



着いた先は…


「これが…家?」


キャンプ場によくある、ログハウスかな?


エアコン、あるのかな?


「これがうちだよ、どうぞあがって」


ドアを開けた瞬間、出てきたのはおばさん…

あ、この2人夫婦かな。


「あら、こんにちは、どなた?」


「ロンといいます。」


まぁ!という顔をしたおばさんは、愛嬌がある。

2人とも50代くらいだろうか。

うちの両親と同じくらいかな。


「ナトメ、この子がネモの実をくれるっていうから、泊まらせてあげようと思って。」


ナトメと言うおばさんは、嬉しそうな顔をして


「あらー!ありがとう!どうぞ何日でも泊まって!」


「ありがとうございます、お願いします」


泊まらせてもらうことにした。


そんなにネモの実って、嬉しいものなのかな…

確かに美味しいけれど…



約束通り、空き部屋に案内された。


「好きに使っていいわよ、どうぞごゆっくり」

ニコニコしながらナトメは部屋を出ていった。



なかなかいい部屋ね。

エアコンはないけど…

普通のログハウスだな。

でも窓もあるし、ベッドもあるし、ネモの実で泊まらせてもらえるなんて、良い人に出会ったわ。

だけどネモの実であんなに大騒ぎするなら、魔法で出すと大変なことになりそうだし、魔法を使えるのはしばらく言わないでおこう…。



〈獲得したスキル〉

この世界における言語能力

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ