さむさむですが
短いです
神と軽く話した後、私は結局そのままの願いを叶えてもらうことにした。
こう、なんていうか浮遊感?があって気がついたら知らないベットで寝てた。
服はパジャマみたいな奴で、ベットの脇においてある鏡に映る私は、どこからどうみても一歳か二歳くらいだ。
わー、これは転生なのかな?
神に会ったときはそんなに実感無かったけど今すこしだけ感動を覚えた。
へー、うひゃーすげー。
せっかくなので家中をまわってみることにした。
約一歳なので、とてもスピードは遅いけど楽しいから関係ない。
お風呂はプール以上大浴場以下。いや、もしかしたら温泉宿経営できそうなくらいかも。
キッチンはレストランの厨房並み。マジで開けるわレストラン。
トイレは…普通だった。でも3階建ての家の中全ての部屋に完備されてる。全部で何個あるんだろうな。
リビングはない。全部広い。どこがリビングかわからない。
なぜかホールがある。歌でも歌うためかな。防音も完備されてる。
それに、スポーツジムっぽいところもあった。鍛えるのに最適だね。トレーニングマシーンがあった。
図書室みたいなところがあって、本当に大図書館みたい。360°全体に本があって、円形の部屋の中にある。めちゃめちゃ退屈になる。眠くなる。
だって、全部魔法についての本だし、そこまではいいけどそもそも字読めないし。
イラストでわかるけどさ、魔法の打ち方とか。でも面倒くさそう。
ある一角のコーナーだけ文字の勉強だとか世界の地理とかそういうめんどくさい本ばっかりある。
廊下が沢山あって、めちゃめちゃ長い。100メートル以上ある。
本当、どれくらい広い家なのか見当もつかない。
途中、ドアを見つけて出てみようとしたんだけど。
でも、無理そう。てか無理。
家にたった一つしかない玄関のところの小さい窓から外を見たとき、外は真っ白だった。
なにのせいで白いのかわからなくて、ほんのちょっぴりだけ窓を開けてみた。
風がびゅんびゅんいう音がして、肌を撫でて行った。というか切った。
着てた服がめくれて、肌の表面が白くなった。
氷?雪?わかんないけどかたくて重い白い物が外から入り込んできたのだ。
手足が赤くなってきて、白い息が出た。
手が冷たくなってきて、動かない。
頭がキンキンして足が固まった。
必死に手を伸ばして、やっとの思いで窓を閉めた。風の向きもあって、閉めるときは簡単だった。
はいコレ無理ゲー。無理ゲーです。
てか、こんなので家から出る気になんないよね。
ところで、私ってこんな話し方だっけ?
まーいっか。
転生効果でやっほいしてるんだなーきっと。
『…ぼく、あくま。名前、お願い』
「ういっ」
突然のあくま申告!
早百合は周りを見渡す!
だがいないッ!どこだ、どこにいるというのだッァ。
『ぼく、…あくま。名前…名前、お願い』
イタァアアアアア。
真後ろにイタァアアアアア。
こえぇええええええ。
てか外見グロォオオオオ。
落ち着け私落ち着け私。
深呼吸深呼吸だ私。
スウウウウウウハッァアアアアア。
「あ、ああえ?(な、なまえ?)」
『ぼく…、早く名前、…消えちゃう』
うわぁあああああ。
なんかよくわからないけどいきなり現れてそのうえ名前付けないと消えるとかいいだした!
「あうりー、ああいはあうい!いいああうあ(早百合ー、私は早百合!君はあくま)」
『名前…、受信。ぼくの名前は…』
おし、おし、通じたかどうかわからないけどとりあえず名前は大丈夫そうだ。
ふー。
それにしても、何でいきなりこいつは来たんだ。
『アウリー、で確認。終了』
ん?
アウリー????
早百合ー、さゆりー、さぁーゆぅーりー?
ぁぅりー?アウリー?ああ、そういうことか。
「いあうい!(違うし!)」
「ぼく、…アウリー。貴方のことを認める。名前、ありがと。助かる。君の名前おしえて」
言葉が通じないのかそれとも私の言葉が赤ちゃん言葉で聞こえないのか。
わからないけど、とりあえずこのままじゃいけないきがした。
だからといって、紙に字もかけないのであきらめました。
あら、名前をあげたら容姿がすこしましになった。
【ヴィーヴル。貴方の名前はヴィーヴル】
あれ、どっか上のほうから声が…。
「え、と。《ヴィーヴル》だよ。私の名前は。って、あ!声が出る!」
『ヴィーヴル、で確認。終了。ぼくのマスター。愛称、ヴィー」
うわぁ、話がどんどん進んでいくな…。
愛称まで勝手に決めるのか。
でもな…、さっきなんで話せたんだろう。
「うーん、ああんあいああ(うーん、わかんないなあ)あ、おおっえう(あ、戻ってる)」
どういうことなんだ…?
わけわからん。
それにさっきの声は…。
【ふふ、混乱してる】
わー。
ついに頭がイカレたかー。
さよならー私。
【何言ってるの。あたしは妖精よ。貴方を守る貴方専属のね】