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「食べさせたいって、美波はよく来るの?」

気になってたことを聞いてみた。


「1回だけね!普通に美味しかったのもあるけど、最後のゼミの集まりから会えてなかったし!」


そう、美波とは大学で同じゼミのメンバーだった。

みんな仲が良かったけど、特別集まるような深い仲ではなかったような…。


「大学で会う度に私に引っ付いてたし、ほんとに美波は私のこと好きだね〜」

と笑いながら言うと、


「えっ…うん」


えぇーーー!なぜそこで恥ずかしがるんだ…?

やめてくれよ…女同士だよ私ら…


思わず苦笑いしてしまった。


「ところでさ、美波は就職先決まったの?」


この店に連れてこられた理由が、ただの会いたい口実だと分かった時点で、問い詰める必要もない。


「決まった!ほんとギリギリよ!良かったぁ」


「そっか、よかったね。じゃあ今日は美波の内定祝いで奢ってあげるよ」


ほんとに?!と嬉しそうな美波。


卒業式間近まで就活してたのに相変わらずバイトを辞めないなんて美波らしいなと、ただただ思う。


軽く私の友人を紹介しておこうかな、

美波は大学で同じゼミの仲間。

茶髪でゆるく巻いてるThe女の子。

会う度に「千尋〜!」って付いて回るのは大学でも有名なほど。

私からしてみれば、可愛い女の子が仲良くしてくれてるのは少し嬉しいものの、なぜか周りの男子、そして女子までにも妬まれるので、思わず美波には冷たくしてしまう。

ちょっと可哀想とは思うけど、大学で特別仲良い友人が出来ないのは美波のせいなんじゃないかと心の隅で思っている。

この子、ふわふわしてそうで意外と一人暮らしをしている。

家事も毎日しっかりやってるようで、バイトしてるのも家賃を払うためだとか。


ちなみに私はというと、人気者で可愛らしい美波とは対照的な、ベリーショートヘアで毎日長ズボン、メイクしたのなんて成人式のときくらいだろうか。

いわゆる陰キャと言ったら分かりやすいが、こんなことを言うと全国の陰キャに「一緒にしないでくれ」と言われそうだ。




「お祝い」されるのが嬉しいのか、コロコロと笑う美波は何とも可愛らしい。

心ではこんなに褒めてるなんて、美波は知らないんだろうな。



オススメパスタというものは、すぐに来た。

私の好きなサーモンが入ったクリームパスタ。



たわいもない話をしながら、食事を済ませ、今後の予定まで取り付けられてしまった。



「千尋、ご馳走様でした♡」

本当に、語尾にハートが付いたような言い方をしてきた。


「いいえ、じゃあまた後日ね」


そう言って今日は解散をした。

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