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席に着くなり美波、
「最近どうなのよ?」と言う。
「え、どうって?」
「ほら、あと残すは卒業式だけでしょ?千尋も無事就職先決まったことだし、この春休みに彼氏の1人や2人作って遊んでるのかなって!」
…この子は何を言ってるんだろうか。
さっき彼氏居ないって言ったよね、私。
「彼氏2人も居たらダメでしょう、というか今は入社する為の準備で忙しいから彼氏なんていらないの」
彼氏の1人や2人なんてきっと冗談だし、事実私は恋愛に興味もない。
「またそうやって〜。まぁ彼氏は作らなくてもいいかもだけど、なによ、入社の準備って?」
「まぁいろいろ!だからずっと家に居たのよ」
疑うことも無く、へぇー。と言う美波を横目で見ながら店員さんを呼んだ。
もちろん入社準備なんていうのは、心の準備のことであって、買い物をしたり、勉強をしたりなんてする訳ないけどね。
と考えてるうちに、さっきの男の店員さんが来てくれた。
「このオススメパスタ2つください。千尋、飲み物は?」
「あ、私は水で。」
「じゃあ飲み物は無しでお願いします」
「かしこまりました」と店員さん。
綺麗な茶色の眼だけど、やっぱりよく見ても、右眼だけカラコンのように見える…。